テラーノベル
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声をかける気なんて毛頭なかった。
兵士が自主練をすることは
何も珍しいことではない。
今日もその場を通り過ぎようとした時、
あいつの声が耳に入る。
「…もっと鍛錬しなきゃ。
壁外ですぐに死んでしまう」
“おまえのような浮かれてる奴は
壁外ですぐに死ぬ”
かつて自分がかけた言葉を思い出す。
あいつはそのために…
気づけば声をかけていた。
「嘘…出来た…」
嬉しさを隠しきれていない、
緩んだ表情でこちらを見る。
懐かしさのような、
何とも言いようのない感情がよぎる。
そんな感情をかき消すように
淡々と改善点を伝え、
その場を後にする。
再び練習に戻るあいつを一度振り返り、
俺はもう一度歩き出した。
コメント
1件
あ、この第9話…めっちゃ刺さったわ。過去に「すぐ死ぬ」って言った相手が、その言葉をバネに必死で鍛えてるのを見て、本人も気づかずに声かけちゃう主人公の心情、すごくリアルだった。嬉しそうな顔に「懐かしさのような何とも言いようのない感情」がよぎる描写、良いよね。感情を隠して淡々と改善点だけ伝えて去るところに、彼なりの距離感や不器用さが出てて…。続きがすごく気になる!
#夢小説
さらん
3,884
さたん📖🕊️
22
#不定期更新