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月城 ゆう
月城 ゆう
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小6の治侑治が逃げ出す話です カプ要素が薄い。
2人とも弱ってるし狂ってるので、こんな2人見たくない😣って人はやめておこうね
小説を書くことは不慣れなのでちょっとおかしいあと誤字脱字があったら教えてください
⚠ ・死ネタ
・共依存
・エセ方言
・犯罪描写
小学6年生の夏休み。2人で近所の公園で並んでブランコに座っていた。遊び疲れて漕ぐ力も出なかったからだ。空は赤く染まり、公園には、ブランコの軋む音と烏の鳴き声だけが響いていた。
「なぁツム」
「帰りたくない」
ふと、自分の片割れが言った。聴き逃してしまいそうなほど小さく。振り向くと、彼の横顔は同い年なのにやけに幼く見えた
「じゃあ、どっか行くか?」
あんな事は言わなければよかったかもしれない。そうすれば、また日常に戻るだけだったのに。
「…おん、連れてって」
「どっか、遠くて、だれも追いかけれんとこ。」
ここから俺達のあの夏は始まった。
8月で蒸し暑いというのに、酷く寒いような感じがした。
周りは自分のことを理解しなくても、こいつだけは俺のことを分かっていた。同じように、俺もこいつのことを分かっていた。だから、どうしようもないときに縋りたくなる相手はこいつなんだ。
財布と水筒が入ったバッグを背負って、俺たちはただ道を歩いた。ふらふらと。家と反対方向に歩き続けた。適当に曲がって、適当に信号を渡った。そうしているといつの間にか、通っている小学校の前に着いていた。いつも着いているはずの電気が着いていなくて、なんとなく夏休みを感じた。2階の職員室だけがひっそりと輝いていた。
少し古びた校舎を見上げながら治が言った。
「もうここに来ることはないんやろうな」
「おん」
そんな短い会話をして、また歩き出した。
バッグについた、バレーボールのキーホルダーがからんと鳴った。
まだ俺たちは引き返せたんだ。まだ、「やっぱりおかしい」と、治の手を引いて家に帰れたんだ。そして、親にこっぴどく叱られればよかったのかもしれない。
しかし、それは大人たちが言う「良かった」で、俺たちにはそんな事関係なかった。
ただ、楽しかったんだ。
これからの事とか何も考えず、現実から2人逃げ出すのが楽しかった。その楽しさが一時的な物だなんてとっくに分かっていた。けど、すべてを投げ出したい俺たちを慰めてくれるのはその楽しさしか無かった。
空は日が沈みかけていて、紫色に染まっていた。辺りを見渡しても知らない建物しかない。
「全く知らんとこまで来てもうたな」
治は公園の時と違い、心から楽しそうな顔だった。
「おん、きっともう誰も追いかけてこれんわ」
「んふふ、そうやろな」
俺は治の手をギュッと握り直した。何があっても離れないように。
その日は公園のベンチで座って眠った。夕食を食べなかったというのに、空腹を感じなかった。
もう現実に戻れなくてもいい。誰にも邪魔されないところで、2人で死のう。
自分より先に眠った治の黒髪を撫でながら思った。
次の日も俺たちは逃げ続けた。腹が減ったらコンビニで何かを買って、分け合った。
「おいサム、それ何買うたん」
「カッター」
「そおか」
それから川に入って遊んだ。子供だけで川に入っちゃいけない事なんて忘れて、何も考えずはしゃぎあった。 このまま流されてしまいたい、と思った。
「さっきサムのせいで捕まりそうになったやんけ、お前もっと早く走れよ」
「うるさいわ。あれは転けたんやから仕方ないやろ。」
何も怖いものはなかった。万引きをして、大人たちから逃げて、そして治とくだらない言い合いをして。どこにでも行ける気がした。無敵な気がした。2人なら、全く知らない街でも怖くはなかった。
雨が降っている。後ろから聞こえる怒号のせいで頭が痛い 。しばらく水を飲んでいないから、視界がぼやけてきた。固く握った手が手汗で離れそうになる。
体力も限界になってきた時、急に身体が引っ張られた。
「来るなっ!!」
治が叫ぶと同時に、俺の首に手を回し引き寄せる。首に冷たいものが当たった。
あ、カッターだ。
目の前の鬼たちが立ち止まった。なにかを叫んでいるが、雨の音でよく聞こえない。
そのままじりじりと後ずさる。
距離が十分に取れたことを確認すると、また俺たちは逃げ出した。
別にあそこで首を切って死んでもよかったんじゃないか。ぼんやりと考えながら走った。
意味分かんない位走って、走って、気づくとどこかの海だった。今日は雨だからか、遊びに来てる人はいなかった。
「なぁツム」
「なんやサム」
「死のう」
「ええよ」
ばしゃん、と手を引いて海に倒れ込む。冷たい水が服の中に流れ込んでくる。
逃げるのに必死で、しばらく食べ物も水も何も食べていない。そのせいで頭がふわふわして、なんだか心地良い。
寒いけど、繋いだ手だけはまだ暖かい。
空から降り注ぐ雨が頬を濡らす。段々と視界が暗くなってくる。力もうまく入らない。それでも、手だけは絶対に離さなかった。
「サム、好きやで」
「おん、俺も」
治の瞼が閉じたのを見て、俺も目を瞑る。
繋いだ手が冷えていくのを感じた。
コメント
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ああ〜読み終わったけど胸がギュッてなった…😭💔 小6の双子が「逃げる」って選択するしかなかった切なさがひしひしと伝わってきたよ。特に「サム、好きやで」「おん、俺も」って海の中で言い合うシーン、美しくて苦しくて忘れられない…。2人だけの世界で手を離さなかったのが、救いであり哀しさでもあるよね。方言の感じも2人の関係性に合っててすごく良かった!また続きがあったら絶対読むね🌸