桃「 おめぇ、離れんなよ? 」
黄「 そんなに子供じゃないですよ笑 」
桃「 心配だな… 」
今日は桃くんと一緒に
今年最後の蛍を見に来た
蛍なんて見るのは久しぶりだから
浮かれすぎたのかもしれない
気づいたら後ろに桃くんは居なくて
僕一人で暗い竹林の中に立っていた。
黄「 はぐれました… 」
「 しかも竹林…ですよね、 」
「 むやみに動き回ったら猪…鹿…蛇… 」
( 想像しただけでも身の毛がよだつ… )
×「 …君、僕の竹林で何をしてるの? 」
黄「 ………… 」
僕はその人を見て言葉を失った。
それは、
黄「 …ほた、る…? 」
その人の周りにはたくさんの蛍が飛んでいて
とてつもなく、神秘的に見えたからだ。
×「 蛍…だけど? 」
「 …道に迷ったの? 」
黄「 蛍が…綺麗…… 」
×「 お〜い? 」
( どうすっかなぁ… )
×( あ、そうだ )
「 蛍くんたち 」
「 少しだけ遊んであげて 」
黄「 ! 」
「 うわぁ…✨ 」
ーーーーーーーーーーーー三十分間後ーーーーーーーーーーーーーー
黄「 ありがとうございました! 」
「 とても楽しかったです笑 」
×「 蛍も満足したみたい笑 」
「 僕の方もありがとうね、笑 」
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×「 ところで、君は道に迷ったの? 」
黄「 僕は……まぁ、 」
「 道に迷いました、笑 」
×「 ふ〜ん 」
「 …本当に蛍が見たかったんだね笑 」
黄「 えぇ、もちろんです!笑 」
×「 蛍が好きな子は僕は好きだよ 」
「 静かな子が多いから 」
黄「 …ところで、なんですけど… 」
×「 どうしたの? 」
黄「 お名前は…? 」
×「 あれ、言ってなかったかな笑 」
「 僕の名前は 」
青「 青だよ 」
黄「 青…さんですね 」
「 覚えておきます!! 」
青「 君は元気だね笑 」
黄「 ところで… 」
「 さっき、ここは僕の竹林だって… 」
青「 うん、そうだよ 」
「 ここは衛星からも映らない竹林の中 」
青「 人もほとんど立ち寄らないから 」
「 魔獣も魔物もいっぱい居る 」
淡々と話す青さんの笑顔は
少し穏やかで少し気味悪かった。
だって、” 魔獣 “や” 魔物 “だって
僕は見た事が無い。
黄「 …青、さんは… 」
青「 青でいいよ笑 」
黄「 じゃあ、青ちゃん! 」
「 ダメ…かな、笑 」
青「 …笑 」
「 可愛い呼び名貰っちゃった笑 」
黄「 ……っはは、笑 」
「 青ちゃんはどうして、こんな所にいるんですか?笑 」
青「 僕は年中ここにいるわけじゃないよ?笑 」
「 僕は蛍の妖精……みたいなもの笑 」
黄「 蛍の妖精、?! 」
青「 うん、そうだよ笑 」
「 だから、蛍の時期が終わると僕は一時的に消える 」
黄「 一時的…? 」
青「 蛍が出始めたら僕もまた現れる 」
「 それまでは冬眠みたいに眠るの 」
黄「 熊…?? 」
青「 …………… 」
黄「 あ…ッ、ごめんなさッ… 」
××「 まったく、本当ですよ 」
黄「 ほ、ほ、ほ…蛍が…人間に、! 」
××「 僕は人間ではありません! 」
「 青様と同じく妖精です!! 」
青「 君は本当に僕への忠誠心が強いね… 」
××「 当たり前です! 」
「 貴方は我々妖精の王ですよ?! 」
黄「 王?! 」
青「 王の器じゃないよ笑 」
「 この子達が慕ってくれてるだけ笑 」
黄「 にしても…綺麗な赤髪… 」
青「 この子は少し珍しくてね…笑 」
「 妖精の子でも 」
「 普通なら君と同じ黄色の髪か黄緑の髪なんだけど… 」
「 この子は赤髪でね…笑 」
××「 ただの、遺伝子の突然変異です… 」
黄「 突然変異…って… 」
青「 僕も色々調べてはいるんだけど…ね笑 」
「 まぁ、仲良くしてあげて笑 」
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青「 この子の名前は赤 」
「 僕が命名した 」
青「 赤、ご挨拶は? 」
赤「 ……よろしくお願いします… 」
青「 まったく、笑 」
黄「 赤さんは蛍に戻ったり出来るんですか、?!笑 」
赤「 …一応 」
黄「 凄い、!! 」
青「 ……………… 」
青ちゃんは急に黙って
僕の方をじっと見つめてくる
黄「 あの…青ちゃん、?? 」
青「 ねぇ、黄くん 」
黄「 ? 」
青「 来年もその次の年も 」
「 ずっと来なよ 」
黄「 …いいんですか? 」
青「 いいy…… 」
赤「 ダメです 」
青「 ……赤 」
赤「 …はい…すみません… 」
青「 …いいからさ、ずっと来な 」
黄「 じゃあ! 」
「 絶対来ます!!笑 」
青「 ……………… 」
赤「 青様…?? 」
青「 可愛すぎでしょ…/ 」
赤「 なッ “…… 」
黄「 笑笑 」
( あぁ、楽しいな笑 )
ーーーーーーーーーーー五年後ーーーーーーーーーーーーー
黄( さてと…今年も行きますか! )
「 また、蛍が見れるな、笑 」
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黄「 あとはここを通れば… 」
黄「 っ “、?! 」
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青「 黄…くん…? 」
赤「 青様!! 」
「 今すぐ手当しないと!! 」
青「 もうダメだッ… 」
「 鼓動も…呼吸も…音がしてない…ッ 」
赤「 ッ “… 」
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その瞬間、赤の顔は涙でぐしゃぐしゃになった。
でも、きっと僕も酷い顔をしていたと思う。
森の魔獣たちが僕の覇気に寄ってきた。
まるで、黄くんの死体を
囲むようにして。
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【 速報です 】
【 今日未明、二十一歳の成人男性が 】
【 蛍を見に出かけてから行方不明となっています 】
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青「 黄くん、これで君は 」
「 ずっと僕と一緒だよ 」
赤「 ッッ…… 」
青「 僕の命が尽きるまで、ずっと… 」
「 永遠に 」
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めっちゃ頑張った……
あと、自分が夏休みに入ったら
毎日投稿するかも…?
でも、部活もあるから
書き溜めの数次第だけどね
コメント
3件
めっちゃ感動したぁ… 私は、最初から最後まで桃くんの事を考えてしまって…((
すごい感動した(T^T) 蛍ってだけで感動する(え?