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蛍が見せる一瞬

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蛍が見せる一瞬

1 - 蛍が見せる一瞬

♥

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2023年06月25日

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桃「 おめぇ、離れんなよ? 」


黄「 そんなに子供じゃないですよ笑 」


桃「 心配だな… 」



今日は桃くんと一緒に

今年最後の蛍を見に来た


蛍なんて見るのは久しぶりだから

浮かれすぎたのかもしれない


気づいたら後ろに桃くんは居なくて

僕一人で暗い竹林の中に立っていた。


黄「 はぐれました… 」

「 しかも竹林…ですよね、 」

「 むやみに動き回ったら猪…鹿…蛇… 」

( 想像しただけでも身の毛がよだつ… )


×「 …君、僕の竹林で何をしてるの? 」


黄「 ………… 」


僕はその人を見て言葉を失った。

それは、


黄「 …ほた、る…? 」


その人の周りにはたくさんの蛍が飛んでいて

とてつもなく、神秘的に見えたからだ。


×「 蛍…だけど? 」

「 …道に迷ったの? 」


黄「 蛍が…綺麗…… 」


×「 お〜い? 」

( どうすっかなぁ… )


×( あ、そうだ )

「 蛍くんたち 」

「 少しだけ遊んであげて 」


黄「 ! 」

「 うわぁ…✨ 」


ーーーーーーーーーーーー三十分間後ーーーーーーーーーーーーーー


黄「 ありがとうございました! 」

「 とても楽しかったです笑 」


×「 蛍も満足したみたい笑 」

「 僕の方もありがとうね、笑 」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


×「 ところで、君は道に迷ったの? 」


黄「 僕は……まぁ、 」

「 道に迷いました、笑 」


×「 ふ〜ん 」

「 …本当に蛍が見たかったんだね笑 」


黄「 えぇ、もちろんです!笑 」


×「 蛍が好きな子は僕は好きだよ 」

「 静かな子が多いから 」


黄「 …ところで、なんですけど… 」


×「 どうしたの? 」


黄「 お名前は…? 」


×「 あれ、言ってなかったかな笑 」

「 僕の名前は 」


青「 青だよ 」


黄「 青…さんですね 」

「 覚えておきます!! 」


青「 君は元気だね笑 」


黄「 ところで… 」

「 さっき、ここは僕の竹林だって… 」


青「 うん、そうだよ 」

「 ここは衛星からも映らない竹林の中 」


青「 人もほとんど立ち寄らないから 」

「 魔獣も魔物もいっぱい居る 」


淡々と話す青さんの笑顔は

少し穏やかで少し気味悪かった。


だって、” 魔獣 “や” 魔物 “だって

僕は見た事が無い。


黄「 …青、さんは… 」


青「 青でいいよ笑 」


黄「 じゃあ、青ちゃん! 」

「 ダメ…かな、笑 」


青「 …笑 」

「 可愛い呼び名貰っちゃった笑 」


黄「 ……っはは、笑 」

「 青ちゃんはどうして、こんな所にいるんですか?笑 」


青「 僕は年中ここにいるわけじゃないよ?笑 」

「 僕は蛍の妖精……みたいなもの笑 」


黄「 蛍の妖精、?! 」


青「 うん、そうだよ笑 」

「 だから、蛍の時期が終わると僕は一時的に消える 」


黄「 一時的…? 」


青「 蛍が出始めたら僕もまた現れる 」

「 それまでは冬眠みたいに眠るの 」


黄「 熊…?? 」


青「 …………… 」


黄「 あ…ッ、ごめんなさッ… 」


××「 まったく、本当ですよ 」


黄「 ほ、ほ、ほ…蛍が…人間に、! 」


××「 僕は人間ではありません! 」

「 青様と同じく妖精です!! 」


青「 君は本当に僕への忠誠心が強いね… 」


××「 当たり前です! 」

「 貴方は我々妖精の王ですよ?! 」


黄「 王?! 」


青「 王の器じゃないよ笑 」

「 この子達が慕ってくれてるだけ笑 」


黄「 にしても…綺麗な赤髪… 」


青「 この子は少し珍しくてね…笑 」

「 妖精の子でも 」

「 普通なら君と同じ黄色の髪か黄緑の髪なんだけど… 」

「 この子は赤髪でね…笑 」


××「 ただの、遺伝子の突然変異です… 」


黄「 突然変異…って… 」


青「 僕も色々調べてはいるんだけど…ね笑 」

「 まぁ、仲良くしてあげて笑 」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


青「 この子の名前は赤 」

「 僕が命名した 」


青「 赤、ご挨拶は? 」


赤「 ……よろしくお願いします… 」


青「 まったく、笑 」


黄「 赤さんは蛍に戻ったり出来るんですか、?!笑 」


赤「 …一応 」


黄「 凄い、!! 」


青「 ……………… 」


青ちゃんは急に黙って

僕の方をじっと見つめてくる


黄「 あの…青ちゃん、?? 」


青「 ねぇ、黄くん 」


黄「 ? 」


青「 来年もその次の年も 」

「 ずっと来なよ 」


黄「 …いいんですか? 」


青「 いいy…… 」


赤「 ダメです 」


青「 ……赤 」


赤「 …はい…すみません… 」


青「 …いいからさ、ずっと来な 」


黄「 じゃあ! 」

「 絶対来ます!!笑 」


青「 ……………… 」


赤「 青様…?? 」


青「 可愛すぎでしょ…/ 」


赤「 なッ “…… 」


黄「 笑笑 」

( あぁ、楽しいな笑 )


ーーーーーーーーーーー五年後ーーーーーーーーーーーーー


黄( さてと…今年も行きますか! )

「 また、蛍が見れるな、笑 」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


黄「 あとはここを通れば… 」


キキィィィッッ!!!!


黄「 っ “、?! 」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


青「 黄…くん…? 」


赤「 青様!! 」

「 今すぐ手当しないと!! 」


青「 もうダメだッ… 」

「 鼓動も…呼吸も…音がしてない…ッ 」


赤「 ッ “… 」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その瞬間、赤の顔は涙でぐしゃぐしゃになった。


でも、きっと僕も酷い顔をしていたと思う。


森の魔獣たちが僕の覇気に寄ってきた。

まるで、黄くんの死体を


囲むようにして。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【 速報です 】


【 今日未明、二十一歳の成人男性が 】

【 蛍を見に出かけてから行方不明となっています 】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


青「 黄くん、これで君は 」

「 ずっと僕と一緒だよ 」


赤「 ッッ…… 」


青「 僕の命が尽きるまで、ずっと… 」


「 永遠に 」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



めっちゃ頑張った……


あと、自分が夏休みに入ったら

毎日投稿するかも…?


でも、部活もあるから

書き溜めの数次第だけどね














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