テラーノベル
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・・ゃ 違う。
・・しゃ 違う。
・ざいしゃ 違う。
はんざいしゃ 違う。
バッ
「っは、は、は。…ゆ、め?」
起きたら体中汗びっしょりだった。
「ゆめ…だといいな。」
今日は嫌な予感がする。
心の準備はしといたほうが良いかな。
「おはよう。」
今日もいつも通り挨拶をして、ご飯を食べて学校へ行く。
ザー
「雨か。やっぱりだめなのかな?」
〜教室〜
ガラッ
今日も一番…と言いたいところだが、ここ最近は煌のほうが早い。
でも、今日はいなかった。
「珍し。」
少しすると人が集まってきて最後に煌が入ってきた。
珍しく今日は静かだ。
少しすると。
ヒソヒソ
こそっ〈ねぇ、秋月さんって…〉
皆チラチラと私の方を見てはコソコソと話している。
こういう話は広まるのが早い。
でも、コソコソと話すだけ。それだけならすごく楽だ。
…と思っていた。
一歩教室を出ると隣のクラスの人から声をかけられる。
[お前、犯罪者の娘なんでしょ?なんで学校来てんの?]
こんなの無視しとけばいい。わかっているのにどうしても反抗してしまう。
「っ。別に良いじゃないですか。」
[犯罪者の子供の分際で反論してんじゃねぇよ。]
犯罪者の子供の分際で。
犯罪者の子供だったら、学校に来てはいけないのだろうか。
犯罪者の子供は反抗することさえだめなのか。
「っは、はぁ、はぁ。」
頭の中で「犯罪者」という言葉がグルグルする。
[なんとか言えよ!]
【おい、何してんだ!】
気づくと周りの視線が集まっていて先生も近づいてきている。
どうしよう。
そんなことを思っていると。
急に手首を捕まれ、人だかりを抜けていく。
階段を登って、屋上の前についた。
「っはぁ、はぁ。だ、誰ですか?」
『僕だよ。』
「な、なんで?」
『君を助けるのが僕の役目だから。』
「もう …わ….ないで。」
『?』
煌の頭の上にハテナが浮かんでいるようだった
「もう構わないで!別にあんたの助けなんかいらない!助けてほしいなんて言ってない!」
『それでも僕は君を助ける。』
「なんで?泣私を助けるのはあんたの意志じゃない!誰かに頼まれたからでしょ!誰かに頼まれたから私を助けてるだけ。どうせあんたも私のことを犯罪者の娘だとか思ってるんでしょ!」
『違う!』
「違わない!もういい!」ダッ
この場から離れようと階段を降りる。
そのまま荷物を学校においたまま家に帰った。
とてもじゃないけど、教室には戻れなかった。
何を言われるか怖かった。
荷物は後日、先生が届けてくれた。
ただそれだけだった。特に何を言ってほしいとかはない。
でも、なんとなく先生に見放された気がした。
めっちゃ我儘だなって自分でも思う。
でも、ただただ怖かった。
家にいれば何も言われない。そんな安心感が私を家に縛り付ける。
でも、家にいるだけではだめだ。きっとまた死にたくなる。
学校に行ってもそうかもしれないけど。大翔と約束したんだから。
「ははっ。いままでうまくやってたのにな〜。また、逆戻りか。泣
私はいつまで犯罪者の娘でいればいいの?」
物語の主人公とかには一回苦しんでもらいたいという歪んだ性癖の持ち主です。
見てて自分も苦しいんだけど、どん底から復活するところが好き。
同志いません?