あの子が私に話しかけたあの日から、私はあの子を目で追うようになった。友達と遊ぶあの子、きれいな花を見つけて自慢するあの子、転んで泣くあの子。可愛くて可愛くて愛しいあの子…私の初恋。同性恋愛が変な目で見られるこの時代に私は貴方に…白輝 璃菜に恋をしてしまいました。私の片思いは、これからどうすればいいの…?
「朱里ちゃん!!」
前よりハキハキと言葉を口にする璃菜
「どうしたの?」
それに、優しく問いかける静樹 朱里
「璃菜ね、今日の朝、可愛いチョウチョウを見たの!」
腕を大きくひらげ、羽の方になるように、上下に動かした。そんな可愛くて少し可笑しい動きをする璃菜に朱里は、我慢できず笑った。
「なんで笑ってるのよ!!」
ほっぺが膨らみ、拗ねる璃菜。そんな璃菜が可愛くて可愛くて仕方ない。
「璃菜が可愛くてつい」
「そ、そんな事言っても璃菜は許さないよ!」
少し照れながら、口を固くする璃菜。そんな璃菜にまた大笑いをする朱里。周りの先生達は、明るい朱里を見てホッとしていた。なぜなら、あんまり笑わなく、少し大人びてて、この歳に合わない事だらけする朱里を心配していたからだ。
こんな平和な暮らしがずっと続くと思っていた…が、ある日の出来事でこの平和な日々が大きく変わったのだ。それは、私と璃菜の入れ替えられた話では無い。璃菜のお父さん、私のお父さんと呼んでもいいだろう。その人が私の所にやってきた。私の両親ではなく、この私に。
小学校の帰り道に話しかけられた。そして、カフェに寄り、その人と一対一で話した。叔父さんであり、私のお父さんであるこの人がカフェに入り、先に話したのは昔の事だった。
昔の白輝 隆宏、私と血の繋がっている人(父親)であり、血の繋がってない璃菜のお父さんであるこの人は、昔学校一モテる男子であった。とてつもなく冷静で、勉強もでき、しかもスポーツまで出来る人だ。そして、学校一美人の静樹 理々花に一目惚れした。静樹 理々花は、少し、穏やかで、優しく周りから愛される美人であった。二人は、皆からカップルや恋人の関係っと噂されるぐらい、二人はお似合いであった。でも、その恋は叶わぬ恋であった。なぜなら、静樹 理々花は、ごく普通の男性に好意を抱いているからだ。それを知った白輝 隆宏は、冷静な感情を失い部屋にある全てのものを投げ壊したのだ。
静樹 理々花が恋した男は、自分と違って、普通の家庭で、スポーツも普通で、勉強も普通。そいつの全てはこの自分と大きな差が空くほどの普通の人だ。なのに、学校一美人な静樹 理々花がその普通のやつに恋をしたというのだ。そいつの何処がいいのか自分には分からなかった。自分はそいつより何倍も…何百倍もいいのに、何故理々花は俺の事を見向きもしないのか。周りからお似合いだと言われ続けたのに、なぜ完璧な俺を選ばないのか…
不思議とイラつきで、隆宏は、そこら辺の近くの使用人に怒りをぶつけた。
一発、 二発、 三発…気づいたら、近くの使用人が震え始めながら、隆宏が怒りをぶつけた使用人の姿を見ていた。その使用人の姿は、醜かった。人間と言えないほど何発も殴られ、醜い顔になったのだ。そして、その使用人は、隆宏の最後の思いっきりの一発で、息を引き取った。これからこの使用人は、醜い顔をした人間ではなく、ただの醜い死体になったのだ。そして、隆宏は、周りの使用人を見始めた。使用人達は、震えながら下を見た。もし、主人と目が合ったらあの死体みたいになる っと思い、倒れた使用人もいた。そして、隆宏は、扉の近くに立っている執事を呼んだ。執事はこの光景に慣れたように、テキパキと動いた。そして、他の使用人達に言った。
「この死体みたいになりたくないければ、仕事に戻れ」
使用人達は執事のその一言で、一瞬鳥肌が立った。そして、すぐに自分の仕事場に戻った。
次の日、隆宏は何も無かったように学校に行った。そして、毎日のように、学校一の美人であり、自分が一目惚れした静樹 理々花の所に行き、挨拶を交わした。
「おはよう、今日は高いポニーテールなんだ」
「おはよう!!え、よく気づいたね!いつもより位置が少し上なの!」
毎日、明るい声で話を交わしてくる理々花。それはいつも他の子と同じせし方だ。お金持ちの人が目の前にいようが、平等にせしている理々花。隆宏は、そんな理々花に惚れたのであった。手の中に入りそうで入らなさそうな静樹 理々花。追っても、避ける。それでも、隆宏は諦めなかった。逆に避けられるほど興奮したのだ。キモイほどにね。それでも、手に入れられなかった。気づいたら、理々花の隣にある男性が立っていた。それは理々花の彼氏である。そいつは、理々花が恋した相手…顔は普通で、家庭も普通、全て普通なアイツと俺の初恋、学校一美人の理々花が付き合い初めたのだ。
そこから、隆宏は狂いだした_
コメント
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朱里ちゃんって昔から大人の頭だから、なんな少し怖いかも笑
璃菜ちゃんって昔明るくて可愛いっ表現がしっかりと書かれていいよね
朱里ちゃんの昔話から、隆宏の昔話に変わってしまった