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俺の名前は紗倉海翔《さくらかいと》
平凡を極めた高校2年生。趣味も好きな人もいない、勉強もフツー。もちろんスポーツもフツー。好きなことも嫌いなこともない。
そして、佐倉華とかいう奴が来て3日。
「2年A組に美女が来た」という噂を駆けつけて別校舎の3年生や、1年生の奴らがうちのクラスに、毎日のように来るようになった。ただでさえ、人混みが苦手なのに本当勘弁して欲しい。
そんな中、彼女は自分を見に来た奴らが視界に映っていないかのように無視していた。彼女に話しかけた人も皆、無視されていた。
「おい、聞いたか!?B組の山田が佐倉さんに告白したそうだぞ!」
隣の席の真鍋宙《まなべそら》がいきなりそんなことを言ってきた。
「…聞いてないけど、、そんなのどうでもいい」と、素っ気なく答えると、真鍋はつまんねーと言わんばかりの顔をして別の奴らに全く同じことを話していた。…まあ、あんだけ顔が整ってりゃ、告白されるのも無理もない。
だが、学校に来て3日。そんなすぐに告白されるなんてよっぽど、またそんな噂ができて、
彼女が来て1週間経っても教室の周りを囲む
人混みは減らなかった。
そんな事はどうでもいいとして、俺がいちばん気になっているのは、転校初日、俺に話しかけてきたことだ。人間違いならともかく、名前をあそこまでバシッと当てられると忘れようとしてもなかなか忘れられないもんだ。
…まあいい。とにかく今は本を読むことにしよう。
教室のガヤガヤが止まらない教室で1人、読書。俺の人生は一生このままか…
「今日も疲れた〜」
よほど疲れていたのか、思わず声に出してしまった。 帰ったらベームでもしようかな、そんなことを考えていた時、
「紗倉君、」
振り返るとそこには佐倉さんがいた。また、俺に話しかけてきたのか!? 彼女か転校してきた日と同じようにパニック状態になっている俺を気にもせず、
「あなた、本当に私の事覚えてないの…?」
は?な、え、?
「いや…佐倉さんとはあったことないと思うけど…もしかしてどこかで会ったことある?あるんだったら、覚えててなくてごめん。」
「…そう…覚えてないんだったらいいわ」
「は、ちょ!」
もしどこかであったことがあるんだったら教えて欲しい、なんて言うまもなく彼女は家に帰っていった。