テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
サクレ
34
サクレ
32
うさぎちゃん。英語ではバニーとかラビットとか色々な名称で呼ばれている。ちなみにイタリア語だとコニーッリョとか言われていたりする
「パニーとバニーって似てるよな」
「は?」
今日は8月2日。フーゴには夜からの任務があるためアジトにて準備をしていた。そして彼の恋人、グイード・ミスタもまた報告書の始末などで同じ部屋にいた
「くだらない……てかなんで僕の愛称を知ってるんですか」
「え〜? この前飲んだときにお前が教えてくれたんじゃん」
やるべき報告書の方を向きもせずフーゴのことをミスタはソファから見つめる。そして、一方の恋人は潜入用のコスチュームを元々入っていたビニール袋からトートバックに詰め替えていた
くだらない話をする恋人に対して、フーゴは大きくため息を付いた。聞いててしょうもないということもあるが、今日の任務がその話にタイムリーだったからだ
そう、今日の潜入先はコンセプトバー。それもバニー衣装を纏わなければならないからだ。胸元と背中が大きく開いたバニースーツに、趣味の悪い網タイツ。それに耳と尻尾まで付けなければならないのだ。最初この話をブチャラティから聞いたときには怒りのあまり卓上の書類を全部倒してしまったほどだ。ターゲットの趣味が『金髪紫瞳青年』じゃなかったらすぐにでも仕事を蹴っていたものの……今回はターゲットのこだわり上どうしてもフーゴがやらなければならないのだ
憎悪を込めてトートバッグに衣装を詰める。絶対にターゲットを殺してやる。自分にこんな屈辱的な思いをさせるとは許さない。絶対に殺す
「なぁ〜、それ何?」
「えっ、はっ、こ、これは」
不意にミスタが自身の手元を覗いていた。自分の感情に夢中になるあまり、すぐそこに来るまで気づかなかったようだ
挙動不審な動きで隠すと同時に、ミスタは無理矢理それをフーゴの手元から奪い取った
「も〜らい!…………え?」
手に握られた布。光沢のある黒色がミスタの目に映る。綺麗に切り取られたM字の胸元、大胆に太腿を見せるであろうハイレグ。絶対に見られたくなかったのに、フーゴは耳まで真っ赤にしてミスタの手から服を掴んでカバンの中に押し込んだ
「なぁ……これっt」
「うるさい!!!!!!」
ニヤニヤとした顔を浮かべてミスタはフーゴの顔を見た。こうなると分かっていたから知られたくなかったのだ
「任務なんだからしょうがないだろ!僕だって嫌なんだ!! 」
フーゴがそう怒鳴ると、ミスタはケケケと笑った。自分にバレて照れている恋人が可愛くて仕方がないらしい
「しかしまぁエロい服だなあ。マジでそれ着んの?」
「着ちゃ悪いかよ」
「そういうワケじゃあなくてさ、ほら」
ミスタは突然フーゴに体を密着させ、スラックスに開いた穴に手を差し入れる。不意に股関節に触れられフーゴは体を震わせた
「こんなにえっちなパニーちゃんが他の男に見られんの嫌なんだよなぁ」
フーゴの耳元に湿り気を帯びた低音が触れる。フーゴが短く愛嬌を漏らすと、ミスタはフーゴの紐パンに指を差し入れ、それをクイッと引っ張った
「恋人である俺以外の前でマジに着るってんなら、『お仕置き』が必要だよな?」
おちゃらけた様子はもう何処にもなく、ミスタは淡々とそう告げた。フーゴは反論も出来ずにただ顔を紅くした
「明日の夜、それ持ってウチ来いよ」
獣の瞳をしたミスタに、フーゴは小さく頷いた
コメント
3件
うわ、面白かった……! うさぎの呼び名の話から始まって、まさか潜入任務のバニー衣装に繋がるとは思わなかった。タイトル回収が綺麗すぎる。フーゴの怒りと照れが入り混じった反応とか、ミスタのからかいながら独占欲むき出しになるギャップとか、キャラの描き分けが絶妙だった。特に「パニー」って呼び方が作品全体のトーンを和らげてて、シリアスになりすぎないバランスが好き。続き、すごく気になる……!