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お話し合い、お互い答え合わせの時間です。


「元貴、大丈夫?」

なんで涼ちゃんがいるんだろう?もしかしてこれは夢?ぼんやりとした頭で思う。

「夢なんかじゃないよ」

思っていた事がそのまま口に出ていたようで涼ちゃんが苦笑する。

「ちょっと暖かい飲み物でも持ってくるね」

俺の手を離してキッチンへ向かう涼ちゃんの背中を見つめる。なんだか頭がうまく働いてくれない。

「ミルクココア作ってきたよ。ゆっくりでいいから起き上がれる?」

「うん…」

俺はゆっくりと上半身を起こす。

ほらっ、とココアの入ったカップを持たせてくれた。

少しずつ暖かいココアを口にすると優しい甘さが身体を中から温めてくれる。それとともにだんだん頭が動き出すのがわかった。

「俺、どうして自分の部屋にいるの?」

不思議な気分で部屋をキョロキョロ見渡す。確か俺は仕事をしていたはずだ。

「仕事場でぶっ倒れて救急車で運ばれたんだよ」

えっ?とびっくりして涼ちゃんを見る。

「過労と脱水症状だって。元貴、働き過ぎ。スタッフさんも心配してたよ」

「……」

「それと…睡眠導入剤の飲み過ぎが原因だってさ」

気まずくて目をそらす。

「原因は俺だってわかってるけど、どうしてこんな事になる前に話しにきてくれなかったの?俺、ずっと元貴が話しにきてくれるの待ってたんだよ?」

俺は下を向いて小さい声でつぶやく。

「俺、涼ちゃんと若井のじゃましちゃいけないと思って…。心配かけたくなかったんだ」

「えっ?じゃまって…」

「きっと涼ちゃんは俺より若井といる方が幸せだから、俺が2人の足枷になっちゃいけないと思ったんだ」

一瞬びっくりした涼ちゃんは、はぁ〜っと大きなため息をつく。

「だから、俺と若井はそんなんじゃないって何回も言ってるでしょ!」

「でも…」

「だから!あのキスマークはテレビ局のプロデューサーにつけられたものなの!」

えっ?と驚いて見上げる俺に涼ちゃんはその時の状況を説明してくれた。

「俺、薬のせいで手足に力が入らない状態で胸触られたり首元舐め回されたりしてめちゃくちゃ怖くて気持ち悪くて…」

涼ちゃんは思い出すのも嫌だというように眉をしかめた。

「それで、もうだめだ!と思った時にたまたま探しにきた若井に助けられたんだ」

俺はびっくりして言葉も出ない。

「それでその後、薬の後遺症もだけどやっぱり1人になるの精神的に怖くてしばらく若井のとこにやっかいになってたの」

「じゃあ、仕事中いつも一緒にいたのも…」

「そう。若井が気を使って俺を1人にしないようにしてくれてたんだよ」

俺は呆然と涼ちゃんを見つめた。

「それで若井とこの事を元貴に伝えるかどうかの話しになったんだけど、俺が元貴の仕事のじゃまになるから黙っててって頼んだの」

涼ちゃんはため息をつく。

「そうしたら若井が「恋人なんだからちゃんと話した方がいい」って言い出したから、俺たちの関係の事も一応伝えておいた方がいいかなと思って…」

「…そうだったんだ」

そんな状況で俺たちの事を話したんだ、と納得する。

「うん。でもその話し聞いて若井が元貴が悪い!って怒りだしちゃってさぁ」

涼ちゃんがその時の事を思い出して苦笑する。確かに真っ直ぐな若井なら怒り出してもおかしくない。というか逆の立場なら俺も怒っただろう。

「だから、今回の大元は俺が元貴に内緒にしようと思ったのが原因なんだよね」

涼ちゃんは目をつぶってまたため息をつく。

「元貴の仕事のじゃましちゃいけないってのももちろんあったけど、一番は元貴に知られて今の関係が壊れたらって、それが怖かったんだ」

涼ちゃんは俺の目を真っ直ぐにみつめてくる。


やっとお互いに気持ちを正直に伝えて答え合わせを始めました。

すれ違っていた道が重なります。

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コメント

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やばい(´;ω;`)好きすぎる

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