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希良君、こんな顔もするんだ…



さっきまでの笑顔とのギャップに思わずドキッとしてしまう。



「えと……何のことだっけ?」



「恋が始まる……それって有り得ないことですか?」



「えっ?」



そんなこと急に言われて、何て答えたらいいの?



「答えてほしいです」



「だ、だって……希良君は年下だし、きっとすごくモテるだろうから、私みたいな地味な年上には全然興味ないでしょう?」



無理やり、思うことを絞り出した。



「5つしか変わりませんよ。それに雫さんは……地味なんかじゃないです。とても目を引くすごく素敵な女性だと思います」



5つしかって、20歳の男子からしたら、5つも……じゃないの?



それに、素敵な女性だなんてお世辞にも程がある。



そんなに気を遣わなくていいのに。



「と、とにかくゆっくりしていってね。私、仕事に戻るから」



「はぐらかしましたね」



えっ……?



「雫さん。今度、僕と一緒にテーマパークに行って下さい。この、メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼がしたいから」



「テーマパーク?」



思わずテーマパークって何だったっけ? って、バカなことを考えてしまった。



「ずっと行ってみたかったんです。一緒に行きましょ。いつなら大丈夫ですか?」



えっ、希良君?



「次の休みはいつですか?」



たたみかけるような質問にちょっと戸惑う。



展開が早すぎて頭がついていかないよ。



「え、あっ、あの……き、金曜日かな」



嘘、真面目に答えてどうするのよ。



「じゃあ、決まり! 良かった。僕も金曜日なら大丈夫です。電車、待ち合わせしましょう。また連絡します」



そう言って、希良君は小さなメモを私に渡してから、メロンパンを1口頬張った。



メールのアドレスと電話番号。



わざわざ用意してくれてた?



これって、もしかして……



デートのお誘いとか? ま、まさかね。



まだ、ほとんど話したことないんだし、本当にただのお礼だよね。



「じゃ、じゃあ、仕事に戻るね。ゆっくりしてね」



そう言うのが精一杯だった。



私、右足と右腕が一緒に前に出てしまいそうなくらい体がガチガチになってる。



お花畑でスキップしてるようなルンルンな恋愛からは、今までずっと遠ざかってたから、希良君の言葉を変に意識してしまう。



あんこさんや果穂ちゃんが変なことばっかり言うからだよ。



榊社長に呼び捨てにされたり、配達してと言われたり、希良君も私なんかをテーマパークに誘ったりして……



この展開、いったいどうなってるの?



もしかして、大掛かりなドッキリにかけられてる?



ダメだ……こんなことが無さすぎて、本当に頭が混乱してる。



モテない私に急にモテ期が来たなんて、調子に乗ってたら絶対地獄に突き落とされる。



私なんかが……モテるわけないんだから。



あの時のこと……



忘れたいのに、やっぱりまた自分の気持ちにブレーキをかけてしまう。



とにかく、今はあんまり深く考えないようにしよう。



2人とも私に恋愛感情があるわけじゃないんだし、テーマパークはずっと行ってみたかったし、素直に楽しめばいいんだよね。



それくらいは……別にいいよね?

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

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