テラーノベル
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レナのナイフが閃いた。
── キィンッ !!
鋭い金属音がして、 紗那は咄嗟に銃でナイフを弾く。 火花が散った。
紗那「 っぶな !! 」
レナ「 へぇ 」
レナは僅かに目を細める。 暗闇の中で、其の金色の瞳だけが獣みたいに光っていた。
レナ「 反応速いじゃん 」
紗那「 そりゃどーも 」
次の瞬間、 レナが床を蹴った。
紗那「 ッ !?」
速い。 細い身体からは想像出来ない速度だった。 レナは低姿勢の儘滑り込む様に距離を詰め、逆手に持ったナイフを振り上げる。
紗那「 近接かよッ !! 」
紗那は後ろへ飛び退く。 だがレナは止まらない。
レナ「 逃げんなよ 」
紗那「 怖ぇんだよお前の距離感 !! 」
ナイフがドレスの裾を裂いた。 布がひらりと宙を舞う。
レナ「 ドレス邪魔そう 」
紗那「 今まさに思ってたわ !! 」
紗那は銃を連射する。 だが、
── パンッ! パンッ!
レナは踊るみたいに避けた。
紗那「 はぁ!?」
レナ「 銃って分かりやすいから嫌い 」
其の瞬間に レナの蹴りが紗那の腹へ入る。
紗那「 ぐッ ⋯⋯ !! 」
吹き飛ばされ、床を滑る。 割れた硝子が腕を掠めた。
琴音「 紗那嬢 !? 」
美玲「 前を見てくださいまし琴音嬢 !! 」
紗那は舌打ちしながら立ち上がる。
紗那「 っち ⋯⋯ 」
〃「 近接苦手なんだよなぁ私 」
レナが首を傾げた。
レナ「 へぇ 。 じゃあ相性最悪じゃん 」
又突っ込んで来る。
紗那「 だから嫌なんだっての !! 」
其の時だった。
── ドゴォンッ !!
突然、会場奥で爆発がした。 衝撃で天井が揺れる。
美玲「 今度は何ですの!? 」
璃茉「 ⋯ いや 」
煙の向こうに 巨大な人影が立っていた。
???「 随分派手にやってんなァ 」
低い男の声がした 瞬間、 黒百合家の構成員達の顔色が変わった。
部下「 っ !? 何で此処に ⋯ 」
次の瞬間に其の 男が拳を振るった。
── グシャッ !!
黒百合の構成員が壁迄吹き飛ぶ。
紗那「 は ⋯⋯ ? 」
煙が晴れると、其処 に居たのは 長身の男だった。 黒いコートに 灰色の髪。 鋭い目付き。 そして肩には巨大な銃器。
???「 よォ 、 騒がしいと思ったら 」
〃「 やっぱりお前等か 」
レナの顔が露骨に歪む。
レナ「 ⋯⋯ 最悪 」
男はにやりと笑った。
???「 久しぶりだなァ 、 レナ 」
〃「 相変わらずチビだな 」
レナの額に青筋が浮かぶ。
レナ「 殺す 」
紗那「 急にキレた!? 」
すると、 階段上から楽しそうな笑い声が響いた。
セシリア「 ふふっ ⋯⋯ 」
〃「 今日は本当に退屈しませんわねぇ ? 」
返り血を浴びたセシリアが、ゆっくり笑う。
其の赤い瞳は、まるで子供みたいに輝いていた。
セシリア「 さぁ ⋯ 次は誰が踊ってくださるのかしら ? 」
男は愉快そうに笑う。
???「 ははッ 、 怖ぇ怖ぇ 」
〃「 相変わらず短気だなァ 、 レナ 」
レナはナイフを構え直す。 金色の瞳が露骨に殺気立っていた。
レナ「 何しに来たの 、 ゼノ 」
ゼノ、其の 名前に一部のマフィア達がざわついた。
璃茉「 ⋯⋯ あー 、 成程アル 」
美玲「 御存知ですの ? 」
璃茉「 有名人アルよ 。 死神傭兵のゼノ 」
紗那「 死神傭兵 ? 」
ゼノは肩の大型銃を軽々持ち上げる。
ゼノ「 そんな大層なもんじゃねぇよ 」
〃「 唯の金好きなお兄さんだ 」
紗那「 胡散臭ぇな ⋯⋯ 」
其の時、 エヴァが静かに口を開いた。
エヴァ「 ⋯ ゼノ 」
〃「 貴方は今回呼んでおりませんが ? 」
ゼノは笑う。
ゼノ「 知ってる 」
〃「 でも面白そうだったから来た 」
紗那「 うわまたセシリア系統だ 」
美玲「 最近そう云う方多過ぎませんこと ? 」
セシリアがくすくす笑う。
セシリア「 類は友を呼ぶと言いますものねぇ ? 」
紗那「 お前が言うと説得力しかねぇよ 」
エヴァは小さく溜息を吐いた。
エヴァ「 ⋯ 本当に予定が狂いますね 」
其の瞬間。
── バンッッ!!
ゼノが何の前触れもなく発砲した。 轟音だ。 黒百合家の構成員が二人吹き飛ぶ。
部下「 ぐぁッ!?」
紗那「 うぉっ!? 」
琴音「 わぁぁ ~ 大きい音ですわ ~ ! 」
ゼノは硝煙を吐き出す銃口を肩へ乗せる。
ゼノ「 悪ィな 。 俺ァ静かな空気苦手なんだわ 」
レナが本気で嫌そうな顔をした。
レナ「 帰って 」
ゼノ「 嫌だ 」
紗那「 子供かお前等 」
だが次の瞬間、 レナの姿が消える。
紗那「 ッ!?」
ゼノの背後に レナが既にナイフを振り下ろしていた。
レナ「 じゃあ死んで 」
── ガギィンッ!!
火花が散った。 ゼノは振り向きもせず、巨大銃で受け止めていた。
ゼノ「 こえぇって 」
レナ「 殺す 」
紗那「 会話成立してねぇ ⋯⋯ 」
其の頃。 階段上では、セシリアが愉快そうに其れを眺めていた。
セシリア「 ふふっ ⋯ 青春ですわねぇ 」
璃茉「 何処がアル 」
エヴァは額へ手を当てる。
エヴァ「 ⋯ レナ 」
〃「 遊んでいないで任務を 」
レナが舌打ちする。
レナ「 ⋯ ちッ 」
そして、黒百合家の構成員達が一斉に動いた。
柚木「 来ます 」
統率された足音と 銃口。そして 殺気。
先程までの乱戦とは違う。 完全に制圧の動きだった。
美玲「 面倒ですわね ⋯⋯ 」
紗那は銃を構える。
紗那「 はぁ ⋯⋯ 」
〃「 結局こうなんだよなぁ !! 」
セシリアは、血塗れのドレスを翻した。
セシリア「 さぁ皆様 」
〃「 第二幕の始まりですわよ ? 」
其の赤い瞳が、狂ったように輝いていた。
其の言葉と同時に、 一斉掃射。 銃声が会場を揺らした。 黒百合家の構成員達が統率された動きで攻め込んで来る。
柚木「 右から三名 」
美玲「 左にも居りますわ !」
紗那は舌打ちしながら机を蹴り飛ばした。
── ガァンッ!!
テーブルが盾代わりになり、弾丸が突き刺さる。
紗那「 っだぁもう !! 」
〃「 だからパーティー嫌なんだよ !! 」
琴音は其の後ろへ隠れながら、ちまちまと発砲する。
琴音「 紗那嬢ぉ ~ ! あっちにも居ますわ ~ ! 」
紗那「 分かってるっての !! 」
ぱんっ、と 軽い音。 敵が額を撃ち抜かれて倒れた。
美玲「 ⋯ 琴音嬢 、 其の腕前で何故普段そんなふわふわしてますの ? 」
琴音「 えへへ ~ ? 」
紗那「 誤魔化すな 」
一方、 中央ではゼノが豪快に笑っていた。
ゼノ「 ははッ !! やっぱこういうのは派手じゃねぇとなァ !! 」
── ドゴォンッ!!
巨大銃が火を吹く。 黒百合の構成員達がまとめて吹き飛んだ。
レナ「 建物壊すな馬鹿 !! 」
ゼノ「 もう半分壊れてんだろ 」
紗那「 確かに 」
美玲「 納得しないでくださいまし 」
其の時だった。
── ヒュッ。
空気を裂く音。
紗那「 っ !?」
咄嗟に身体を逸らす。 其の横を細いワイヤーが通り過ぎた。
紗那「 何だ今の !?」
天井付近で 暗闇の梁の上に、誰かが座っていた。
???「 避けた 」
少女だった。 白銀の長髪に 眠そうな半目。
黒百合の紋章。 そして指には細い鋼線が絡み付いている。
美玲「 ⋯⋯ まだ居ましたの 」
エヴァが静かに告げる。
エヴァ「 黒百合家幹部 、 ノア 」
〃「 少々人付き合いが苦手な子です 」
ノアはぼんやり紗那を見る。
ノア「 別に苦手じゃない 」
〃「 殺す方が早いだけ 」
紗那「 怖ぇ奴しか居ねぇのかよ其の組織 」
セシリアがくすくす笑った。
セシリア「 あら 、 人の事言えまして ? 」
紗那「 うるせぇ筆頭危険人物 」
次の瞬間、 ノアの指が僅かに動く。
── ギィンッ!!
鋼線が一斉に走った。 柱、 壁、 天井にまで。 会場中へ蜘蛛の巣みたいに張り巡らされる。
柚木「 ⋯ 糸ですか 」
ノア「 動かない方がいい 」
〃「 切れるから 」
其の瞬間、 逃げ遅れた黒百合の構成員の腕が、宙を舞った。
部下「 ぎゃぁぁぁぁぁッ!! 」
紗那「 うわぁぁぁっ!? 」
琴音「 ひぇぇぇっ !?」
美玲が珍しく顔を引き攣らせる。
美玲「 流石に趣味が悪過ぎますわ ⋯⋯ 」
ノアは無表情の儘、首を傾げた。
ノア「 そう ? 」
其の時、 セシリアが笑った。
セシリア「 ⋯⋯ ふふっ 」
〃「 良いですわねぇ 」
赤い瞳が妖しく細まる。
セシリア「 貴女 、 気に入りましたわ 」
ノアが初めて少しだけ目を見開いた。
ノア「 ⋯⋯ 変な人 」
セシリアは喉の奥で愉快そうに笑う。
セシリア「 褒め言葉として受け取っておきますわ 」
── ヒュンッ!!
鋼線がセシリアの首目掛けて走った。
紗那「 セシリアッ!! 」
セシリア「 遅いですわ 」
ヒールが鳴る。 次の瞬間には、セシリアの姿が消えていた。
── ギギギギッ!!
鋼線が背後の大理石を切断する。 壁へ深い亀裂が走った。
美玲「 ⋯⋯ 笑えませんわよ其の威力 」
琴音「 ひぇぇ ~ ⋯ 」
ノアはぼんやりと切断面を見る。
ノア「 避けるんだ 」
セシリアは二階の手摺へ軽やかに着地した。 血塗れのドレスがひらりと揺れる。
セシリア「 当然ですわ 」
〃「 首を落とされる趣味はありませんもの 」
ノアは僅かに首を傾げる。
ノア「 残念 」
紗那「 物騒過ぎるだろ会話が 」
── バキィッ!!
突然、会場奥の壁が吹き飛んだ。 瓦礫と煙が舞い上がる。
美玲「 今度は何ですのぉ!? 」
煙の向こうから、ゆっくり足音が響く。
かつ⋯ かつ⋯ かつ。
妙に静かな足音だった。 戦場には似合わないほど。
璃茉「 ⋯⋯ あれ 」
珍しく璃茉の顔色が変わる。
紗那「 知ってんのか ? 」
璃茉は小さく舌打ちした。
璃茉「 最悪アル 」
煙が晴れる。其処に立っていたのは、一人の男だった。 男は静かに周囲を見回した。 死体と血。崩れた会場。 そしてセシリア。
???「 ⋯⋯ 随分荒れているね 」
高い声だ。 感情が殆ど乗っていない。 エヴァが小さく息を吐く。
エヴァ「 やっと来ましたか 」
紗那「 又知り合いかよ ⋯⋯ 」
レナが露骨に嫌そうな顔をした。
レナ「 何で来たの 、 カラス 」
カラス。 其の名前に、今度はセシリアが反応した。
セシリア「 ⋯⋯ へぇ 」
赤い瞳が細まる。 本当に珍しく、 セシリアから笑みが消えていた。
紗那「 ⋯⋯ あれ 」
〃「 セシリアが笑ってない 」
美玲も僅かに目を細める。
美玲「 珍しいですわね 」
カラスと呼ばれた男は、静かにセシリアを見る。
カラス「 久しぶりだね ? 」
セシリアは数秒黙った後。
セシリア「 ⋯ えぇ 」
〃「 久しぶりですわねぇ ? 」
笑った。 だが、其の笑みはいつもの愉快そうなものではなかった。 酷く冷たい笑みだった。
名前:璃茉
性格:現実主義
立場:百華楼首領
好物:杏仁豆腐
嫌物:裏切り
得意武器:主に体術、たまにヌンチャク
苦手武器:銃
CV:本多真梨子
2,027
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