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俺は絶賛、反抗期だ。だが、兄貴には可愛らしい反抗とバカにされるばかり。
俺の兄貴はアルバイトをしている。俺のことはとことん甘やかしてくれるし、兄貴の彼女さんのことを愛しているし、家族想いの優しい奴だ。
そんな兄貴にも弱点がある。それはとことん不器用な部分だ。高校の文化祭の看板は上から落として、窓に軽ーく破片を作ったこともある。兄貴の彼女さんはそんなところも愛おしいと思っているようだが。兄貴の不器用さには俺も焦ることさえある。兄貴は気にしていないようだが、家族としては危なっかしいと思うのだ。
そんな兄貴の不器用さに救われたことがある。
それは、俺が中学生の時に一軍男子に目を付けられ階段から突き落とされそうな時に兄貴が盛大に転んで一軍男子の方に顔を直撃して怪我したときだった。一軍男子は兄貴の方を向き殴りかかろうとする素振りを見せた。だが、兄貴の元カノさんが近づいてきたため兄貴は注意だけで済んだ。兄貴の不器用さに救われたと言えるのでは無いのだろうか。
「ん?なんか、俺やっちゃった?」
「颯兄?何やってるの?」
「あ、階段踏み外したかも……」
「颯兄……人間じゃないよ。」
「…え!?」
兄貴はこんな俺の事も愛してくれている。反抗期でも兄貴だけは永遠に嫌でも嫌いになれないのだろう。
兄貴は不器用だ。心配になるほどだ。だが、兄貴の不器用さは時に人を救っているのだ。
そんな兄貴のことが大好きだ。