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捏造、死ネタ、エセ関西弁などがあります。
地雷だという方は閉じることをおすすめします。
それでもいいよ、という方はご覧ください。
『』=グルッペン
「」=その他
彼女が死んだ。
死んだ?本当に?何故だ、どうして。
普通の、何も問題のない朝だった。悪い予兆なんて、一つもなかった。
まさか。
“やな予感がするなぁ”
“今日絶対に嫌なことや悪いことが起きるのよ~”
嘘だ。
膝をつく。部屋がもっと広く感じる。
蝉の声が煩い。日照りがさっきより強く感じる。
ああ。
彼女がいない。
窓辺にある観葉植物が、二人で食べる予定だったマカロンが、あなたの香りがついているソファが、
全てが。
とても遠くなった気がする。
落ち着け、落ち着くんだ。
そう自分に何度も呼びかけるが、崩れ落ちた膝も、荒い呼吸も、溢れてくる涙も、
止めることが出来ない。
涙が止まらない。
あの後、しばらくして落ち着いた私は、ドッキリなのではないか、
彼女が生きているのではないかを思ったが、
葬式にはたくさんの花に囲まれた冷たいあなたがいて、枯れたと思った涙が止まらなかった。
死んでいる。嘘じゃない。
申し訳ない。
もっとあなたが感じたSOSに気づいていれば、
愛していると言っていれば。
あなたが死ぬこともなかったかもしれない。
もし死んだとしても最後に愛していると言ったことで、自分の中で少しでも区切りが付けられたかもしれない。
もう遅いことなんて知っている。
だとしても早すぎる。
私達は若い。やりたいことだってたくさんあった。
早すぎる。
あなたが生きていたならば、
葬式が終わり、あなたは小さな骨壺になって帰ってきた。
観葉植物が、マカロンが、彼女は死んだんだ。と言っているようで。
骨になったあなたにどんなに泣いてすがっても、
あなたが欠かさず付けている香水の香りはしなかった。