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叶「…殺し合い、?」


『殺人が起きた場合は、犯人探しの為の探索時間、そして犯人を決める裁判が行われます。

そこで決められた犯人は処刑となるのでお気を付け下さい。


ああ、あと…VΔLZの皆様は、術式などを殺人や防御に使ったら強制的に処刑ですので。

普段の行動に必要な範囲ならば許しましょう。使う時は一応声掛けが欲しいです。』



俺の隣に立っていた叶も、流石に動揺が見えた。絶望のような、困惑というか、なんかまぁ色んな感情が混ざった顔? 周りを見渡してみると、やはり数人は冷静。死と隣り合わせで生きてきた奴、長尾景とかな。俺自身、吸血鬼界では死と隣り合わせだったから別に何とも、傷なら再生するし。

でもやっぱ人間は死を見る経験が少ないから震えるほど怖いんだろうな。特に怖がってる奴は…笹木、葉加瀬、甲斐田。…ん?甲斐田?



笹木「…そ、そんなの嘘や…!!」


甲斐田「もし本当なら…どうすれば良いの、桜魔帝国は誰が守るんだよ?他の皆は、…?!」



ああ、成程。守るべきものがあるから、って事な。いやまぁ普通に怖がりなんだろうけど。んな長尾景に縋ったるなって、ちょっと困ってるよ。取り敢えず落ち着かせた方が良い、それだけは分かる。



葛葉「おい、落ち着けって。別に誰かが殺さない限りデスゲームもクソもねぇだろ?」


甲斐田「そうかもしれませんけど…でも…!不安な物は不安じゃないっすか…!」


葛葉「なら今此処で僕を殺してみて〜とか言ってみ?誰も殺さないと思うけど、」



そう言ったら静かになった。やっぱ死にたくないんだろうな。そりゃそうだ。死にたい奴なんて居ない、万単位のリスナーも居るしな。呆れるように息を吐いた時、1人手を挙げて意見を言い始めた。


剣持「まぁ取り敢えず、探索とかした方が良いんじゃない?

此処が何処かとか皆知らないっぽいですし。」


椎名「さんせーい」


不破「そうっすね…俺も賛成ですやっぱ、」



見た感じ賛成が多いっぽいし、それで良いか。叶の方へ目配せすると、彼も小さく頷いていた。じゃあ取り敢えず…


葛葉「何人かに別れるか。」


そう言うと皆一瞬迷いを見せたけど、自然に足を動かして数人のチームになった。

VΔLZ、SMC組+やしきず、トリガー+委員長、ChroNoiR、ささしーふ、

ぴよぴよ隊(ガオンさん抜き)+ちひろさん

って感じ。



弦月「…僕らは此処に残ってますね、ちょっと晴くんも落ち着かせてあげたいので。」


長尾「俺らは此処に居るから目印として使って貰えれば、はぁい」



…甲斐田、結構辛そうだし、チームも多いから流石に探索人も足りるはずだ。皆もおっけーだとか承認の言葉を残してこの場を去っていく。で、最終的にChroNoiRとVΔLZが残った訳だが…。

甲斐田はその場でしゃがみこんでて、それを弦月さんと長尾景が屈んで背中をさすったり頭を撫でたりして見守ってる感じ。なんか凄いな、やっぱり長年一緒に戦ったりなんだりして信頼が厚い事がよく分かる。

行かねぇの?というように叶の方を覗き込んでみると、彼は平然と立っているが、なんて言うか…顔がちょっと引き攣ってて、笑みにも見える程 とても普通とは言えなかった。…叶も人間だしな、そりゃ怖いか。俺が、守らないと。今1番落ち着いてるのは俺だと思う。簡単には死なないし、死にも慣れてるから、いざ死人が出ても落ち着いていられる自信が有る。処刑…はちょっと不安だけど。


葛葉「…ほら、行くぞ叶。」


叶「…うん。」


叶の手を優しく握って、目を見てそう言うと、叶は安堵なのかなんなのか、少し頬を緩ませて返事を返してきた。此奴、やっぱ抱え込むからな、心配だ。そう考えながら、行く宛てもなくその場を去る。気の向くままに歩いてみるしか今はできない。



廊下のような道には沢山の扉があった。なんの部屋なんだろう、分からないけど、近くの扉に手を掛けて中へ入ってみる。


葛葉「…お、なんか部屋あんぞ、…?!」


その部屋は、沢山の武器が置かれた部屋だった。壁にも、机にも、銃やナイフ、毒とか色々。…何だこれ。ぽかんとその部屋を眺めていると、叶も部屋へ入ってきて少しうわ、と驚く反応を見せた後にまじまじと武器達を見ていた。


叶「…ほんと、ゲームの武器みたいなのもあるね。」


葛葉「そうだなぁ…1つくらい持ってってもバレねぇんじゃね?w」


叶「いやいやw 流石にそれは駄目でしょ、見つかったら一気に信頼減るよ?w」


葛葉「それもそうかw」


そんな会話を弾まながら、一通りの武器へ目を通した。若干緊張も解けてきた…のかな、叶に笑顔が戻った。銃…か、ふーん。叶は結構興味を示してるけど、長居するのもあれだろう。


葛葉「叶ー、そろそろ行くぞ?」


叶「…うん、わかった。」


…”殺す武器も揃ってます!ご自由に使ってどうぞ!” って事なんだろうな。その部屋を背に、溜息を吐いてしまう。

その時、後ろから視線を感じた。早速殺そうとしてる奴でも居んのか? ガリ、と右手の親指を噛んで、その方向へと血で作った槍を勢いで投げた。 勿論横で歩いてた叶は”え、ん?はぁ?!”とか言って動揺されたし、何やってんのって叱られた。…でも槍を投げた方向からもう視線はしない、というか、あれは人間の気配とは言えなかった。…監視カメラ、とか?

まぁなんやかんやでその後、叶がそろそろ最初の場所に人集まってんじゃね? って言ってきたんで、元の場所へと足を進めた。それは予想通りで、全員が連絡取ってたんじゃないかなってくらい集まっていた。皆考えることが同じってことだな。

俺ら武器部屋しか見てないけど…まぁいいか。情報共有の時間だ。


葛葉「なんかあったァ?」


そう全体へ問い掛けると、皆が次々と情報を発した。


笹木「なんか保健室的なとこあったやよ、いろんな医療系の物が揃ってた。」


加賀美「全員の個室…的な物がありましたね。名札が付いていて、

ちゃんと20人分ありましたよ。」


星川「食堂もあったよ?めっちゃ沢山の食材があったから当分は困らないと思う。

火もちゃんと付いたし…包丁とかも勿論あったけど。」


剣持「あ、温泉みたいなのありましたよ、男女別で更衣室と浴場って感じでした。」


弦月「あー…僕達は探索した訳ではないんですけど、ポケットにカードキーが入ってましたよ、

VΔLZ全員持ってたので多分皆さんも持っていると思います。多分加賀美社長が言ってた個室の物かと。」



へぇ…なんか部屋多すぎて覚えられねぇな。んーまぁ取り敢えず…


葛葉「此処で暮らせって言われてるみてぇに環境整ってんな。」


そう言うと皆が一瞬黙った。まぁ仕方ないな。気を和ませる話でもしたい所ではあるが、そんなこともしてられない。


叶「僕らは武器庫を見たよ、普通に人殺せそうな奴。」


皆がバッと叶の方を見た。それは普通の事なのかもしれないけど、叶がサラりと躊躇もなく、普通の声色で話した事も原因だと思う。まぁ避けようのない事実だからな、しゃーないしゃーない。

…監視カメラの可能性、言うべきかな。帰って不安にさせるだけか? 1人で静かに頭を悩ませて、今は言わない事にした。


不破「…はい!ちょっと良いっすか?!」


今の雰囲気とは全く合わない元気な声色で彼は叫んだ。なんだなんだと首を傾げると、


不破「皆色々と疲れてると思うんで、個室で休憩しません? ほら、

このままだと脳も働かないし飯も食えなさそうなんで、

あっ、なんならマッサージ大会とか開いて良いっすよ!いや流石に破廉恥か…。」


それは本当に配信と同じようなテンションで、ちょっと意味がわからんっつーか…まぁなんか、こういう人が1人でもいると場が和むんだろうな。皆最初は首を傾げていたけど、すぐに笑って賛成し出した。


伏見「ッハハハハwww 良いっすよ!w 休憩時間暇な人同士でやります?w」


三枝「良いじゃんふわっちナイスアイデア!ww 俺も参加しよw 」


葛葉「…まぁ良いか、取り敢えず皆しっかり休憩しろよー?」


それだけ言い残して、俺はすぐに自分の部屋へと向かった。



✄——————-‐


今日の証拠、アリバイ


探索時間、18時~19時。

VΔLZ SMC組+やしきず トリガー+委員長 ChroNoiR ささしーふ

ぴよぴよ隊(ガオンさん抜き)+ちひろさん に別れた。


武器庫があった。部屋にはナイフから、銃や拷問器具、毒まで多彩な物が置かれていた。

最初の部屋へ戻るまでの間視線を感じた。だが血の槍を投げた事により消滅。


保健室があった、医療器具が沢山あったとの事。

食堂、食料が沢山あって当分は困らない筈との事。

浴室、男女別で更衣室もしっかりあった。

人数分の個室、名札が飾られていてカードキー式だった。

カードキーはポケットの中に。


21時30分、葛葉は部屋へ帰った。

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