此方の物語のENDについてですが、
Normal END、Happy END、BADENDの3種類となります。
今回は選択肢制ではなく、先程言った順番で描かれると思います。
ですが選択肢を選びたいという方がいらしたら其方で進めようと思います!
殺人が起きた際のヒントや手掛かりは、起きる迄の出来事などがヒントになってたりするので
色々考えながら楽しんでみて下さいね!
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「…っと、此処かぁ俺の部屋。」
何も考えずあの空間から抜けたけど…社長に自分の部屋の位置くらい聞いとけば良かったな。
人影も何も無く、ただ俺が歩くスリッパの音だけが廊下に響いていた。
そしてやっと着いた自分の名札が掛かった部屋。あーあ、この部屋の中が普段の自分の部屋みたいな感じだったら良かったのになー。そんな事を考えながら、カードキーを通して扉を開ける。すると部屋の中は…なんだろうな、シンプルなホテルの部屋って感じだった。ドアガードもしっかり付いてる。2人寝れそうな広さのベットと机、椅子。あとは…シャワールームと御手洗。此処で済ましても良いってことか。白と黒で纏まった、とても整理されて綺麗な部屋、勿論窓はなかった。
こんなんどうやって用意したんだよ人数分。扉を閉じて、しっかりと鍵を閉める。流石にこんな状況で鍵開ける方が可笑しいだろ。
…何だかもう疲れたな。今の時間は…22時過ぎ。もうそんな時間か。彼奴らマッサージ大会やってんのか?w 想像したらオモロいな。取り敢えず風呂だけ終わらせよう。
____ピンポーン。
風呂を終わらせて、ベットに寝転がって天井を眺めていた時だった。インターホンの音、誰だ? カメラ的な奴あるか…? うん、なさそうだ。ドアガードを付けて出れば大丈夫だろう。タッタと小走りで扉へと向かい、しっかりとガードを付けた事を確認して扉を開ける。
葛葉「はいはいはーい、誰ですかー。」
?「僕だよ、葛葉。」
視界に入ったその見知った顔は叶だった。上着脱いだ状態で、手に抱えて。何で叶が此処に? …って、デジャヴかよ。最初と同じ事してんじゃん。武器とかも持ってなさそうだし入れていいだろう。ロックを解いて、部屋へ迎え入れると彼は静かにこう言った。
叶「ちょっとこんな事があると夜が怖くってさ、1番信頼してるし一緒に過ごしたいなって思って。」
…へぇー、驚いた。そういう思いも有るんだろうとは思ってたけど、実際に叶の口から聞くと何も言えない。でも何だか嬉しかった。信頼してる…か。今程信頼という言葉が脆い時はないだろうが、少し照れ臭かった。
葛葉「…ほーん、俺は別に良いけど。なんなら泊まる?」
叶「え、良いの?嬉しい…!」
ぱぁと明るくなるその顔が嬉しい。フ、と笑い混じりに息を吐いて、”ゆっくりしてけ〜?”と微笑みかける。鍵を閉めて、すぐに叶の元へ向かい一緒に床に座る。…と、その時。微かにだけど血の匂いがした。
葛葉「…叶、どっか怪我した?」
叶「え?あ、さっき一人でいた時にさ…、ちょっと悔しくなっちゃって、此処に連れてこられるまでになんか出来たりしなかったのかって。それで唇噛んでたら切っちゃって今も血が出てるんだよ。」
そう言われて、彼の口元へ視線を向けると実際に切れていて、ちょくちょく叶が舌で舐めている事もわかった。…成程なぁ。でも体は大切にして欲しい所だ。
その後、少しの間沈黙が続いた。話題もあんまなくて、でも寝る気にもなれなかったから。そしてふと思いついた物。
葛葉「…あ、ロトって居た?」
叶「ううん、居ない。」
葛葉「…そうか。」
叶「血で形作ったり出来ない?w」
葛葉「血で?!w」
出来るかな…?w ぐぬぬ、と少し顔を顰めては、まぁやってみるかって事で親指に牙を立てて噛んだ。今日で2回目だな。そこから何となくで手の平サイズのロトを描いて、創ってみる。
叶「おぉ〜やるじゃん葛葉!良いねぇ!」
彼は凄く喜んでいた。あーこの調子で何も起きなきゃ良いのに。そう思って、朧気に叶の方を見ていた時だった。
叶「…あ”っ!!」
葛葉「ん?…あ、スゥー…」
彼の視線の先、上着か? それを見ると、ロトの血が滴っていた。やっべ…、反射的に彼に送られた視線を避けて目を逸らしてしまう。すぐにロトを回収して、”…ごめん。”と笑い半分に言う。まぁ取り敢えず、血を落とさないと明日叶が皆に何言われるかわかんねぇな。
葛葉「ちょっと借りるぞ。」
そう言って叶の上着を手に取って、シャワールームへ持っていく。自分が入った時の水滴がまだ残っているそこへ足を踏み入れて、手馴れた手つきで血を落としていく。やっぱあっちの世界で血を浴びてるからこういうの慣れるんだよな。…乾くかな、いや…乾いて欲しい所だ、そう考えながら上着を干す。
叶「…御迷惑お掛けします〜、」
葛葉「…ホントだよ、w」
若干苦笑いで告げられた言葉に笑いながら返す。もう明日になるくらいの時間だ、俺はともかく叶は寝た方が良い。ベットを指さすと、彼は遠慮気味にそこへ寝転がった。
叶「…おやすみ葛葉。」
葛葉「ああ、おやすみ。」
部屋の電気を消して、寝そべった彼のベットにもたれ掛かるように床へ座る。大丈夫、俺が守ってみせる。そういう意味も込めて。
…こんなに不安に駆られる夜は久々だ。
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今日の証拠、アリバイ
22時半、叶が部屋へ来た。
叶は上着を脱いだ状態で居た。
葛葉がロトを血で形作った。だが血が滴り叶の上着が汚れた。
すぐに血を洗い落とし干した。
叶は葛葉の部屋に泊まった。寝たのは23時40分。