「んっ…//むっむーゆっしゃっ/」
「っは、なんですか?dnqさん」
「もっ、むいですっ…//」
長く優しく、心地よく抱かれている俺だが、流石に夜明けが近くなると体力が持たない。
「…可愛らしい」
「っ…//」
「二人だけの時くらい、本当の名前で読んでくれませんか?…無理だったら大丈夫ですが…」
「いいんですか…?」
「はい、そのほうが…その、嬉しくて‥//」
「っ…!じゃあmfくん?」
「っふっ、嬉しいです、ありがとう。dnqさん」
「…//」
「…今日は昨日政務が捗ったのでお休みをいただけたのですが…もう少し持ちそうですか?」
沐宇様は俺のために休日を取ってれたのだろうか。
「っ、もちろん…!/mfくん大好き、ですっ…」
「私も愛しています…//」
俺達はいまだに慣れない恥ずかしさに緊張しつつ、ベッドに沈んだ。
穏やかな日々の中、後宮に新しい貴妃が入宮した。瑞華という、名門の家柄の娘で、才色兼備と名高い女性だ。
入宮の挨拶のため、瑞華は皇太后である俺の宮を訪れた。
「瑞華にございます。皇太后様におかれましては、ご健勝のことと存じます」
瑞華は流れるような優雅な動作で跪き、頭を下げる。その視線は、俺が被っているカツラに一瞬向けられ、何かを考えているようだった。
「…っ面を上げてください…!」
俺がそう告げると、瑞華はゆっくりと顔を上げる。その瞳には、好奇心と、かすかな疑念が宿っているように見えた。
「皇太后様におかれましては、以前、先帝様にもお仕えになられていたと伺っております。先帝様と今の陛下とでは、好みも違うことでしょうに…」
瑞華は意味深な笑みを浮かべ、俺の胸元に視線を向ける。
「…何か、失礼なことでも?」
俺は平静を装い、問いかける。瑞華の視線が、俺の男の胸板に注がれていることに気づき、心臓が跳ね上がる。
布を巻いているとはいえ、触られてしまったらバレてしまう…!
「いいえ、ただ…」
瑞華はそう言いながら、失礼ながら、と前置きし、俺の体にそっと手を伸ばしてきた。
「…っ!」
俺は息をのむ。男であることを隠している俺にとって、これは致命的な行動だった。
「…何用ですか、瑞華」
俺は低い声で、瑞華の手を掴む。男の声が一瞬、漏れ出してしまったかもしれない。
「あら、申し訳ありません。皇太后様のお体が、他の妃様方と少し違うように感じられまして…」
瑞華は掴まれた手を離し、不敵な笑みを浮かべる。
「瑞華、そこで何をしているのです」
その時、背後から凛とした声が響いた。振り返ると、そこには沐宇様が立っていた。
「…陛下…」
瑞華は驚き、すぐに頭を下げる。
「私の后に対し、無礼な振る舞いは許しません」
沐宇様は瑞華に冷たい声で告げる。その声には、帝としての威厳と、俺を守ろうとする強い意志が込められていた。
「…申し訳ございません。好奇心に駆られて、つい…」
瑞華は再び謝罪する。
「好奇心は言い訳になりません。皇太后様への無礼、心して覚えておくように」
沐宇様はそう告げ、瑞華を下がらせた。瑞華は不満そうな表情を浮かべながらも、おとなしく部屋を後にした。
瑞華が去った後、沐宇様は俺の元へ歩み寄り、優しく抱きしめてくれた。
「…怖かったでしょう。もう大丈夫。私がいますから」
彼の温かい腕の中で、俺は安堵の息を漏らす。男であることを隠している俺にとって、彼は唯一の味方であり、心の拠り所だった。
「…沐宇様…っ」
「もう、大丈夫。私が守ります」
彼はそう言って、俺の髪を優しく撫でる。
「…ありがとう、ございます…」
俺は彼の胸に顔を埋め、小さく囁いた。
「…誰にも、貴方を渡しません」
彼の言葉は俺にとっての希望の光だった。
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コメント
7件
ゆーしゃって読むんだ、、、。 へー、初耳。まぁ別にわかんなかったわけじゃないけどね、うん。 でぇ!!新しいライバル登場!のあっち(勝手)薬屋好き? 私も好き!好奇心旺盛な妃、、で、最後仲良くなるんでしょ?? で恋バナとかしちゃってさ!もー妄想が膨らみすぎるってば!最高! 続きも頑張れ!!(コメ返タメでいいよ!)
mf君dnちゃんのセコムになってあげるんだ! 毎度毎度と最高過ぎます!!! これからも頑張ってください!!!
最後の希望⋯いい響きだ⋯ mfくん!!守ってあげて⋯!