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milkメンバーのお名前を借りていますが、ご本人様とは関係ありません。
全て作者の妄想です。
3080🩷🤍のBLになります。
※純粋な方は見ないでください。
柔太朗side
偶然に偶然が重なるとそれは何かのメッセージだってどこかで聞いたことがあるけど
今日がまさにそんな日だった。
ドラマの撮影で郊外へ行った日。
その日はマネージャーが子供が生まれそうだと言って早々に帰って
昼から降り出した雪はどんどん積もって撮影は後日仕切り直しになった。
公共交通機関は麻痺してタクシーも捕まらず、そして周辺のホテルはことごとく満室だった。
3件目のホテルから出ると、近くのコーヒースタンドに入った。
人気を忍んで観葉植物が置かれた角の席に腰を下ろすと、 暖房とカフェオレの湯気で曇った眼鏡を外す。
夕方に現場を出たはずなのに気がつけばもう19時を回っていた。
(このまま家に帰れないのかな…)
しんしんと降り続ける雪を見上げるとため息しか出てこない。
ふとスマホを見ると勇斗のインスタライブの通知が来ていた。
[佐野飯]
どうやら今日は餃子を作るらしい。
彼は同じグループのメンバーで、 熱くて、面白くて、優しくて、真面目で、頼り甲斐があって…
だけど誰よりも人の痛みに敏感な人。
勇斗がいたら今のグループがあるし、これから先のどんな困難も乗り越えられるんじゃないかって思える。
グループに入る前から憧れていたけど、一緒になってからはもっとずっと好きになった。
『お腹すいたー』
勇斗のインスタにコメントしてこれからのことを考える。
🩷『柔太朗、仕事終わったの?』
スマホ画面の中でコメントに気が付いた勇斗が話しかけてくる。
しかも柔太朗の嫌いなきゅうりを豪快に齧りながら。 (マジであの青臭い匂いが苦手)
だけど、カメラの前でわちゃわちゃしている姿を見たら可笑しくて思わず顔が緩んだ。
『雪で中止になった』
そうコメントした直後、突然声をかけられ意識が現実に引き戻された。
女①「すいません、隣いいですか?」
「あ…どうぞ…」
女①「すごい雪ですね」
女②「私たち観光に来たんですけどぉ」
女①「…てか、おにーさんめっちゃキレイですね。 芸能人ですか?」
2人組の女性は隣に座れたことをきっかけに矢継ぎ早にしゃべり始めた。
「すいません、予定があるので…」
全身を探る様に観察する視線が居心地悪くて、言葉を遮って席を立つとそのまま足早に店を出た。
ポケットが震えてスマホを取ると勇斗から着信がきていた。
🩷「どこにいんの?」
「え…と、どこだろ?ドラマの現場の近く」
🩷「〇〇(マネージャー)さんは?」
「奥さんの陣痛が来て病院」
🩷「気付いてないと思うけど、お前今SNSで騒がれてるぞ」
「え、まじ…?」
🩷「お前さぁ…本当、そういうとこ…。 俺が行くまでどっかに大人しく隠れてろ!」
ため息をついて呆れた声でそう言われると通話が切れた。
ぶっきらぼうだけど優しくてくすぐったい。
だから、好き。
男①「おねーさんひとり〜?」
男②「 彼氏来ないの〜? そんな彼氏放っておいて俺らと遊ぼ〜」
コーヒーショップから離れたバス停のベンチに座ると今度は男の声が降ってきた。
視線を上げると数人の若い男がニヤニヤしながら近づいて来るのが見える。
返事はせず顔を背けてスマホに目を戻す。
男③「あれ、おねーさんじゃなくね?」
男にまわり込まれ顔を覗かれる。
男①「ビジュいいじゃん」
男②「おにーさんでも俺はオッケーっす」
勝手に盛り上がる男たちを無視していると突然スマホを持つ手首を掴まれた。
男①「無視されると傷付くな〜」
「…いたっ」
落ちたスマホに気を取られた瞬間、もう1人の男に隣に座られ肩を組まれ。
男たちからはアルコールと煙草の臭いがした。
男③「めっちゃいい匂いするんですけど〜」
首筋に男の鼻先が触れ肌が粟立つ。
「やめっ…」
男③「ねー俺らと飲もーよー。 楽しませるからさー」
あまりの気持ち悪さに人目がなければ蹴り飛ばしているところだ。
男たちを睨みつけると激しくクラクションが鳴り響いた。
驚いて音のした先に視線を向けると先程まで一緒に撮影をしていた俳優のAがいた。
A「柔、悪い。待たせた」
Aはドラマのワンシーンの様に車から降りてくると柔太朗をベンチから立たせた。
突然の芸能人の出現にざわめく男たちをよそにAは颯爽と柔太朗の手を引いて車に乗り込む。
「あの…ありがとうございます」
A「いえいえ。どういたしまして」
「…どうして俺があそこにいるのわかったんですか?」
A「コレ。今って便利だよね」
Aは得意げにスマホを指差す。
画面には旧Twitter画面が表示されていた。
A「家どこ?送るよ」
「いえ、そこまで迷惑かけられないです。それに、メンバーがこっちに来てくれてるみたいで…」
A「こういう時は甘えて欲しいもんだよ。それに外にいたら、また悪い人にナンパされちゃうんじゃない?」
「…もっと上手く隠れます」
見透かされているようで思わず手首に残った掴まれた痕を隠す。
A「じゃあさ、一緒に待つのはいい?」
「や、それは…」
A「ダメ?俺、 待ってる間やりたいことがあるんだよね…」