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🥢side
「お 邪 魔 さ せ て あ げ ま す !!!!」
工房にドアを蹴り壊す音と、ある沼の鼓膜の割れそうになるような声が響いた。
正直ここ最近週3程のペースでドアを壊されているのでツッコむのも、直すのも疲れてきた。
「…またお前か。」
正直癪に触るとしか言いようがない。
こいつが来たら俺の『ラーメンを食べる。』という唯一の至福の時間を大概の場合、台無しにされるからだ。
直す時間に加え、こいつに煽られる時間。この時間があればラーメンが何杯作り、食べれるだろうか。
「お、イキリトラくんは今日もラーメン日和????ラーメンばかりでお腹も出てきちゃって!!俺のメンガタクワガタの細胞が騒ぐんだよ!!ふざけるなよ!!^^」
相変わらず言っていることが意味不明なのはもう何も考えないことにした。
いつもはここでこいつに煽り散らかされて終わりだ。 だが今日の俺は一味違う。
「俺はきちんとパシリオーダーもこなしている…。お前こそ最近腹が出ているんじゃないか?」
「なんですか?GOD of taiyo-kenの相手をあの白玉どもから貴方に仕様変更して打ちますよ??」
何かメタい事を言ったのは取り敢えず無視しよう。 こいつは最近、マリキンに聞いたが、俺の工房に寄る帰りによく高いものを食べて、豪遊して帰るようだ。
「何だ図星か。沢山食うのは良いと思うが自己管理が出来ない奴はすぐにエネミーに倒されるぞ。」
「……。…なんなんですか!?セクハラ?!女の子の体型について触れるのはいけない事なんですよ!!セクハラ虎くん!!」
キンキンとした恐らく人間の女性の声を真似た裏声の上大声ときたもんだうるさくて仕方がない。
それに、そろそろオツキンが工房へ帰ってくる時間だ。追い返さないと『俺が』オツキンに怒られてしまう。
太陽に関しては叱っても無駄だ。という事は俺もオツキンも反省済みなので、半強制的に俺が追い返す役に任命させられた。
いつも通りすんなりとは帰らない太陽。今からでも説得し始めないとオツキンが帰ってくる時間に間に合わない。
「…そろそろ夜がふけて、エネミーも出てくる。お前も帰れ」
「……。」
太陽は表情が分からないなりに何かしゅんしたような風になり空気が少し重くなった。
だが、それも俺からしたら好都合だ。
いつもは暴れてでていかない太陽もこれならばすんなり俺の力でも追い出せる。
🧪side
魔剤と工具の材料調達の為にガパニーズシティやハルボンティスまで遠征をし、今ようやくトンコツ山の工房へと帰ってこれた。
「…?なんだこいつ…氷虎ではないか…。……は?太陽か? 」
帰ってきて工房の目の前に着いた瞬間沼の影が見えたのでわざわざしゃがみ、顔を覗いて見たらこれだ。
大分萎えているようで俺の呼び掛けに煽ったり反応する気力もないようだ。
壊された扉から推測するにいつも通りここへ来て俺が帰ってくる時間が近付いた為氷虎に追い出されたのだろう。
「…おい太陽。そろそろ帰ったらどうだ?それか1人で帰りたくないなら俺がナナメ村まで送る…」
「うるさいですね!!私に鉛筆を持たせるとどうなるのか分かってんのか!?!?!おい!!」
…相変わらずうるさい様でなによりだ。
ツーにでもナナメ村へ送らせておけばいいだろう。太陽がツーを壊した時は…まぁその時だ。
俺はゆっくりと太陽に合わせた目線から立ち上がり、ツーを呼んだ。