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「よしっ。これでパワー注入出来た!」
だけど、このままその気持ち引きずると、また今以上この人が欲しくなってしまうから。
仕方なくギュッと一瞬力強く抱き締めて不本意ながらパッとその手を離す。
「じゃあ、プロジェクトの話進めましょうか」
「あっ、うん・・」
仕事でももっとあなたに頼ってもらう男にならないと。
もっと気になる存在になれるように、もっとオレを意識して仕方なくなるように、仕事でもそれ以外でも力は抜けない。
「何回かうちの部署訪ねてきてもらったみたいで、オレいない時だったみたいですいません」
「いえ。あっ、早瀬さんの書類も拝見しました。さすがの業績で今後のプロジェクト頼もしいです」
「ありがとうございます」
さり気なく頼もしいと言われて素直に嬉しい。
「あっ、これは私が手掛けた商品やプロジェクトです。今後の参考にしてください」
「望月さんの活躍は十分把握はしてますけど一応確認しておきますね」
あなたの活躍はずっと見て来てるから。
今はようやくこうやってあなたに追いつけていて嬉しい。
「それで。これ。今回のプロジェクトについてちょっと考えてみたんですけど」
あなたに負担をかけずに、そしてせっかく一緒に出来るこのプロジェクトでオレの出来る限りの力を出して、あなたの役に立ちたい。
そしてあなたを好きでいる為に、オレはこのプロジェクトをなんとしてでも成功させなければいけないから。
「へ~ちょっとこれ今までの企画の感じと違うね。体験企画?」
差し出した書類を見て彼女が反応してくれる。
「はい。今までうちが提供してきた企業とコラボしての体験企画です」
「へ~面白そう」
「そしてその体験企画はカップル限定です。今回のコンセプトは男性と女性共通の喜びや楽しめる商品。両方の部署で手掛けた商品をまたこの企画で注目させることも出来ますし、いろいろな商品を世に出してきたうちだからこそ出来る企画を出来たらと考えてます」
「まぁ確かに今までの商品は年月が経つと売れ行きが少し落ちて来てる物もあるから、今回の企画で再度注目させるとまたそれも売れ行き上がるかもしれないね」
「はい。それで更に新しい商品にも繋げられたらと思ってます」
「うん。いい企画かも。考えがいがありそうな企画だね」
「なので、今まで手掛けた商品の中でこのプロジェクトに使えそうなそちらの商品をピックアップして頂けないかなと思いまして」
「なるほど。使えそうな商品検討してみますね」
「この企画書にあるように、その商品を取り扱った企業とのコラボと新商品の提案。いくつかいい案が出たらそれをもっと形にしていきます」
「うちの部署の企画とそちらの部署の企画が上手く交われば面白いことになりそう」
「なので、今回頂いたそちらのリスト、望月さんが手掛けた商品と一緒にすべての商品も載せて頂いてるので助かります。参考にさせてもらいます」
「あぁ。全部載せておいてよかった。そちらから頂いたリストもそうして頂いてたので、同じようなのがいいかなと」
「さすが。話が早いです」
「じゃあ、またピックアップ出来次第ご連絡しますね」
「よろしくお願いします。あっ、じゃあオレ次の会議あるんでこれで失礼します」
「はい。ではまた」
まだ一緒にいたい気持ちは山々だけど、他の仕事もまだ山積みで、今日は早々に用件だけで切り上げる。
それでも、こんな風にたった少しでも彼女に会えたことで、オレの気持ちは満たされて、頑張れる力になる。
もっと彼女に頼られるように、一人前の男にならないと。
今回はこれでまだおあずけだけど。
少しずつオレが自信をつけると共に、彼女への距離を縮めていってみせる。
あなたがどれだけオレに今心を開いてくれているのか、オレをどれだけ受け入れてくれるのかもまだわからないけれど。
だけど、この甘い行動もあなたへ向ける言葉も、まだまだこんなモンは序の口だから。
オレが本気出せば、これどころじゃすまないってこと、あなたに伝えていくから。
だけど、少しずつ、と思っているはずなのに。
オレの中で、彼女への抑えられない気持ちがどんどん溢れ始める。
ずっと見つめ続けていた抑え込んでいた想いは。
一度あなたに触れてしまったら。
もう止められなくなる。
そして、もっともっと欲しくなる。
あなたのその心も、すべて何もかも・・・。