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重田💋(omoda)
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Anti Wonderland✴︎by Alice
【狂気の章✴︎第6話】
「…あぁ。あの子も言ってしまった…。とはいえ私は「白ウサギ」。アリスを送り出すことが仕事…仕事…ですが、本当にこれで良いのでしょうか。」
生物的に弱い立場の白ウサギが、普段より余計に耳を垂らして弱音も垂らす。
ため息混じりの空気を吸って、落ち着かせようにも尻尾が揺れている。
「アリス」が向かうその先は、絶対君主の女王様。今まで無事に帰ってきた「アリス」を白ウサギは見たことないらしい。
「やはり…時計台にはあっちの世界に繋がる『正解のトビラ』などないのかもしれませんね…。」
「にゃぁ〜に言ってるにゃ《ワビィット》。鬼ごっこが終了したココが正解のトビラだろ?」
静電気のような予想できない刺激から、白ウサギはウサギ姿のまま飛び跳ねた。
耳を最大まで折り曲げ畳み、予想できてる相手を睨みつける。捉えた容姿はやはり、あのチェシャ猫だった。やめてくれというツッコミを待つように細い口を広げ、口角と目尻が当たりそうなくらいに笑っている。
「やめて下さい《チェシャ》!私の聴覚は人並みの倍聞こえるんですよっ!…というか、兵士がいたらどうするおつもりです!?」
「にゃんて言いつつ、お前も俺を《名前》で呼んでるにゃ」
「貴方は名前も《名前》も「《チェシャ」》でしょう!?あー、もう!紛らわしい!」
畳んだ耳をそのままに、白ウサギは足を地面に叩きつけた。うさぎが怒ったときの本能的な行動に、チェシャ猫は舌を出す。まるでお前の行動が傑作だにゃぁとアピールするように。ただ、互いに兵士が気になるのか、これ以上の騒ぎを立てないように気を配る。一段、冗談に区切りがつくと、相談するように密談が始まる。
「まぁ俺が言いたいのは、にゃんで「74番目のアリス」を先に進ませた?留まらせておけば良い話だにゃ。」
「なにをおっしゃる、チェシャ猫。アナタの力ならばすぐにでも「彼女」を元の世界に戻せてあげれたでしょうに。」
「お前の権力だって、あの子達を止められる可能性はあるだろぅ?試してにゃいだけ。」
力に、権力、能力、才能、…。役名を与えられた者たちは秀でる権能を受け取る。白ウサギもチェシャ猫もそれをわかっていながら滅多なことでは使わない。いや、使えないのだろうか。
チェシャ猫の冗談だけではない からかい に気付きつつ、白ウサギは密談に油断をみせない。
大好きな隙探しができず、チェシャは退屈そうに圧をかけるのを止める。
「…アナタも役を真っ当して下さい。代償が私達だけならともかく、国となれば責任が取れません。ましてや「アリス」が来なくなったら…」
「…。いっそのこと壊しちまえばいいにゃ」
「そ・れ・は。《ロキ》、あなたの仕事でしょう?」
瞳孔を縦に鋭く細め、思いがけない言葉にチェシャ猫は余すことなく反応した。ほんの一瞬で顔を元に戻してしまったが。
見張りを続けると張り切って2匹は日常へ帰って行った。
草木に手を引っ掛けて、泥に足を滑らせて、空虚に頭を突き出して。右も左も自然だらけ。
最初は道らしい道を歩いていたが、気づくと見たこともない未知の場所。雑に手入れされた雑木の場所。「アリス」は目印探して大袈裟にキョロキョロ。人が偶然通りかかるのを期待して。
人も動物も、ちゃっかりモノまでいないことを確認すると、「アリス」はついに切り株へ腰を落とした。
「あーもう、いくら歩いたのか検討もつかないわ。白ウサギさんの時計をどれか貰っておくべきだった。」
あぁ〜ら可哀想。迷子かしら?バカね、迷子なわけないでしょう。あれはそうよ、「アリス」よ。「アリス」。不思議の国に?74番目。「アリス」だ、「アリス」。どうしてここへ?
「なによ、私は「アリス」じゃなくて、…」
言いかけたところでさっきの言葉を思い出し、自己紹介は喉の奥へ。声をかけられた気がしたが、見渡しても跡は無い。そっちがその気ならと「アリス」はせっかくの機会で役になりきる。
「え、えぇ。私が「アリス」よ、お嬢さん…じゃ無いかもしれないから…。紳士、淑女の皆さん。」
あらあら。ここに紳士は居ないわ。お嬢さんでいいのよ。ねぇ、「アリス」。そんなところで何をしてるの。ここは汚い。蜂も出るわ。一体どうして、雑木林へ?
木々の陰が声に合わせてグラユワ動く。けどそこに木は無く、木漏れ日がさしてる場所で。
「陰ができてた気がするのだけど…?気のせいみたいね」
あらあら。ほんとに?木のせいかしら。木の精かも。あら、「アリス」。貴方の気の声弱ってるわよ。ほら下をご覧?
言われるがままに頭を下ろした。「アリス」は背筋にドライアイスをぶちまけられたみたいな気分。「陰が…ない。」と震えた声で月が干されてしまいそう。自分自身の陰がないせいで「アリス」の心が冷えきる前に、陰はゆっくりと「アリス」へ動いた。
いやねぇ。そんなにゾッとしないでちょうだい。ちょっとしたお遊びよ。ごめんなさいね。 私たち共陰なの。楽しいわ、「アリス」。もっと遊ばない?
声の主達はどうやらここ一体の陰らしい。
…カゲさんと遊ぶと言ったって、その前に謝ってよ、驚かされた身にもなってほしいわ。と「アリス」は苦情を突きつける。すると向こうも、遊んでくれたら御茶会への招待状を申し込んであげる。と矢印つくる。
「そんな美味しい返答あるわけないでしょ」
あるわよ。美味しい弁当。苦手なものは?好き嫌いせずに食べてね。
「弁当じゃなくて!…あー、もういいわ。遊んであげる。なにをするの?」
なにする?そうねぇ、。クイズは?いいわね!私たちらしいやつ。あぁ、あれね。気に入ってくれるかしら。楽しいわ。
そういうと、共陰は四つの陰絵を作って見せた。「アリス」を置き去りに、彼女たちが好む”遊び”で時間をお刻りするようだ。
「アリス」。ねぇ、「アリス」。ホラーはお好き?
「いいえ、苦手なほうよ。ゾンビ映画はよく観るけれど。…愛し合った二人の片方が人間ではなくなってしまう…、そんなありえないことn」
あらあら。可愛い。ゾンビはいないわね。用意する?面倒だわ。
「えっと…?ごめんなさい。この陰絵でなにかするのよね?」
ええ、そうね。「アリス」、ありがとう。それなら、やっちゃいましょ。「アリス」、貴方がこの中で最も恐れるものは?
共陰は童と遊べるのが嬉しいのか、ワラワラと笑いを堪えられずに恐怖を布教した。
コメント
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# 美月ゆめか的感想🌸 めっちゃ不気味で美しい世界観に引き込まれたよ〜!特に白ウサギとチェシャ猫の会話が絶妙で、互いに探り合いながらも距離感が面白い…「ロキ」って呼んだ瞬間のチェシャの反応、ゾクッとした🥶 そして「陰がない」って気づくアリスの恐怖、すごく伝わってきた。共陰たちの「お遊び」って何だろう…クイズとか言ってるけど絶対ただの遊びじゃないよね?次が気になりすぎる!