紫×黄緑
学パロの続き
暗い、あまりにも暗い
そして短い
紫さんヤンデレ
紫さん視点!
【愚者の道化は彷徨い続ける】
「あはは、そっか。東雲さん、数学苦手だもんね」
私の本性を知られてから数日。
あれから私は東雲さんと友達になるフリをして、彼女を監視している。
あんなに私に怯えてた彼女は、優しいフリをすれば拍子抜けするほど私に懐いた。
学校一の問題児である彼女は、皆んなから遠ざけられ、友達がいなかった。
多分、私に懐いたのも友達がいなくて、寂しかったからだろう。
「そうなんだよ!今日のテストはさ〜」
友達だから一緒に帰ろう、と監視のために誘って二人で下校する。
何が楽しいのかきゃいきゃいとはしゃいで、楽しそうに笑う彼女。
その笑顔が、何かに似てる気がする。
なんだっけ、周りの嘲笑を浴びても笑い続ける事しかできない、愚かなナニカ。
あぁ、そっか。
____道化だ。道化師にそっくりだ。
この進学校で落ちこぼれて、周りから孤立して、初めてできた友達の私には蔑まれて、それでも一緒にいる事を選ぶ。
なんて滑稽で、愚かなのだろう。
でも決して可哀想だなんて思わない。
だって、私は彼女に興味なんて無いから。
彼女が傷つこうが、苦しもうが、私の知るところでは無い。
「レイラーさん?どうしたの?」
話に反応しない私に不安になったのか、東雲さんが肩を揺すってきた。
「あ、ごめんね。ちょっとボーっとしちゃってた」
「そっか〜。レイラーさんは委員会頑張ってるもんね!偉いなぁ!」
「偉いって……成り行きで入っちゃったからやってるだけだよ」
委員会なんて学期の初めの頃、少し真面目にしていたら皆んなが勝手に推薦しただけだ。
そこに私の意思なんてない。
「成り行きでも偉いと思うけどなぁ…。レイラーさんが頑張ってるの、知ってるし」
少し残念そうに東雲さんが呟く。
「ふふ、ありがとう。東雲さんが見てくれるなら、頑張れる気がするな」
「本当!?ならレイラーさんのいい所、もっと見つけるね!」
さっきまでの残念そうな気配は消え、一転して喜びを全開にする東雲さん。
言葉一つで一喜一憂するその姿が、なんだか面白かった。
「あ、私こっちだ!またね、レイラーさん!」
しばらく歩いて、分かれ道まで辿り着くと、東雲さんはそう言って反対側へ消えていった。
私も帰るために歩みを進めていると、あるショーウィンドウが目に止まった。
いつもなら気に留めない、古びた人形屋のショーウィンドウ。
でも今日は、それがいやに目に泊まった。
ショーウィンドウの中には、古ぼけたフランス人形や、ガラスでできた置物に混じって
くるくると回る、道化師の置物が置いてあった。
くるくる、くるくる。
回って回って回って。
その場所に固執して。
なんだか酷く気持ち悪くて、私はその場を早足で通り過ぎた。
コメント
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道化でピエロが思い浮かんだ私は末期ですか?
続き求む。 れいらーさんのクールキャラ好き。りんりりん安定に可愛い。胡桃天才