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brfr 桃紫 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
いつもなら、誰よりも最後まで残っている。
「じゃあ、みんな気をつけて帰ってね」
ネイロはいつものように笑って、メンバーたちを見送った。
「ネイロさんもお疲れさまでした!」
「うん、お疲れさま」
扉が閉まる。
静かになった控室で、ネイロはふっと息を吐いた。
「……っ」
その瞬間、膝から力が抜けた。
近くのソファに手をついて、なんとか身体を支える。
「……まずいな」
額に手を当てる。
熱い。
身体の内側からじわじわと熱が広がっているような感覚。
頭もぼんやりする。
さっきからずっとおかしいと思っていた。
まさか――。
「……発情期、来ちゃったか」
ネイロは小さく呟いた。
普段なら、こんなことで動揺したりしない。
グループ最年長。
みんなの相談役。
困ったときに頼られる側。
だからこそ、こんな状態を誰かに知られるのが嫌だった。
しかし。
「ネイロちゃん?」
「……!」
聞き慣れた声に、ネイロは顔を上げる。
控室のドアから、ひづみが顔を覗かせていた。
「まだいたんだ」
「……ひづみちゃん」
「一緒に帰ろうと思って待ってた」
「そっか……」
ネイロは笑おうとした。
けれど、ひづみはすぐに違和感に気づいた。
「……ネイロちゃん?」
「なに?」
「顔、赤いよ」
「そうかな」
「うん。それに、なんか辛そう」
「……」
「体調悪い?」
ネイロは黙った。
ひづみが心配そうに近づいてくる。
「来ないで」
「……え?」
「ごめん。今は……ちょっと」
ひづみはすぐに足を止めた。
「分かった」
それ以上は近づかない。
ただ、離れもしない。
「でも、俺ここにいるから」
「……」
「何かあったら言って」
その優しさに、ネイロは少しだけ目を伏せた。
「……発情期」
「え?」
「たぶん、来た」
ひづみの表情が変わる。
「そっか」
「……ごめん」
「なんで謝るの?」
「こんな状態……」
「そんなの気にしなくていいよ」
ひづみは落ち着いた声で言った。
「今はネイロちゃんの体調のほうが大事」
「……ひづみちゃん」
「水、飲めそう?」
「うん」
「じゃあ取ってくるね」
ひづみが離れようとする。
その瞬間。
「……待って」
ネイロが袖を掴んだ。
「ん?」
「……行かないで」
ひづみが少し目を見開く。
「うん。行かない」
そのまま近くのテーブルに置いてあった水を手渡す。
「ゆっくり飲んで」
「ありがとう」
ネイロはペットボトルを受け取った。
けれど、手が震えている。
「ネイロちゃん」
「ん?」
「手、震えてる」
「……本当だ」
「貸して」
ひづみがそっとネイロの手を包む。
「……っ」
ネイロの肩がびくっと跳ねた。
「ごめん!」
「違う……」
ネイロは少し驚いた顔をした。
「冷たくて、びっくりしただけ」
「ああ……」
ひづみはほっとしたように笑う。
「じゃあ、もう少しこのままにしておく?」
「……うん」
ひづみの手はひんやりしていた。
熱くなったネイロの手には、その温度が心地いい。
「落ち着く?」
「うん……」
ネイロは目を閉じる。
ひづみが手を握ってくれている。
それだけなのに、さっきまでの不安が少しずつ薄れていく。
「額も熱そう」
「そう?」
「触ってもいい?」
ネイロは少し迷った。
「……うん」
ひづみの手が、そっと額に触れる。
「……っ」
また小さく声が漏れた。
「びっくりした?」
「……うん」
「ごめん」
「謝らなくていいよ」
ネイロは恥ずかしそうに目を逸らした。
「ひづみちゃんの手、冷たいから……」
「そっか」
「でも……嫌じゃない」
「ならよかった」
ひづみは手を離した。
すると、ネイロが少し寂しそうな顔をする。
「……もう終わり?」
「え?」
「いや……」
ネイロは自分でも驚いたように口を閉じる。
「……ごめん」
「ネイロちゃん」
「ん?」
「無理して謝らなくていいよ」
ひづみは優しく笑った。
「今日は甘えていい日」
「……」
「いつもみんなを支えてるんだから」
ネイロは俯いた。
「……俺、こういうときまで最年長でいなきゃって思ってた」
「どうして?」
「みんなが俺を頼ってくれてるから」
「でも」
ひづみはネイロの隣に座った。
「俺は、ネイロちゃんにも頼ってほしい」
「……ひづみちゃんに?」
「うん」
「迷惑じゃない?」
「全然」
ネイロはしばらく黙っていた。
そして、そっとひづみの肩へ頭を預けた。
「……じゃあ」
「うん」
「今日は、俺が頼ってもいい?」
「もちろん」
「そばにいて」
「いるよ」
「手も繋いでて」
「うん」
「……眠るまで」
「ずっといる」
ネイロは安心したように目を閉じた。
「……ひづみちゃん」
「なに?」
「俺、ひづみちゃんを一番最初に頼ってよかった」
「俺も、頼ってくれて嬉しいよ」
「……好き」
「俺も好き」
ひづみはネイロの髪を優しく撫でる。
ネイロはその手に少しだけ頭を寄せた。
普段は誰よりも頼れるお兄さん。
メンバーの前では、弱音なんてほとんど吐かない。
そんなネイロが、今はひづみの隣で静かに甘えている。
「……ひづみちゃん」
「ん?」
「もう少しだけ」
「うん」
「このまま、いて」
「もちろん」
二人はそのまま、静かな控室で寄り添っていた。
ネイロの体調が落ち着くまで。
そして、ネイロがもう一度笑えるようになるまで。
ひづみはずっと、その手を離さなかった。
コメント
1件
うわあああああ第4話読んだよ〜!!😭💕💕 ネイロお兄ちゃんがまさかの発情期でびっくりしたけど、ひづみちゃんの優しさが沁みる…「迷惑じゃない?」って聞くネイロに「全然」って即答するひづみちゃん、最高すぎるよ…!!普段みんなを支えてる最年長が、今日だけは甘えていい日って言われて、肩に頭預けて「好き」って言うシーンで私の心臓止まるかと思った…💘 ABO設定の甘やかし展開、めちゃくちゃ良かったです…!!次の話も楽しみにしてるね〜🌸
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