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brfr 水青 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
「――はい、というわけで!」
らみがぱっと顔を上げる。
「今日も配信、始まりましたー!」
画面の向こうから流れてくるコメントは、開始数秒ですでにものすごい勢いだった。
『待ってた!』
『らみくん今日もかわいい』
『みっちゃんいる!?』
『二人配信!?』
『らみつき!』
「今日はですね、なんと」
らみが隣を見る。
「みっちゃんと二人です」
「どうもー」
みつきは眠そうな顔で手を振った。
「みつきでーす」
「みっちゃん、もっと元気に」
「らみちゃんが元気だから、俺は省エネ」
「何それ」
「バランス」
「絶対違うでしょ」
らみが笑う。
いつも通りの二人。
同じ歌い手グループに所属している、みつきとらみ。
二人で配信することも珍しくない。
みつきは不思議ちゃんで、何を考えているのか分からないことが多い。
対してらみは、グループ最年少ながら頭の回転が速く、進行役を任されることも多い。
一見すると、しっかり者のらみと、ふわふわしたみつき。
けれど。
二人には、メンバーにも、もちろん視聴者にも秘密にしていることがある。
付き合っている。
それも、かなり長い。
そして今日。
二人は配信前に、ひとつだけ約束をしていた。
――配信中は、恋人だとバレないこと。
「じゃあ今日は、質問コーナーやろうか」
「いいよ」
らみがコメントを拾っていく。
『二人はお互いの好きなところどこ?』
「……」
らみの手が止まった。
みつきも画面を見る。
「これ、どうする?」
「どうするって?」
「答える?」
「普通に答えればいいじゃん」
「じゃあ、みっちゃんから」
「俺?」
「うん」
みつきは少し考える。
「らみちゃんの好きなところ……」
「うん」
「かわいいところ」
「…………」
らみが固まる。
『即答w』
『みつきさんブレない』
『らみくん照れてそう』
『かわいいって言われ慣れてそうなのに』
「……はい、次!」
「なんで?」
「恥ずかしいから!」
「まだ一個しか言ってないよ」
「いいの!」
らみは慌てて次のコメントへ移る。
「はい、次。『お互いの第一印象は?』」
「らみちゃんは賢そうだった」
「そのまんまじゃん」
「あと、小さかった」
「今も小さいみたいに言わないで」
「かわいかった」
「……」
またらみが黙る。
「みっちゃん、今日なんなの?」
「何が?」
「さっきからかわいいしか言ってない」
「だってかわいいから」
「配信中!」
「うん」
「……もう!」
らみが顔を赤くする。
コメント欄が一気に加速した。
『今日みつきさん攻めてない?』
『らみくんめっちゃ照れてる』
『距離感どうした』
『これもう付き合ってるだろ』
「付き合ってません!」
らみが即答する。
みつきが横で首を傾げた。
「そうなの?」
「そうなの!」
「俺、付き合ってると思ってた」
「みっちゃん!」
らみが慌ててみつきの腕を掴む。
「冗談」
「……ほんとにやめて」
らみが小声で言う。
「ごめん」
みつきも小声で返した。
けれど。
らみの耳が赤いことに気づいたみつきは、少しだけ笑った。
その後も質問は続いた。
好きな曲。
最近ハマっているもの。
グループで一番仲のいいメンバー。
好きな食べ物。
他愛もない質問ばかり。
なのに、らみはずっと落ち着かなかった。
原因は分かっている。
さっきから、みつきの手が近い。
机の下。
指先が、らみの手の甲に触れている。
一度。
二度。
そして、今度は指先が絡んだ。
「……っ」
らみが小さく肩を跳ねさせる。
「らみちゃん?」
「な、なに?」
「どうしたの?」
「なんでもない!」
「顔赤い」
「暑いの!」
「冷房ついてるよ」
「……みっちゃん」
「うん?」
「あとで覚えてて」
らみは笑顔を崩さないまま、小さく呟いた。
みつきは一瞬だけ目を細めた。
「……うん」
声が低かった。
さっきまでのふわふわした声とは違う。
らみはその声を聞くだけで、心臓が大きく鳴るのを感じた。
「次の質問!」
らみが無理やり進行する。
『二人で歌うなら何歌いたい?』
「んー……」
みつきが考える。
「バラード」
「珍しいね」
「らみちゃんとなら、ゆっくり歌える曲がいい」
「……そっか」
「うん」
みつきがらみを見る。
その視線に気づいて、らみも見返す。
ほんの数秒。
ただ見つめ合っただけ。
それなのに。
『今絶対なんかあった』
『二人だけの世界になってる』
『らみくん今絶対顔真っ赤w』
「……コメント見ないで!」
らみが画面を隠す。
「なんで?」
「恥ずかしいから!」
「かわいい」
「それ禁止!」
「じゃあ、かっこいい」
「それも違う!」
「難しいなあ」
「みっちゃんは本当に……」
らみは呆れたように笑った。
けれど、その表情は嬉しそうだった。
そして配信も終盤。
「そろそろ終わりにします!」
らみが宣言する。
「今日は来てくれてありがとうございました!」
「ありがとうございましたー」
「また二人で配信するからね」
「次はもっと長くしたい」
「うん」
『次回も待ってる!』
『二人の配信好き!』
『またやって!』
コメントを読みながら、らみが笑う。
「じゃあ、最後に……」
そこで、みつきが口を開いた。
「らみちゃん」
「ん?」
「こっち見て」
「え?」
らみが振り向く。
その瞬間。
みつきが、いつものふわふわした表情ではなく、真っ直ぐらみを見つめていた。
「……なに?」
「今日、楽しかったね」
「うん」
「らみちゃんと一緒だったから」
「……っ」
また顔が熱くなる。
「みっちゃん……」
「何?」
「本当に今日どうしたの」
「別に?」
「絶対別にじゃない」
みつきは笑う。
「じゃあ、配信終わったら教える」
「……約束ね」
「約束」
らみが終了ボタンを押す。
配信終了。
画面が切り替わった瞬間。
部屋が静かになった。
らみは椅子の背もたれに体を預ける。
「……疲れた」
「お疲れさま」
「みっちゃんのせい」
「なんで?」
「ずっと変だった」
「そう?」
「そう!」
らみが振り返る。
「かわいいとか、何回も言うし」
「本当のことだから」
「配信中に言うから困るの!」
「でも、らみちゃん嬉しかったでしょ」
「…………」
「図星?」
「……知らない」
みつきが笑う。
そして立ち上がった。
らみの前まで歩いてくる。
「じゃあ、今なら言っていい?」
「……何を?」
「かわいいって」
「……」
「かわいいよ、らみちゃん」
さっきとは違う。
誰にも聞かれない場所で言われる「かわいい」は、ずっと強かった。
らみは俯く。
「……みっちゃん」
「うん」
「今日、ちょっと意地悪」
「ごめん」
「……でも」
らみが、みつきの服の裾を掴む。
「嫌じゃない」
みつきが目を細める。
「知ってる」
「なんで?」
「らみちゃん、嫌なことはちゃんと俺に言うから」
「……そういうところ」
「ん?」
「かっこいい」
みつきが少し驚いた顔をする。
「……俺、かっこいい?」
「うん」
「普段は?」
「かわいい」
「そっか」
「でも」
らみが顔を上げる。
「たまに、すごくかっこいい」
みつきはしばらく何も言わなかった。
そして、ふっと笑う。
「……それ、嬉しい」
「ほんと?」
「うん」
みつきがらみの頭を撫でる。
優しい手つきだった。
「らみちゃん」
「なに?」
「今日はいっぱい頑張ったから、甘えていいよ」
「……子どもじゃないよ」
「知ってる」
「じゃあ……」
らみが少し迷って。
「……もうちょっとだけ、そばにいて」
「うん」
みつきは隣に座る。
らみも肩を寄せる。
配信中にはできなかった距離。
二人きりだから許される距離。
「みっちゃん」
「ん?」
「好き」
「俺も好き」
「……大好き」
「俺も、らみちゃんが思ってるよりずっと好き」
「それは……ずるい」
らみが笑う。
目元には、少しだけ涙が浮かんでいた。
「泣く?」
「泣かない」
「泣いてもいいよ」
「……泣かないって」
「じゃあ、笑って」
「無理」
「なんで?」
「みっちゃんが優しいから」
みつきは何も言わず、らみの頭を撫で続けた。
しばらくして、らみが小さく笑う。
「……明日の配信も頑張ろ」
「うん」
「今度は絶対、変なこと言わないでね」
「努力する」
「努力じゃなくて約束!」
「じゃあ約束」
「ほんと?」
「うん」
少し間を置いて。
「でも、かわいいとは言うかも」
「……もう!」
二人の笑い声が、静かな部屋に響く。
配信の中では、ただ仲のいい歌い手仲間。
けれど配信が終われば、誰にも見せない顔で笑い合う恋人同士。
その秘密があるからこそ。
二人で歌う時間は、誰より特別だった。
コメント
1件
うわああああん第5話も尊すぎて心臓もたない!!!😭💕💕 配信中は仲良し歌い手仲間なのに、机の下で指絡めてくるところがもう完全に恋人じゃん!!「付き合ってません!」って即答するらみちゃんと「そうなの?」って首かしげるみつきさんの温度差に悶えたよ…最後の「俺も、らみちゃんが思ってるよりずっと好き」はずるい、反則!!🫠💘 二人きりの距離になると途端に空気変わるのみど♡♡♡ぎた〜また明日の配信も楽しみにしてます!らみつき推し確定です🌸
瑠唯-るい-腐女子投稿頻度🐢
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#えれしく