『ねぇ 、もう一回言ってみな』
「….はぁ 、?」
「だからぁ…そんなん言うなら別れますか?」
「ま 、どうせ別れ『いいよ』…..は?」
『いいよ 、もう別れようか次屋三之助』
『金輪際 、僕とは関わらないでね』
「ちょ、せんぱッ『さようなら』
作法委員会委員長代理を努めます
僕 、五年い組綾部喜八郎は
この度 、四年ろ組次屋三之助のお別れします
「 「はぁぁぁあぁああ!?三之助と別れた!?」 」
『うるさい滝 、三木….大声ださないでよ』
「流石の私達でもびっくりするぞ」
「あんなに仲良かったのにな…..」
「綾ちゃん 、どうして別れたの?」
『……それは 、』
『……..言いません』
「 「何故!?!」 」
何故って言われても 、
他人に自分の恋愛事情を言うわけないでしょ
と答えれば 、僕はそそくさと食器を片して
食堂を出る、、つもりだった 。
「綾部せんぱ「おーい!喜八郎!!」
『….あぁー 、竹谷先輩』
「夕食は済んだか?」
『えぇ 、まぁ』
「よし!じゃあ夜の鍛錬へ行くぞー!!」
『おぉーー』
なんて 、以前はこういう時は
先代のいけどん先輩が仕切ってくれたんだけなと
思いつつ 、竹谷先輩とは別方向から聞こえた
あのよく聞きなれた声は聞かなかったことにした
「今日は裏山か裏裏山どっちがいい?」
『無論 、裏山でしょう』
「裏裏山だな?」
『….もうどっちでもいいです』
「よーし!走れー!!」
裏裏山のあの木まで行けば
あとは元の道を辿るだけで 、下りな為
比較的早く帰ることが出来る 。
いつもなら 、早く帰ってお風呂に入らず
お布団に転がりたい 。なんて思うけど
今日はそうとはいかなくて 、なんだか帰るのが
とても惜しく思った 。
「…..よし 、少しここで星でも見るか」
『…星 、いいですね』
僕の考えを見透かしたように竹谷先輩は
星など大して見当たらないのに
僕を芝生へ無理矢理寝転がらせて 、
その隣に先輩も寝転がった 。
長い沈黙のあと 、それを断ち切ったのは
案外僕の方であった 。
『せんぱいは 、僕のことを
可愛いって思いますか?』
「…..また急だな 、笑」
なんて 、仰向けで目を瞑る先輩を
じっと見つめればそのふたつの目が僕を見つめた
「その顔は可愛いと思うぞ?」
『結局顔、、』
「くはは!嘘嘘!」
「まぁ 、顔も可愛い顔してるけど 、
その猫みたいな性格は可愛いと思うぞ?」
『…..先輩と付き合ってたなら
毎日かわいいかわいい言ってくれそうですね』
「頼むってんなら毎日言ってあげるけど?」
『ご冗談はよしてください』
「ははっ悪い悪い」
ちょっと悲しそうな顔をした先輩と目が合った時
ドキッとして慌てて視線を逸らした 。
次先輩を見れば 、
目を瞑ってなにかを考えている様子だったから
それを僕も真似てみた
でも 、そうしたら夢に入っていたみたい
その夢の中は 、いいものじゃなくて
偽物の三之助がすごい笑顔で僕に言い寄ってくる
本物の三之助は僕にそんな事は言わないし
そんな笑ってはくれない 、
自分で言うのはなんだけど結構悲しいかも
「可愛いなぁ」
「え?本当に可愛いっすよ」
「なんでわざわざ嘘をつかなきゃなんすか笑」
「ふは 、顔真っ赤っすよ」
「かーわい」
「ねぇ先輩___」
いま 、何してるの?
唇と唇が重なって 、
息が苦しくて思わず口を開ければ
三之助が舌をにゅるっと忍ばせてきて
思わす声がこぼれる 。
(待ってよ 、まだあっちの三之助にこんなの
されたことないんだけど 、こんなの知らない)
拒否っても彼は離してくれなくて 、
もう限界で意識が飛ぶってとき 、目が覚めた
『…….んっ 、竹谷せんぱい….?』
僕に跨るように座るのは 、きっと痺れを切らして
起こしてきた竹谷先輩だろうと思い
まだはっきりしない目を擦ると 、
そこに居たのはありえない人物だった
「…….なに彼氏と先輩間違えてんだよ」
『はぁ、?なに彼氏って 、なんでいるの』
降りてよと言っても彼はお構い無しに問う
「あの先輩と随分楽しそうじゃないっすか」
「なに 、浮気?」
そう笑いながら言う三之助に
大事に保っていた糸が切れた音がする
思いっきり飛べば 、三之助は尻もちをつく
そんな様子を気にも垂れながら僕は見てる
所詮は四年生 、五年生の僕であればすぐに
負けるだろうけどそうはしない
『……ねぇ、なんで別れてない気でいるの?』
「…..だって 、」
『お前が提案したじゃんか』
「それはっ…..」
『僕のことなんか始めから
好きじゃなかったんだもんね?』
「はぁ 、は…??」
『….忘れたつもり?』
『いいよ 、もう一回言ってあげる』
あれを言うのは少々体力を使うんだけどなぁ
って思いながらも重い口を開いた
『まず三之助さ僕に好きって言ったことあった?
可愛いって言ってくれた?抱いてくれた?
僕は抱擁もしたいし口吸いだってしたかったよ』
「…..っ、」
『ましてや 、お前覚えてる?
僕が鉢屋先輩にとっておきの女装を
してもらった任務の日のこと 。
お前なんて言ったか覚えてるわけ?』
「….それは 、」
“うわ 、もう原型とどめてないじゃないっすか”
“男捕まえる気満々っすね 、怖”
『忘れるとかまじ有り得ないんだけど 、
それにお前さ僕には可愛いとか言わないくせに
藤内とか数馬には言うらしいじゃん?
そりゃあ藤内や数馬は可愛いよ 、藤内は
努力家だし愛嬌もあって僕もいいとおもう…』
そんなとき 、僕は気づいちゃったんだ 。
『…..なに 、三之助ってば最初から
藤内が好きだったってこと?』
「はぁ?なんで藤内なんか….」
『そうとしか思えないでしょ 、
だってまず僕を好きになる事はありえないじゃん
藤内が好きだけど 、上手く落とせないから
僕を使っていたんでしょう?
なぁんだ 、僕….ちょーださいじゃん…』
「は 、先輩?」
三之助がなんでそんなことを聞くのか
なんてわかってる
さっきからずっと止まることを知らない涙のせい
『お願いだから 、忘れさせてよ….』
『お前を忘れるために 、応援するために僕
今日ここまで来てたのに 、なんで来たの…?
そういう優しさとか同情ほんとに要らな((
「ちょっとうるさいんだけど」
やっと口を開いたと思った途端 、
また 、夢の中の三之助と同じ行為をされた 。
でも 、今度は少し違くて
なんだかふわふわしてくる感じがして
口の中が熱くて三之助の舌が当たるだけで
身体全体に感じちゃって恥ずかしく思う
「んんっ…ぁ…..?」
好きでもないくせに
なんで 、こんなことをするのか不安に思って
ふと三之助の方を見てみたら 、
なんとこちらを見ていたようで慌ててそらせば
さっきまで後頭部を支えていた手が
僕の耳に移っていた 。
「ふ ッ …ぁんっ…..」
本当にだめ 、これ以上されれば
本当に取り返しがつかない
もう三之助しか考えられなくなっちゃう
なんて思ったとき 、やっと解放された
でも次の瞬間 、ガバッと強く抱きつかれた
流石は体育委員会で 、僕が後ろに
倒れてしまいそうなくらい強い体つきで
学年でも一番小さい小さい僕と
学年でいいばん背の高い三之助じゃ
背の差ができてしまい
思わず彼の心音が聞こえてしまう
鳴り止まない鼓動の音を聞いて 、
思わず笑がこぼれる
なんすか 、と拗ねたような声でいう三之助に
怒る気も無くしちゃって 、
ゆっくりでいいから教えてよ 、三之助の気持ち
って言えばもっと強く抱きつかれてしまった
「俺 、先輩が好きすぎて
上手く感情を操れなくて 、言いたいことだって
言うだけじゃきっと抑えられないから
言わないだけで 、毎日腐るほど可愛いな好きだな
って思ってます 。」
『おやまぁ….』
「先輩とこういうことだって今みたいなのだって
したいに決まってる 。でも 、先輩は華奢だから
その 、すぐ折れちゃいそうで怖くて…」
「あと 、素直になれないのは…先輩が
色んな男と仲良いのが許せなくて、、」
ボソボソと最後なんか何話してるんだろうって
思うほど弱々しくなった三之助
そんな三之助に 、初めて僕は抱き返した 。
『……これで仲直り?』
「はい 、別れてもないですよね」
『まぁね』
よし 、帰ろう 。と三之助から離れようとした
でもあっちがまだ抱きついてくるから
離れられなかった 。
『…..三之助 、?』
「….先輩の声が可愛すぎたせいです 。
コレ責任とってください」
なんて言いながら 、僕の股にソレをグリグリと
くっつけてはぁはぁと声を漏らし始めた 。
『….外でするなんて 、交尾みたいじゃんか』
「交尾 、いいっすね
そのまま子供産んじゃいます?」
『阿呆』
そっからというもの 、偶にというか
結構な頻度で三之助は僕をここへ呼び出しては
よくそういったものをした気がする 。
コメント
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嗚呼感動の後にHな表現すううううう最高だ‼︎