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( ◜ω◝ )いいじゃないのぉ()
【Attention】
・めっちゃ妄想です
・なんなら主が読みたいだけ
・なんでも許せる方向け
「だぁぁぁぁぁざくろぉぉ!!」
とある午後。オオモリシティのアグハウスで発狂していたのは、万年笑顔の(自称)神、太陽。
「うるさいっすよ太陽…」
眠そうな声で太陽に抗議するのは荒川。せっかくの昼寝を邪魔されて困っている。ここで怒らないのは心の広さか元々の性格か。
「どした、何事?」
あまりの大声に階段を降りてきたのは家主のアクシズ。彼はどうやら作曲中だったらしく、ヘッドホンを首にかけたままだ。
「わー太陽が怒ったー!」
何故か楽しそうにはしゃぎまわるのは分裂したざくろ達。そのうちの一人が、太陽に首根っこを捕まえられながら言った。
「別にいいじゃん?名前書くくらいは」
ざくろが指差したのは、太陽のメインギアである大斧アラドクルス。刃の部分に大きく[ざくろ]と書かれている。
「は?何言ってんの駄目に決まってるでしょうが」
どうやら太陽は、自分の武器に名前を書かれ、さらには分裂しまくってはしゃぐざくろにキレたようだ。
「水性だし落ちるって!」
反省の色が見えないざくろ。
「あのなあ、そもそも何でそんなに名前を書く!?」
そういう太陽の周りには、確かにざくろの名前が書かれた物が大量に散らばっている。
「ざくろはひとり一個ずつしか書いてないよー?」
「それが多すぎるんだよ元戻れ!」
「やだー百合探すー」
「たいよーおんぶ」
「離してーたいよー」
「次はこれに名前書こー」
「いいねーペンどこー?」
一言発するごとに大量の返事が…いや、8割方ざくろ同士の会話だが、とにかくうるさい。とうとう我慢ならなくなったのか、太陽は手に持っていたざくろを離し、ズカズカとざくろのうちの一人に歩み寄る。
「?どうし_」
ゴンッ
「でぁっ」
太陽がざくろに拳骨をすると同時に、大量にいたざくろが一人残らずいなくなった。先程の喧騒が嘘のようにあたりは静まり返る。聞こえるのは荒川の寝息と2階から響く微かな重低音のみ。
「いたぁい何すんの〜」
涙目のざくろが太陽を振り返る。太陽は黙ったままだ。
「…?」
「おーいたいよー?」
「あのなあ」
突然太陽が口を開いた。顔をぐっとざくろに近づける。
「え、何?ちっか…」
「お前はお前だ。どれだけ分裂しても変わらねぇ。どれだけ増えても俺が間違うことは絶対にねぇ。」
太陽は続ける。
· · · · · · · · · · · · · ·
「分身の一つになるのが怖いなら
今すぐその技を捨てろ。お前には他に特技がある。それだけが全てじゃねぇ」
「もう一度言う。お前はお前だ。」
「…なーんだ、気づいてんじゃん」
「当たり前だろ?俺は神だからな」
「てか何?愛の告白?めっちゃ近かったね」
「は?ちげーよ!俺の手を煩わせんなって言ったの!!」
「まあざくろはざくろだから?ずっとこのままですけど?」
「はぁ!?俺の言葉が聞こえなかったわけ!?てかおい!増えるな!!!」
太陽の言葉を無視してまたぽこぽこと増え始めたざくろに太陽は再びキレる。また賑やかになった室内で荒川は目を覚ました。
「…朝っすか」
今は勿論夕方だが。目をこすりながら追いかけっこをする太陽とざくろ達を見やる。ふと荒川は気づいた。大量にいるざくろのうちの一人が、部屋の隅で微笑みながらその光景を眺めていることに。じっと見つめていると、彼女は何事か呟いた。荒川は読唇術を知っている訳では無いが、それはしっかりと荒川に伝わった。
「ありがと、たいよー」
その言葉は、キャーキャー言いながら逃げるざくろ軍団を追いかける太陽にはどうやら届かなかったようだった。