🦍社二次創作
戦争系
「そのコトバを俺は知らない」
第5話 銀の刃と少年
幼い頃、自分はとても優しくて温かい家庭で育った。
あの頃は、両親が自分を大切にしてくれて、愛情を注いでくれていた。
でも、4歳の頃、両親は2人で出かけた際に、北軍に拉致され、行方不明になった。
自分だけが遺され、1人で家で生活していた。
いつのまにか、水道と電気は止まり、空襲警報がけたたましくなるように。
灯りもなく、静かな空間でただ1人、身を縮こませる。
ある日、自分の家が襲撃された。比較的大きい家だったからだろう。金目の物を探して、人々がガラスを破り、家具を蹴散らし破壊し、家中を荒らした。
そして、その家には、住めなくなった。家が占拠されたのだ。
自分は、幼い頃からナイフを渡されていた。
人を大切に、とナイフは封印していた。
その木箱を取り出し、ナイフを取る。
全く使っていない為、キラキラと綺麗に輝いていた。
それだけを手にし、家を飛び出した。
ナイフを振り回し、必死に生きた。
7歳のことだ。
ナイフだけが、両親が生きた証であり、大切な宝物だった。
ナイフは使い古され、だんだんと汚れていく。
今も、1人で歩きながら敵と闘っている。
人を見つけて、敵軍だったら刺す。それだけ。
返り血が頰に付いて、かなり醜い姿だ。
駆逐してやる。
執念。
憎しみ。
そうだ、全員ーーーーーーー。
このーーー ーーーーーーー。
「前線部隊、全滅…?」
「前線部隊隊員から応答がありません‼︎」
「どうするのですか⁉︎司令長‼︎」
「へぇ…面白い」
金髪のガタイの良い身体をした男は、ニヤッと笑って呟いた。
「面白い。実に面白い。鍛え抜いた精鋭達に、少年が勝つなんて。」
「君の息子か?」
「…そうです。この子はうちの子です。」
手に鎖をつけられた男は、そう返す。
沈黙が続く。
「ドズルさん‼︎」
「おらふくん?」
「…おんりーが…南軍の少年が…我が軍を…全滅させました…」
唇を強く噛み、苛立っている様子をもろに出すおらふくん。
「うちの息子は流石だなぁ…」
父親はうっとりと呟く。息子に会いたい。その気持ちが、強く現れていた。
「あの子…両親を必ず救うと言って聞かないんです。軍隊を抜けたから、民間人なのに…」
おらふくんは、息を詰まらせながら話す。
ナイフで人を消す事に、快感を覚え始めていた。
服にはべっとりと血がつき、ナイフからは血液が滴り落ちる。
舌で刃を舐める。
北軍の方を見ると、誰も人はいなかった。
そちらの方に、走り出す。
柵を壊し、走って走って、北軍に向かう。
全員消してやる。震えて待っていな。
「ぼんさーん、前線全滅らしいっすよ、やばくないっすか?」
「…ゲームしながら言うなよ…」
ゲーム機を弄りながらぼんさんと話す。この見張りの仕事は、適当にこなしている。
だって、戦争に協力したくないから。
早くこの戦いを終わらせたい。
終わるなら、偽りの情報を教えたっていい。
「menはさ、俺と同じく戦争に協力したくないって言っていたけどさ、なんでここにいるの?」
「…別に。みんながいるからっすよ。」
静かになる。ドズルさんとおらふくんは、今も指揮を取っているだろう。
「ネコおじは?」
「さぁ?あの人ふらっと来てふらっと帰るから…」
「まぁあの人は学校の校長だから今も子供達を護っているんじゃない?」
ネコおじは校長として、子供達を疎開先で護っている。たまに帰ってきて、また疎開先に戻る。
「南西に敵がいるってよ」
「そーですか…」
「いやさ…それが…」
ぼんさんは少し溜める。
「南の子供1人らしい」
「え?」
あまりに驚いて、タッチペンを落としてしまった。慌てて拾い上げ、またゲームに戻る。
「全滅させたっていうのも、その子供らしい」
自分達は、その少年の強さを悟り、準備をして塔から出た。
登場人物(二次創作) その3(全員まとめ編)
(これは全てオリジナル設定です。)
Dozle(New!)
北軍全部隊の司令長。首相の司令のもと、全部隊の統括を行う。
別の国で生まれ、この国で殆どの期間は育てられた。
人の心はあるが、戦時中のとある出来事によって少し人格が変わってしまった。
Bonjour (New!)
北軍監視部隊隊員。この国で生まれ育った。
昔の景色が、人の笑顔が大好きで、戦争が始まってからは少しやさぐれてしまった。
戦争には否定的な感情を持っており、部隊での行動はあまり積極的に参加しない。
Qnly
南側民間人。この国で生まれ育ち、戦争によって両親は行方不明になった。
幼い頃から戦争に巻き込まれ、今では常人ではあり得ないレベルでナイフを使いこなす。
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Oraf-Kun
北軍狙撃部隊司令官。若くして友人が南軍に拉致され、行方不明に。友人を奪還する為、この地にきて、狙撃手を始めた。
殺意を隠し、平然と近づく能力を持っている。Qnlyには本人から心の中の殺気を感じとった為、興味本位で接近した。
oohara MEN (New!)
北軍監視部隊隊員。元はDozleやOraf-Kunとも先輩であり友達のBonjonrを通して関わりがあったが、戦争を機に疎遠に。
前記の北軍の彼等の性格が変わりつつあることに恐怖感を覚えている。
戦争に対して否定的な感情があり、極力協力しない姿勢を貫いている。
Neko Oji (New!)
北軍初等教育学校校長。前記の人全員と面識がある。児童の疎開先と戦地である自国を行き来している。校長として疎開先に行っている為、軍には入隊していない。
児童の事ばかり考えており、他の事に関心が向かない。
次回 明日の朝か夕方
コメント
5件
qnまじの天才じゃないですか... この調子だと南軍も全滅しそうですね...w あの文字化け、なんなんだろう... (文字化けの解読方法知らないんです...( > <。))