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夜が深まるシェアハウスは、高熱にうなされるのあさんとどぬの寝息で満たされていた。のあさんは点滴と看病のおかげで、少しずつ熱が引いてきているようだが、どぬの熱は、まだじんわりと上がっているように感じられた。えとさんは一晩中どぬのそばを離れず、氷枕を換えたり、体を拭いてやったりと献身的に看病を続けている。
そんな中、リビングの隅で、ヒロくんは小さく震えていた。るなちゃんが心配そうに声をかけるが、「大丈夫…」と、力なく首を横に振るだけだ。昼間から隠し通してきた体調の悪さが、限界に達しつつあった。
ヒロくんは、高熱で苦しむのあさんとどぬの姿を見て、これ以上みんなに心配をかけたくない一心で、自分の不調をひたすら隠し続けていたのだ。しかし、彼の小さな体は、すでに悲鳴を上げていた。頭がガンガンと痛み、視界がぐらぐらと揺れる。
「……ちょっと、お水、飲んでくる…」
そう言って、ヒロくんはフラフラと立ち上がった。誰にも気づかれないように、静かにリビングを出てキッチンへと向かう。
真夜中の異変
人気のないキッチンは、冷蔵庫のモーター音だけが静かに響いている。ヒロくんは、水差しに手を伸ばそうとするが、その手が震えて上手く掴めない。視界が真っ白になり、足元がぐらりと傾いだ。
ガタン!
小さな音を立てて、ヒロくんの体が床に倒れ込んだ。目の前が真っ暗になり、意識が遠のいていく。冷たい床の感触だけが、かすかに残っていた。
数分後、どぬの氷枕を交換しようと、えとさんがそっとキッチンにやってきた。電気をつけ、あたりを見渡した、その瞬間だった。
「ヒロくん!?」
床に倒れ込んでいるヒロくんの姿を見つけ、えとさんの悲鳴が響き渡った。慌てて駆け寄り、体を揺らすが、ヒロくんの意識はない。顔は真っ青で、触れると火が付くように熱い。
えとさんの悲鳴に、リビングで仮眠をとっていたじゃっぴやなお兄、るなちゃんが飛び起きてキッチンへと駆けつけた。倒れているヒロくんの姿に、彼らは絶句する。
「ヒロくん!?」
るなちゃんが泣きそうな声でヒロくんを抱き起こす。なお兄が冷静に体温計を取り出し、脇に挟むと、表示された数字は40.5℃。
「また40度越え!?」
じゃっぴの声が震える。まさかヒロくんが、ここまで体調を隠し通していたとは、誰も想像していなかった。
真夜中のシェアハウスは、再び緊迫した空気に包まれた。次々と体調を崩すショタロリ組。彼らの連鎖する体調不良は、この異常な夏に一体何をもたらすのだろうか。そして、彼らが元の姿に戻る日は、本当に来るのだろうか。