目が覚めると周りには枯れたニンゲン。
赤いワインの海。
張り付けられた自分の笑み。
殺戮の天使、リリス。
リリスは人を信じない。
人は裏切るものだ
自分を強く見せようとして
強く見せることに失敗したのならばその罪を
他人に擦り付け、自分は目をそらす。
こんな弱い種族なんて
信用する方が犯しい。
リリスは殺戮の天使。
人を殺す、堕天使。
彼は生まれて9つの時に、
堕天使となった。
堕天使は羽が漆黒だ。
リリスの羽は漆黒に染まっていた。
その漆黒は、暗い闇夜に溶けてしまいそうな程だ
ナイフを片手に今日も笑う。
「ははははははははッッッ……!!!!!!
ボクを舐めたんだ、殺していいよねぇッッッ!!!??!」
「が、ッッ……!!!!!や、め、ッ……!!!!!」
「はははははッッ!!あははははははははッッッッッ!!!!」
漆黒のナイフはいつもワインに塗れ、
彼の整った顔にもワインが付着する。
リリスはまさに、戦闘狂だった。
人を殺すことを好み、
自ら戦地に足を踏み出す。
この物語は
彼がニンゲンの儚さを知る物語だ。