テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
・何でも許せる方向け
・出てくる全てのこと、物、人に関係なし
・ドドド捏造
・青井×つぼ浦CP表現有り
・既に付き合ってる
・キスあり
上全て理解出来た方のみお読み下さい。
夏にアイスを食べる青井とつぼ浦。
こめかみからつたう汗に嫌気がさす。
密着する服に気持ち悪さを感じる。
太陽がビカビカと街を、人を見下している。
汗水垂らしながら事件現場に駆けつけて、血を流しながら銃撃戦をする。
1悶着あった後の車の中のクーラーは、最早砂漠の中の水とも言えるだろう。オアシスである。
遠くの方はゆらゆらと揺れて見えて、それだけで暑さが分かる。
この中で走り回っている自分に、署員達に、ギャング達に、改めて狂気を感じた。
棒アイス売ってます。という看板に綺麗に吸い込まれてしっかり10個購入した。アイスホイホイだ。ゴキブリホイホイみたいで嫌だな。
この街は夢の叶う街なので、アイスは袋から取り出すまで溶けない。なんてこった革命的!あまりの凄さに、ついつい近くで起きたコンビニ強盗にロケランを打っちまう。
本署まで帰ってきて、また何か署長がロケランがどうのこうのガチャガチャ言ってきたが、暑いので取り敢えず無視しといた。ただ見るからに署長も暑そうだったのでアイスを押し付けておいた。嬉しそうにしていたのでこれでロケランの件は大丈夫だろう。計画通り。
本署内に入って、クーラーが付いている事に気づいた。ひんやりしていて気持ちいい。暫く本署に居よう。
なんとなく屋上に出て、むわりとした空気にやっぱりやめときゃ良かったと思った。
戻ろうとして、奥を見て鬼ヘルを見つけた。
やっぱり屋上に来てよかったと思った。
『アオセーン!何やってんすかー?』
「あ、つぼ浦。ヘリよヘリ。ヘリ大臣。」
『こんなに暑いのにご苦労なこった!』
「お前も手伝ってよ」
『それよりもアオセン』
「話聞けよ笑」
楽しそうに笑っているアオセンに嬉しくなった。
あぁそれより、さっき買った棒アイスをあげよう。こんな日に鬼ヘル付けてるなんて自殺行為だからな。冷たい物が必要だろう。
『アオセンこれ、アイス。』
「え!くれんの?」
『あげます。』
「神ー!お前は神だ」
嬉しそうに直していたヘリをしまって、俺の隣まで来て二人で座る。ちょうだいと手を寄越してくるので、アオセンの好きなバニラを渡してやった。
「バニラだ〜!流石分かってんね〜」
『勿論すよ。』
カパリと鬼ヘルを脱いで、足元に置く。
色白い肌が赤くなっているので少し心配になるが、しっかり視線は合っているので一先ず安心。
ペリペリと棒アイスの透明の袋をとって、食べ始める。食べんの早ェ。あ、ほら頭痛くなってる。
「い、つつつ…頭キーンってなったぁ…」
『当たり前だろ何やってんすか笑』
「マジ暑いから仕方ない」
『まぁそりゃそうっすね。…あっちぃ〜』
さて自分も食べるか。と、袋をとってアオセンみたいに馬鹿じゃないので、がっつくのではなくゆっくり食べる。ただアイスは袋をとったら溶け始めるので、あまり遅すぎるとダメなのがムズい。
「アイスうめ〜」
『っすね。…ん、溶け始めんの早ぇ。やべやべ。』
一生懸命こぼさぬように食べていると、アオセンがジロジロと見てくる。おいおい、アオセンも早く食べねぇと垂れてくるぞ?てかもう若干垂れてる。
『アオセ、』
「つぼ浦。」
『え、なんすか』
1つ、アオセンの顔が近くなる。
『ん、…え、?』
優しくキスをされて、頭が真っ白になる。
ポタポタと2人が持っていたアイスが溶けて、2人のズボンにシワをつくる。
「…ごめん、つぼ浦。ちょっと、、…暑さで頭やられちゃったかも。許して?」
ウザイくらいに美形なその顔が、熱に浮かされて朱に染っている。
誰を見るにも変わらないその青い目が、自分にだけはドロドロと熱を込めてくる。
『…、、…。…ここ、本署だぞ。』
「ごめんごめん、ほんとやるつもり無かった無意識無意識!!つぼ浦がえろ、…じゃなくて、可愛かったから。」
『はぁーーー……くそが。無かったことにしてやるよ。』
「わーい!ありがとつぼ浦大好き」
『そんな愛の籠ってねぇ大好きは要らねェ』
「えぇ〜?」
二人で仲良く本署に入り、顔の熱を冷ました。
夏と溶ける。ー終ー
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