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水 × 桃
地雷さん 、 純粋さん 🔙 推奨
「 桃せんせ ー 、 せんせ ー ってカノジョいるの ー ? 」
放課後の教室 。
数人の生徒に囲まれた桃は 、 その端正な顔に苦笑を浮かべる 。
「 居ないよ 」
「 え ー 、 じゃ 、 カレシは ー ? 」
桃を囲む生徒の1人が冗談めかして茶化すと 、 普段ならば苦笑いを浮かべたまま聞き流すであろう桃が 、 今日は何故か一瞬 、 手を止めてしまう 。
「 … いない 」
その答えは 、 少し遅れて返ってくる 。
そう答えた桃の耳がほんのり赤くなっているのを見逃す生徒は1人もいなかった 。
「 え 、 何今の間 、 怪しすぎ !! 」
「 ね 、 誰 ?! 先生 ? 友達 ? 」
生徒達が盛り上がる中 、 教室の1番後ろで頬杖をつきながらひとり静かに様子を眺めていた水が口元を緩める 。
誰も知らない 。
いや 、 誰にも教えるつもりはない 。
「 っ゛ へ 、 ぁ゛ ぅ … 水 っ゛ 、 ⸝⸝ ♡ 」
「 ぉ゛ ぁ゛ ~ ~ ?! ⸝⸝ ♡♡ 」
____ 教師である桃が 、 夜になると生徒である水の部屋で涙を浮かべながら 、 何度も甘い声で水の名前を呼んでいることを 。
教師らしい威厳なんてとうに崩れ 、 水の腕の中で必死にしがみつく姿を 。
「 … 水 、 変な顔してどうした 」
隣の席の紫に声を掛けられて 、 水は目線を逸らす 。
「 ん ー … 別に ? 」
目線を逸らしながらも 、 その目はやはり桃のことを見詰めていた 。
水は学んだ 。
自分のことを意識して真っ赤になる桃は可愛い 、 と 。
きっと次にあの顔が見られるのは今夜だろう 。