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ドクドクと、 舞生の心臓がいつもよりはやく鳴る。
「これから、今年の部長を発表します。」
昨年度の部長が涙ぐみながら話す。
今私は、音楽室の中にいるすべての
新3年生の心の中が読める。
『私が部長になりたい。』そう思っているはずだ。現に私もそう思っている。が、
そう簡単になれるはずもない。そう考える自分もいた。
「今年の部長は、、、っ」
部長の頬に涙がこぼれ落ちる。
「舞生さんです。」
声を震わせながら、舞生の方を見て言った。
「、、、ぇ」
すぐに声はでなかった。
しばらく硬直していると、目から涙が溢れてきた。それが、悲しみの涙なのか、 喜びの 涙 なのかその時の舞生にはわからなかった。
「舞生さん、返事。」
先生にそう言われ、ハッとする。
「は、はい!がんばります、、。」
「部長は、みんなを引っ張っていく役割です。笑顔を忘れずに、頑張ってください。」
次々に、他の役割に当たる人の名前が
呼ばれる。
「最後に合奏リーダーです。合奏リーダーは
まりんさんです。」
まりん。昨年度の副々部長。副々部長が
合奏リーダーまで下がるのは、部の中では
前代未聞だった。
「はい。がんばります。」
まりんの頑張りますに、やる気は感じられなかった。その言葉の裏に隠されていたのは
どう考えても怒りと悲しみだけだった。
そして、部長に選ばれた舞生は、
この後自分を苦しめる存在がまりんに
なるとは微塵も思っていなかった。
かいら