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ボクは元知能天使のナナ。
今はお気に入りの執事3人と黒猫と一緒に旅をしています。
ベレンさんに告白(?)してから数日後… 。
ボク達はヴェリスの街についた。
『ムーちゃん!海だよ〜!』
「ほんとですね!冷たくて気持ちいいです〜」
コバルトブルーの海が太陽の光に当たってキラキラと輝く。
「ふふっ、2人ともすっごくはしゃいでる」
「可愛らしいですね」
執事3人は砂浜の上でボク達を見ているだけ。
…完全に子供を見守る保護者である。
『あの、ベリアン達は海に入らないの?』
「俺たちは見てるだけで十分だから。ね?」
「…ああ」
せっかく海が有名な街に出かけたのにな〜
まぁ、楽しみはこれだけじゃない。
そう…ベレンさんとデートに行くこと!
これが1番楽しみ。
『どうかなムーちゃん』
「似合ってますよ!」
私が選んだのは真っ白で綺麗なワンピース。
あまり白い服は着たことないけど、ムーちゃんが似合ってるって言ってくれるなら…大丈夫だと思う。
『それじゃ、ムーちゃんはベリアンとシロさんと一緒に買い出しだっけ?行ってらっしゃい』
「はい!行ってきます主様!」
待ち合わせの噴水の前に行くとベレンさんが先に待っていた。
『ごめんなさいベレンさん…その、待たせてしまって…』
「いやいや、俺もさっきついたところだから」
噴水を離れ、ヴェリスの街を歩き始めた。
水路の近くに行くと、魚がたくさんいた。
『お魚、いっぱいです…!』
水路は海と繋がっているため、魚が入ってくることもあるそうだ。
「ふふっ、ほんとだね」
数分水路の近くを歩いてから、 違う方向へ歩き出した。
「主様、お腹空いたかな?」
『うん…まぁ、確かに』
「それじゃ…お店行こっか」
そう言って着いたのは、なんか高級そうなお店だった。
どうやらそこはシーフードパスタ専門店らしい。
店内に入ると、南国のような店の雰囲気で貴族もちょこちょこいた。
「主様はどれが食べたい?」
美味しそうなシーフードパスタがたくさんメニューに書かれている。
どれも美味しそうで、出来れば全部食べてみたいのだが…そんなに大食いじゃないから…偶然目に止まった貝がたくさん使われたシーフードパスタを選んだ。
『これが1番美味しそうです』
「それ美味しそうだなって思ってたんだ。俺もそれ頼むよ」
数分後…。
テーブルの上には美味しそうなシーフードパスタが2つ。
『お、美味しそう…』
「ふふっ、食べよっか」
食べると濃厚なクリームの味が口いっぱいに広がり、貝の味があとからじわじわきてとても美味しい。
『すごい…美味しい!』
夢中で食べた。
ロノの作る料理には敵わないが、それでも美味しい。
「主様、口にクリームがついてるよ」
そう言うと、ペロッとクリームを舐めとられた。
『べ、ベレンさん!?』
目の前のベレンはにこにこと微笑んでいる。
少しずれてたらキスしちゃったかもしれないのに…。
楽しい時間はすぎ、あっという間に夜になった。
今は波の音が聞こえる砂浜を歩いている。
『夜のヴェリスも綺麗だな〜』
星が輝いて、太陽で照らされた海とはまた違った輝きを見せてくれる。
「うん、ほんとに綺麗だよね」
少し歩くと、灯台にたどり着いた。
「主様、ちょっと失礼するね」
そう言うと、私の目をベレンの大きな手で覆ってきた。
ほんのりといい匂いがして落ち着く。
「はい、目を開けて」
目を開けると、ベレンが私の前で跪いていた。
そして…綺麗な指輪が箱の中から覗かせていた。
「主様…俺と結婚前提で付き合ってくれる?」
え、結婚、前提…?
『ええええええ!?!?!?』
「え、まさかのそんな反応?」
だって、だって…こんなの…嬉しいじゃないですか…。
『いいんですか?こんな…元天使でも…』
「そんな過去のことなんてどうでもいいよ。俺は今のナナちゃんを愛したい」
そう言われた時、思った。
堕天してよかったって。
悪魔執事の主の役目、放棄してよかったって。
辛いことがたくさんあったから、大きな幸せにたどり着けたんだ。
『ベレンさん、っ…ありがとう、ございますっ…よろしく、お願いします』
「うん、こちらこそよろしくね」
海の輝きが増した気がした。
次の日。
「おはようナナちゃん」
耳元の囁きで飛び起きた。
『な、なななななんですか!?』
「大丈夫?ナナちゃんこんなんじゃ毎朝耐えられないよ?」
え、この囁きを…毎朝?
『うそですよね?』
「ほんとだよ」
これが…夫婦なんですか?
夫婦って…毎朝甘い囁きで起こされるんですか…?
「あ、朝ごはん出来てるよ」
テントを開けると、いつものみんなが朝ごはんを食べていた。
「おはようございますナナ様」
「…起きたか。ナナ」
「おはようございます!ナナ様!」
これからも、みんなと一緒に旅をする。
天使が現れたらみんなで倒す。
どうせ知能天使は悪魔執事が倒してくれるから、 自由に旅ができる。
『今日はどこの街に行こうかな〜』
「僕ここに行ってみたいです!」
「それじゃ、そこに行ってみようか」
みんなで支度をして出発した。
「あ、そうだ主様」
ベレンさんが振り返った。
『なんですかベレンさ…』
キスをされたと気づいたのはそう遅くなかった。
「忘れものだよ」
旅はまだまだ続く気がした。
ℰ𝒩𝒟…