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晴天の青い空桜が舞う高校の入学式
【里津】「やっべ…すげえ緊張する」
初めての教室の空気はざわざわしていた。俺は最後ぐらいに来ていたので理解が出来ず周りを見渡していた。
教室の真ん中には一人の男が拳を握って立っていた。その男の前には、チャラそうな男が怯えながら床に尻をついている。
廊下には人で埋まっていて外に出ようにも到底出れない。
そんな中遠くから先生らしき声が聞こえる。
【先生】「生徒の皆さんどいてください!通らせて〜!」
本当に先生なのだろうかと考え込んでしまうぐらい若い女性の先生が通る。
きっと、俺の初恋はこの人だったと思う。
だが、先生は男の腕を引っ張りながら何処かへ行く。
(あれ…そっちって職員室の方向じゃないはずじゃ…)
行かないほうがいいのだろうが、自分の気持には逆らえず思わず付いてってしまう。
付いて行った先には、国語資料室だった。ドア越しに聞こえるのは、「怒鳴り声」でもなく「喋り声」でもない「喘ぎ声」だった。
【先生】「あんっ♡あ…いいわ/////♡気持ちいのぉ、もっと突いて♡」
俺の初恋はこんなに早く終わるものだったのか…。絶望に浸りながら教室に戻ると何もなかったかのような雰囲気で大まかグループができていた。
【里津】(はぁっ…こんなに疲れるなんて聞いてねぇよ…精神的ダメージがデカすぎる)
【?】「お〜い、大丈夫か?」
顔を上げると目の前には数人の男が群がっていた。
【里津】「え…?あ…あぁ、大丈夫だ(初恋の人が先生でしかも速攻失恋したなんて到底言えねえな…)」
【優】「そうか、それは良かった!自己紹介するな、俺は雪城 優(ゆきしろ ゆう)よろしくな!」
【里津】「俺は、星羅 里津(せいら りつ)」
コミュニケーション能力が高すぎるし、何故か優には光が見えてくっそ眩しい。
【優】「お前、失恋したみてえな顔してたな(笑)」
軽々と人の肩に手を乗せられるほどの距離感で羨ましいが、自分の頭の中にはまだ先生ととある一人の男がいた。
【里津】「あのさ…さっきの男って誰かわかるか?」
【優】「里津って変なやつに興味持つのな…アイツは天樹 龍星(あまぎ りゅうせい)だよ」
彼の名前を聞いて心がモヤッとし始めた。
【里津】「りゅ…うせい…か。」
【優】「なんだ?知り合いか?」
【里津】「いや、別になんでもねえよ」
『龍星』名前を頭でリピートするたびにモヤモヤが増す。
ガラッ(扉を開ける音)
【優】「噂をすればだな」
クラス中の目線が男に移る、そんな中でも男は席に座る。
【里津】(おい…嘘だろ…よりにもよってコイツの隣かよ!)
【龍星】「・・・・。」
【優】「里津…頑張れよ」
【里津】「ふざっけんな!」
優の手は肩から離れ俺の席から人が離れていく。
【里津】(気まず…)
キーンコーンカーンコーン
【先生】「このクラスの担任になりました、滝 一香(たき いちか)です」
【里津】(うっわ…また、気まずいじゃん)
龍星は先生から目をそらしている様子で窓の外を眺めていた。
授業が始まると、龍星は寝始めてそれ以降ピクリとも動かない。
【先生】「じゃあこの問題を龍星!」
【里津】(指されとるやん…)
【龍星】「すやすや…」
隣の席だから起こさないわけにもいかず、おずおずと起こす。
【里津】「おい、指されてるぞ」
【龍星】「ん…どれ…」
【里津】「これを前の黒板に書いてこい」
【龍星】「ん〜…おけ」
流星は眠そうながらも黒板に回答を書いて無事正解した。
そして授業が終わり彼が近づく。
【龍星】「君、さっきはありがとう」
【里津】「お…おう」
【龍星】「これ、チョコだけどお礼ね」
【里津】「あ…ありがとう」
そのまま彼は教室を出ていった。なぜだろう…。
彼からもらったチョコは凄く甘い気がした…。
この気持ちはなんだろう…。
俺は何回恋をするのだろうか…。