テラーノベル
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初めまして ゆお と申します
まだテラーノベル初心者で初めて書くのでお手柔らかにお願いします🔰
今回のメインはらっだぁです
⚠️グロ・暴力・罵声・病み・出血・軍パロ
などの表現あり
地雷の方は回れ右
次からは注意喚起がございませんのでよろしくお願いします
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◇第1章:いらない子
雨が降っていた。
小さなアパートの屋根を打つ水音は、まるで世界が泣いているみたいだった。
「……うるさいって言ってんでしょ!!」
怒鳴り声と共に、乾いた音が響く。
頬に受けた平手打ちの衝撃で、らっだぁは床に倒れこんだ。
細い体に、母親の怒りはあまりにも重すぎた。
「アンタのせいで、あたしはこんな人生なのよ……! 結婚だって仕事だって、全部ダメになった! わかってんの!?」
らっだぁは何も言わなかった。言えなかった。
ただ、痛いよりも、冷たいよりも、胸の奥がズキズキしてた。
「ごめん……なさい……」
その言葉が出ると同時に、母親の目がますます冷たくなった。
「謝るなら産まれてこなきゃよかったのよ」
その一言は、皮膚ではなく、心臓に刺さった。
何度も何度も、繰り返されるこの言葉。
彼の中に、“自分がここにいてはいけない”という考えが根付くのは当然だった。
夜になると、母親は帰ってこないことが多かった。
真っ暗な部屋の中で、らっだぁは冷蔵庫の中の何もない棚を見つめていた。
パンの端っこ。水道水。
それだけで何日もやり過ごしてきた。
だけど、今日は何もなかった。
お腹がぎゅうっと鳴っても、泣く気力も出なかった。
「お母さん……おなかすいたよ……」
それでも、返事はない。
誰も来ない。誰もいない。
それはある春の日だった。
らっだぁが学校から帰ると、部屋の中はがらんとしていた。
テレビも、机も、母親の化粧品も、ゴミの溜まり場もなにもなかった。
壁に貼ってあったカレンダーにだけ、ペンで一言書かれていた。
「もうお前いらないから」
その瞬間、胸の中が空っぽになった。
涙も出なかった。怖さもなかった。
ただ、「あぁ、これで本当に独りになったんだな」と、理解だけがあった。
数日はなんとか生きた。
拾ったパンのかけら。
誰かが公園に捨てたおにぎり。
でも、子供の体には限界が早すぎた。
やがて、倒れた。
薄暗い裏通り、ゴミ袋の隙間で、目の焦点は合わなくなっていく。
身体は冷たくて、痛くて、飢えて、どこかが裂けそうだった。
「……ああ、俺、もう……いいかな……」
そのとき、視界の端に黒い軍服が見えた。
「おい……おいっ! ちびっこ!? おいっ、しっかりしろ!」
かすれた声が聞こえた。誰かが自分を抱き上げる感覚。
あたたかい手。ひさしぶりの体温。
それが、“軍”との出会いだった。
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ゆっくりと公開していきます✋
また
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