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〜*Hina*〜
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#ご本人様には関係ありません
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「……ん、……ふわぁ。……って、えっ!?」なつが飛び起きて時計を見ると、そこには絶望的な数字が並んでいた。
いつもならとっくに家を出ている時間。完全に寝坊だ。
「おい、いるま! 起きろ! 遅刻だぞ! 会議だぞ!」
「……ん……。あと五分……なつ、あったかい……」
「あったかいじゃねーよ! 部長が遅刻してどうすんだ!」
なつが無理やり引き剥がすと、いるまはようやく状況を把握し、一瞬で「仕事モード」の冷徹な目に戻った。
「……なるほど。よし、なつ。落ち着け」
「落ち着けるかよ! 今すぐ出ても30分は遅れるぞ!」
すると、いるまは枕元のスマホを手に取り、迷いなく社内のグループチャットにメッセージを打ち込んだ。
【いるま部長:本日、瀬名と私は外出先での直行案件が入った。10時まで連絡がつかないが、定例会議は11時にスライドしろ。以上。】
「……え、ちょっと待て! 直行案件なんて聞いてないぞ!」
「今作った。これが部長の『特権』だ。……これで、あと一時間はゆっくり朝飯を食えるな」
「……お前、公私混同も大概にしろよ……っ!」
10時半。二人は何食わぬ顔で別々にオフィスに入った。
けれど、席に着いた途端、同期の佐藤がなつのデスクにすっ飛んできた。
「おい暇! お前、部長と直行だったのか? 珍しいな、どこのクライアントだよ」
「えっ、あ……いや、それは……守秘義務っていうか……」
なつが冷や汗を流しながら誤魔化していると、部長席からいるまが厳しい声で割って入った。
「佐藤。私語を慎め。……暇、例の案件の報告書、早めにまとめておけよ」
「……は、はい。承知いたしました、部長」
(よし、これで乗り切れる……!)
なつが胸を撫で下ろした、その時だった。
「……あれ? 部長、そのネクタイ。……暇が昨日してたやつと、色も柄も全く同じじゃないですか?」
「えっ」
鋭い後輩社員の指摘に、オフィスが凍りつく。
慌てて確認すると、寝ぼけて準備したせいで、いるまがなつの予備のネクタイを間違えて締めてきてしまっていたのだ。
「……あ、これは……流行りの柄だからな。……偶然だ」
「えー、でもその独特な刺繍、限定品じゃなかったっけ……?」
いるまの頬がピクッと引き攣る。
なつは顔面蒼白になりながら、必死にキーボードを叩くふりをして視線を逸らした。
(……バカ! 詰めが甘すぎるだろ、この部長……!!)
「……佐藤。仕事に戻れ。……さもないと、君にも『直行案件』を大量に発注することになるぞ」
「ひっ……! す、すみません!」
いるまの強引な(脅迫に近い)フォローでその場は収まったけれど、周りの社員たちは「……怪しい」とヒソヒソ。
なつは、デスクの下で自分の膝を握りしめながら、「もう二度と寝坊なんてさせるか!」と固く心に誓うのだった。
コメント
1件
ああ、もうこの回めっちゃ好きだわ! いるまの「直行案件」って嘘の作り方が部長の特権すぎて笑ったし、でも肝心のネクタイでバレそうになるところがだめすぎてかわいい(笑)。佐藤の「そのネクタイ、暇さんと同じじゃないですか?」って鋭いツッコミで凍りつく2人の空気、想像しただけで腹筋やばい。なつの「もう二度と寝坊なんてさせるか!」って心の叫びにも全力で共感した。次回も楽しみにしてるぞ🔥