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少女の小柄な体を抱きしめて、襲いかかってくる凶暴な野犬に背を向ける。


鋭い牙に噛まれる痛みを想像して、ギュウッと力いっぱい瞼を閉じたとき、ベロニカの名を呼ぶ声が聞こえた。


「ローズ!!」


耳に馴染んだ低い声。


……まさか。


驚いて瞼を持ち上げると同時に、「ぐっ!」というアダムのくぐもった声がする。


そっと背後を見ると、野犬とベロニカたちの間に立ちはだかるように広い背中があった。


揺れる漆黒の髪と、奥で倒れている野犬がベロニカに視界に入る。


(公爵……助けに来てくれたの?)


リアを抱きしめながら呆然としていると、振り返った深紅の瞳と目が合った。


「二人とも無事か!?」


「は、はい」


どうにか頷いて答える。


だがそのとき、視界の端****************************

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王女様と体が入れ替わったので侍女の私が冷徹公爵の妻になります

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