それからというものヒズミちゃんの能力は色んな人をヒズミちゃんの絵に閉じ込めた。
だけどある日。
急にヒズミちゃんの能力は解けた。
だが閉じ込められた人たちは冷たくなって天の世界に逝ってしまった。
私はヒズミちゃんの家に走った。
ヒズミちゃんはこんなことするような子じゃない。
そんな酷い子じゃない。
私はヒズミちゃんに会ってまず言った。
「 久しぶりだね…ヒズミちゃん。 」
目の前にいるヒズミちゃんは長かった髪もバッサリと切られていてやけど跡もなくなっていて雰囲気も全く違った。
私はそんなヒズミちゃんにそう挨拶するだけに留めた。
だけどあまりイマイチピンと来ていない様な様子だった。
「 …お姉さん…だれ? 」
だれって…ずっと一緒に居たじゃない…
あれは…幻だったの?
まさかそんなはずない。
私が何かを忘れる訳が無い。
…. 忘れられる訳が無いのに。
「 ま、黛マユミだよ…?ヒズミちゃん…わすれちゃったの…? 」
「 …俺、梶本ヒズっていうんだけど…お姉さんなんか人違いじゃないの? 」
一人称も雰囲気もなにもかも。
なにもかも違う。
そう…
そこにはもう樫原ヒズミはいなかった。
「 ……絵は…絵は書いてるの? 」
私はヒズミちゃんの絵が大好きだった。
例えそれが人の命を奪った絵だとしても。
「 うーん。やっぱお姉さん、人違いだよ。俺、絵とか書かないし…あ、でもデザイナーだよ? 」
「 …絵…絵画は…? 」
「 してないよ~。俺絵描くの苦手だし。裁縫は得意だけど! 」
……私の大好きなヒズミちゃんはもういない。
もう居なくなっちゃったんだ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!