コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その日は、学校が終わった後、友達と別れた私は一人でコンビニに寄ることにした。冷たい飲み物が欲しかったし、ちょっとしたお菓子も買おうかなって気分だったからだ。
店内をぶらぶら歩いていると、ふとレジの近くで目に入ったものがあった。それは、広瀬先輩が持っていたバッグに付いているキャラクターだった。
「あれ…?」思わず声を出してしまいそうになった。だって、バッグに付いているそのキャラクターは、私が大好きなトラのキャラクターだった。丸くて、可愛くて、ほんとに癒されるデザイン。
そのキャラクターは、私の持っているグッズでもあるから、思わずじーっと見てしまった。トラのキャラクターがついているバッグなんて、広瀬先輩らしくないなと思って、ちょっと驚きだった。
でも、なんだかその可愛さに惹かれて、思わず声をかけてしまった。
「あ、先輩、それ好きなんですか?」私は遠慮しながら、声をかけた。
広瀬先輩は、レジの近くで買い物をしている最中だったけど、私の声に気づいて少し振り返った。
「え…?」広瀬先輩が少し驚いた様子で返す。
「そのキャラクター…私も好きなんです!あのトラの、丸い感じが可愛いですよね。」私は興奮気味に話す。
広瀬先輩はすぐにレジのお金を出し始めて、何も言わずにバッグを持ち直した。
「会計するからまた。」と、なんだか冷たく言って、すぐに会計を済ませ始めた。
「あ、あれ? そうなんですね…」
…いや冷たっ。あの冷たさ!氷より極めて冷たい!
でも、そのまま先輩は会計を済ませて、さっと袋を手に取った。そして、何も言わずにそのままレジを離れようとした。
「え、もう行っちゃうんですか…?」と私はつい声を出してしまった。
「悪いけど急いでるから。」広瀬先輩が何気なく答えると、急にスピードを上げて歩き出した。…
はやっ。分速200メートルぐらいで走ってんじゃないの?距離が遠くなる
「えぇ…」私は思わず呆然としながら、その背中を見送った。
なんだか、あんなに無理に会話を避けられたような気がして、ちょっとがっかりしてしまった。せっかく好きなキャラクターについて話せるチャンスだと思ったのに、先輩はどうしても避けたかったのか…。いや、そもそも好きじゃないのかも??
でも、その後も頭の中でずっとそのトラのキャラクターが浮かんできて、私はなんだか不思議な気持ちになった。広瀬先輩は一体どーしちゃったんだろう。私なんかしたかなぁ?キャラのやつ聞いただけなんだけど!。