桜が舞うこの季節
俺は3年間通った高校を今日卒業する。
ずっとあなたに認知されたくて本当はダメな
制服を着崩してみたり、ネックレスをつけたり
それも今日で最後だから今日くらい許してくれるかな…?
廊下ですれ違うたびに香水をつけてるのが
バレて放課後呼び出されて怒られたりしたよね
まぁそれも今日で最後なんだけど、、、
きっと人気者のあなたは今頃沢山の生徒に
囲まれて別れを惜しまれてるんだろうな
宮「あっ、渡辺くん、ちょうど良かった扉開けてくれる?ニコッ」
渡「宮舘先生…荷物えぐいね」
宮「ふふっ、皆んな最後だからってお世話になりましたって沢山くれたんだよ」
渡「ふーん、、」
宮「それで、渡辺くんはどうしたの?」
渡「先生、好きです」
宮「…ありがと」
渡「今日だけはありがとうとか無しで先生の意見聞かせてよ…最後じゃん…」
先生は少し困った顔をしていつものように優しく微笑んでこちらを見つめた。
宮「最後だからって……制服着崩すのダメだよ、あとピアスと香水ね?…ダメでしょ?ニコッ」
渡「……最後なのに、」
宮「うん、ごめんね、先生は生徒を正しい道に戻すのが先生だから…ごめんね、」
渡「……わかった、、」
そう、これでいいだからもうこれ以上踏み込まないで?
正しい道に乗って、前を向いて進んでくれるかな…、、、
宮舘side
新学期が始まってからいつも俺のいる準備室に
遊びに来て、よく放課後わからないっていう
問題を教えたっけね、
でも知ってるんだよ?君が本当は家庭科得意なこと、、わざとテスト間違えて俺のところに来て
「問題教えて」「ここわかんない」って聞きに来てくれるのすごく嬉しかったな…
でもいつからだったけ、君の目に引き込まれるようになったのは…
渡「ねぇ、宮舘先生」
宮「なぁに?問題まだわかんない?」
渡「うん、わかんない先生の気持ちが」
宮「……だから、それは、」
渡「わかってる、先生の事困らせてしまってるのも…でも好き。」
宮「君は学生で、俺は先生なの…だから、ね」
渡「…それでも俺は宮舘先生の事が好き、大好きだから」
それが彼が初めて俺に想いを伝えてくれた
夏休み補講期間の午後のことだった。
それから毎日俺のいる準備室に来ては毎回
俺に対して愛の言葉を言っては振られてまた
懲りずに言っては振られての繰り返し。
そして今日、卒業式の日
いつもとは違う真剣な表情で彼が口を動かす
渡「好きです。あなたの…宮舘先生の気持ちを聞かせてください」
正直気持ちが揺らがなかったことはない。
だって、彼のまっすぐな気持ちはいつの間にか
俺の心の中に入り込んできて気がついたら…
俺も彼のことが好きになっていた。
宮「……制服着崩すのダメだって、言ったよね、…香水も、ピアスも…」
嘘。
本当は好きだったよ、きっと俺に覚えてもらう為につけていたんだよね香水…、、
柑橘系の香りなんだけどさっぱりしていて本当彼にぴったりの香水
香水の香りがしたら来る合図だったから凄い
好きだった
渡「どうしてもダメなの、?」
宮「…生徒と先生だからね、」
渡「わかった、…でも、諦めたわけじゃないから」
宮「えっ、ちょっ、渡辺くん⁇⁈」
渡「だから、それまで待ってて!」
そう言い残してその場を去っていってしまった
それから長い年月が経って彼と再会する機会が訪れた。
それは学校の行事で卒業生を招いて学園祭を行うというものだった。
家庭科は特にすることがなく毎年教室に篭りっぱなしだ
宮「うーん、今年も終わるまでゆっくりしてようかな…」
コンコンッ
宮「ん、?はーい、!」
渡「…久しぶり、」
宮「えっ、渡辺くん⁇⁈」
渡「大学生になった俺どう?結構かっこよくない?」
宮「…成長したねぇ、…!」
あの頃とは違って見た目はチャラいんだけど
どこか大人の雰囲気が漂っていて、きっと
老若男女問わず虜にしていきそうな見た目で、
思わず心の奥が締め付けられる。
渡「てか、先生少し縮んだ?」
宮「縮んでない!渡辺くんが大きくなったんでしょうが!笑」
渡「ふはっ、そっか笑」
宮「…学園祭回らなくて良かったの?」
渡「宮舘先生以外興味ないから」
宮「…また、そんなこと言って…っ、」
渡「逃げないで?…俺のこと見てよ」
宮「やっ、待って、」
壁に押し寄せられて気がついたら壁ドンの
体制になって身動きが取れなくなる。
渡「俺はこの数年間ずっと宮舘先生の事忘れてないし、毎日好きが増すばかりだった…」
宮「っ、…!」
渡「先生は?俺の事嫌い?」
宮「でもっ、」
渡「もう先生と生徒じゃないよ?」
宮「……!」
渡「俺の事1人の男として見てよ」
宮「っ、………好き、っ、」
渡「…!」
宮「…初めて、告白してくれた時からずっと、ずっと好き、大好きだよっ、!」
渡「せんせっ、」
宮「涼太…涼太って呼んでよ」
渡「っ、…涼太っ、‼︎」
宮「ふふっ、はい、」
渡「俺と付き合ってください!」
宮「こちらこそ、お願いしますっ、!」
君とようやく結ばれたのは
放課後の夕焼けが差し込む家庭科室。
end
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