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⚠️Attention⚠️
・政治的意図、戦争賛美は一切ございません
・多少のカプ表現が含まれます
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ぽつり。イギリスのスーツにひとつの雨粒が落ちた。ついでフランスのベレー帽を2滴目の雨粒が濡らす。ふたつの雨粒を皮切りに雨は降りそそぎ始め、次第に街全体を濡らしていった。
彼らは急いで近くの建物へ入ろうとした。しかし、今日はあいにく休業日だったようだ。ヴィクトリア様式の扉には、”closed”と書かれた看板がかかっている。2カ国はほぼ同時にため息をついた。
「…仕方ないし、軒下で雨宿りしよう」
フランスの言葉に、イギリスは頷いて同意の旨を伝えた。壁に寄りかかるフランスとは対照的に、イギリスは姿勢を崩すことなく立っている。軒下にはただ雨音だけが響いており、静寂が漂っていた。
その雨音に、イギリスの柔和な声が重なった。
「…雨が止みませんね。」
その言葉にフランスは目をぱちくりとさせると、口元に弧を描いた。
「あぁ、暖かいね」
今度はイギリスが、フランスの言葉に目をぱちくりとさせた。しかし先ほどのフランスとは違い、イギリスはそっぽを向いた。よく見ると、頬が桜色に染まっている。
「………私は寒いです」
「ふはっ(笑)」
吹き出したフランスを咎めるように、イギリスは言った。
「笑わないでくださいよ!…人がせっかく勇気出して言ったというのに……」
フランスはごめんごめんと軽く謝ると、拗ねる恋人を抱きしめた。イギリスもそれに応じ、控えめに恋人の背中へ手をまわす。
雨だって、案外悪くないかもしれない。
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「解説」
日本ならではの遠回しな表現って素敵ですよね。ということで今回は、それを随所に散りばめました。「雨が止みませんね」という台詞は、降水日数の多いイギリスにぴったりだと思いましてね。
・雨が止みませんね
貴方ともっと一緒にいたい
・暖かいですね
貴方の隣にいられて幸せです
・寒いですね
手を繋ぎたい、抱きしめてほしい
「雨だって、案外悪くないかもしれない」というのは、2人のうちどっちのお気持ちなんでしょうね?もしくはどっちも?なんて。