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ひなの
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#死ネタ
いゆ
1
カランコロン
扉を押して、兄貴が出てくる。
保「兄貴」
一「えっ、宗四郎…」
僕が声をかけると、兄貴が目を見開いた。
久しぶりに見たな。兄貴が目開いてるとこ。
一「…なんでここおるんや」
保「そら、あの人と兄貴がどっか行くの見たら、なんかあるんやろなって思うやろ」
一「見とったんかいな…」
兄貴はバツが悪そうに頭の後ろをかく。
保「何喋ったったんや」
一「あー……一旦家帰ろ。な?」
あからさますぎるやろ。兄貴こんな分かりやすかったっけ。
保「…分かった」
しゃーなしで家帰る。さっさと聞きたいねんけどなー
保「ほな、何喋ったか、言うてもらおか」
僕は、テーブルを挟んで向かいあった兄貴にそう言った。
一「いやー…言うたあかん言われとってな…」
あの兄貴が珍しく歯切れが悪い。
保「なんで。なんで僕には言うたらあかんの」
一「なんか、自分で言いたいらしいねん。宗四郎に」
保「…僕に、自分から…?あの人が…?」
よっぽどの事やん。あんな感じの人が自分から言いたいて。
一「そう。やから、俺はなんも言われへん」
…じゃあ、待つしかないやん。
一「…そんな顔すんな。すぐ言うてくるよ」
保「…ほんまに?」
一「ほんまや」
…兄貴が言うなら、ほんまか。でも……
一「…宗四郎?」
っ!…そや、兄貴がおる。ここで考えたら兄貴に心配される。
保「…僕、部屋おるな」
一「…分かった」
……あんな感じの雰囲気の人、なんか中学校にもおった気がすんねんなー流石に他人の空似やと思うけど…
コンコン
保「っ!? 」
一「…宗四郎?」
はぁ〜兄貴か。なんやめっちゃびっくりしてもうたわ。
保「どうしたん兄貴」
一「…ちょっと入ってええか?」
保「……まあ、別にええけど」
ガチャ
一「宗四郎、無理してるやろ」
開口一番、兄貴はそう言うた。
保「え、別に無理なんかしてへんけど」
一「いや、してる。お前、自分で気付いてへんだけや」
…そうなんか?僕、無理してるんか…?
保「…僕が、何無理することがあるん」
一「そら、なr…いや、あの子の事や」
兄貴、今名前言いかけた。…なんで兄貴には名前教えてるんや。僕にも教えてくれたってええやん
一「…多分、宗四郎は、隠し事されたらストレス溜まるんやと思う。やから、最近イライラする事、多いんや」
…確かに、最近よくイライラするわ
けど、それがストレスの、しかもあの人のせいな訳ないやろ
一「……宗四郎。俺は、お前が楽しく生活送れてるんやったら、それでええんや。けど、無理して虚勢はる必要ないからな」
保「…別に僕無理してへんって。っていうか、兄貴がそんな本気で心配してきたら、なんか調子狂うわ」笑
僕がそう言うと、兄貴は諦めたような、それでいて、どこか悲しそうな笑みを浮かべて、僕をそっと抱きしめた。
保「…っ!」
いつもは暑いとかキモいとかしか思わんのに、何故か今はめちゃくちゃ安心する。
僕の目尻から、涙が一粒こぼれる。
保「…っ、兄貴…」泣
コメント
5件

読ませていただきました。保科って何か辛い事があっても溜め込んでしまうタイプですよね。宗一郎の優しさが染みますね。続きも読ませていただきます!
読み終わったよ……。宗四郎、無理してるのバレバレで、でも本人が気づいてないの、すごくリアルで切なかった。兄貴が「そんな顔すんな」って言ったあと、ちゃんと部屋まで来て抱きしめてくれるの、最高の兄ちゃんだね。涙こぼれた場面、こっちもじーんときた。続きが気になる……あの人が自分から何を言うのか、待つしかない宗四郎の気持ち、すごくわかるよ。🤍