テラーノベル
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13
2,238
翠玲
2,128
**99%
数字が表示された。
その瞬間。
世界が静止したように見えた。
誰も喋らない。
誰も動かない。
未来管理室に響いているのは、未来の少女のすすり泣きだけだった。
🦈「……」
こさめは何も言えなかった。
思い出してしまったから。
全部ではない。
でも。
一番大切な部分を。
未来を守るために。
自分が選んだこと。
すちを守るために。
らんを守るために。
世界を守るために。
自分から未来へ飛び込んだこと。
🍵「ごめん」
すちがまた言った。
🍵「俺が失敗したから」
その言葉に。
何かが切れた。
🦈「違う」
自分でも驚くほどはっきりした声だった。
全員がこちらを見る。
こさめは涙を拭う。
そして。
ゆっくり首を振った。
🦈「違うよ」
すちが固まる。
🦈「こさめが選んだ」
静かな声。
だけど。
迷いはなかった。
🦈「だから」
🦈「すちのせいじゃない」
三千年前。
自分が言えなかった言葉。
きっと今まで一度も伝えられなかった言葉。
🍵「……」
すちの瞳が揺れる。
そのまま俯く。
肩が震えている。
泣いているのかもしれない。
でも顔は見えなかった。
らんが苦笑した。
🌸「ほらな」
誰に向けた言葉なのか。
たぶんすちにだ。
🌸「だから言ったのに」
🍵「……」
🌸「こさめは怒らないって」
すちは何も答えない。
ただ小さく笑った。
本当に小さく。
その時だった。
ゴゴゴゴゴ……
施設全体が揺れる。
今までで一番大きな揺れ。
壁に亀裂が走る。
天井から光が降る。
館内放送が悲鳴のように鳴り響いた。
『警告』
『警告』
『封印対象A-000001』
『完全覚醒開始』
全員の顔色が変わる。
未来の少女が息を呑んだ。
🦈「始まったの‥?」
誰も聞き返さない。
分かっていた。
あと1%。
その最後の封印が崩れ始めている。
『残り時間』
『十二時間』
半分になっていた。
未来の帰還が加速している。
過去が舌打ちする。
過去「間に合わないか」
🌸「まだだ」
らんが即座に返した。
🌸「まだ終わってない」
過去「終わってないけど時間がないんだろ」
過去「最後の記憶を開け」
こさめを見る。
過去「未来消失事件の最終記録だ」
白い空間で見た扉。
【未来消失事件 最終記録】
あの向こうに。
全部ある。
未来「だめ」
未来の少女が震える声で言った。
全員が振り返る。
未来は青ざめていた。
未来「見ちゃだめ」
🦈「未来?」
未来「お願い」
少女は泣きそうだった。
未来「思い出したら」
声が震える。
未来「こさめ、また同じことする」
静寂。
その言葉の意味を。
全員が理解した。
未来は知っている。
三千年前のこさめを。
誰よりも。
だからこそ分かる。
全部思い出したら。
こさめはまた自分を犠牲にするかもしれない。
🦈「……」
こさめは未来を見る。
泣きそうな顔。
怯えた顔。
ずっと一人だった子。
守ると約束した相手。
その時。
また記憶が流れ込んだ。
今度は小さな記憶だった。
未来『約束して』
未来が言う。
🦈『なに?』
過去のこさめが笑う。
未来『消えないで』
静寂。
未来の瞳が震えている。
未来『一人にしないで』
過去のこさめは少し困った顔をした。
そして。
優しく頭を撫でる。
🦈『約束する』
記憶が終わる。
こさめは目を閉じた。
胸が痛い。
三千年前。
自分は約束を破った。
未来を一人にした。
だから。
この子は今も怖いのだ。
また同じになるのが。
その時。
未来管理室の奥。
砕けた鏡の跡地に。
青い扉が現れた。
白い空間で見たものと同じ。
巨大な扉。
そこには文字。
**【未来消失事件 最終記録】
誰も動かない。
扉だけが静かに光っている。
そして。
その表面に新しい文字が浮かび上がった。
**【閲覧条件達成】
**【未来管理者認証完了】
ゆっくりと。
扉が開き始める。
ギィ……
眩しい光。
そして。
その向こうから聞こえてきた。
懐かしい声。
優しい声。
少しだけ困ったような声。
🦈『もしここまで来たなら』
全員が息を呑む。
その声は。
過去のこさめだった。
🦈『たぶん俺は、最後の嘘をまだ話してない』
静寂。
らんの目が見開かれる。
すちも顔を上げる。
先生ですら表情を変えた。
なぜなら。
その言葉は。
誰も知らない内容だったから。
そして。
過去のこさめの声は続く。
🦈『未来を隠した理由は、未来を守るためじゃない』
その瞬間。
全員が凍りついた。
🦈『本当の理由は――』
そこで記録が途切れた。
まるで。
続きを見たければ。
扉の向こうへ来いと誘うように。
お久しぶりです☆
コメント
2件
お久しぶりです〜!!! そろそろクライマックスですね✨ なんで瑞ちゃんは未来を隠したんだ、、? 続き楽しみにしてます!