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コメント
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素晴らしいですわ…! わたくし伊王独ってあまり読んだことありませんの! けれど、そんなわたくしでもとても興奮してしまいましたわ!素晴らしいものをありがとうございます!続きを待っておりますわ〜! そして、お時間がありましたらナチ日帝を書いてほしいです!わたくしの最推しCPですので! 長文で申し訳ございません💦
ふふふふふふふ… 癖です、もう全てがすっごく癖です。想像しただけでもう鼻血がだらだらです。特になちさん、酔ってしまって「ん……」とか言っちゃうの最高に萌えです、ギャップですね愛してます。続き、めっちゃくちゃ楽しみです…!
なち君も人なのですね。いえ、人ではないのですが。残虐で酷い独裁をする彼ですが、覚悟していたはずの批判に一瞬たじろぎ、突然の誘拐には困惑して対処できず。人間らしい一面です。まだ1歳ですからね。 あんな重々しい空気の中、お手洗いついて行くように声をあげたイタリー。「たとえ世界を敵に回しても、君を愛してる」を実行しましたよ。ヘラヘラしている割に愛が重い。当時世界トップであったであろう米英仏を軽く躱すとは、それも自分のために。こんなんされたら、なち君も惚れてしまいます。 ピストルのくだり、なんだか可愛らしいです。小2男児がしそうなやりとり。 イタリーはお上手なのですね。舌だけでなち君があんなことに……
キャラメルマキアート様からのリクエスト。
イタリア王国✕ナチスドイツで共依存
──ガタンッ……
思ったよりも、大きな音が鳴った。
63対の瞳が、驚いたようにこちらに向けられる。
もう、止まることなどできやしないのだ。
椅子を蹴って立ち上がったナチスは、ジュネーヴ軍縮会議──またの名を、国際連盟一般軍備制限会議に集まった国々の顔を見渡した。
そして、深く息を吸い込み、高らかに言い放つ。
「我々は──国際連盟を脱退する」
ピリッ……空気が一瞬にして張り詰めた。
主催者であるアメリカは、厳しい視線を投げかけてくる。
ドイツに多額の賠償を求めたイギリスは、ピクリと片眉を上げた。
先の大戦で殺し合ったフランスは、怯えたように瞳を揺らす。
全世界の全面軍縮を提案し、仲裁を図りつつも英仏に却下されていたソビエトは、深く嘆息した。
そして──イタリア王国は、ふっと微笑む。
「一般軍縮は国際連盟の義務であるはずだ。
であれば問おう。一体この中に、その義務を果たしている国がいくつあるのだろうか?
……どうやら、我々”だけ”が軍縮を強いられているようにお見受けするのだが」
そう、ナチスが国連を脱退したのは、敗戦国のみが再軍備を制限されているという不平等な状況によるものだった。
彼はロカルノ条約の交渉以来、何度も軍備平等権を主張していたが、一向に受け入れられなかったのである。
「もしもこのまま、軍備縮小に向けた取り組みが行われないならば、国際連盟はその意義を果たしていないと言えるだろう」
こうして、ナチスは賭けに出た。
「そんな国際組織に、価値はあるまい」
──国際連盟を抜けてしまおう、と。
「おいおいおい……お前はまた、アンシュルスでもするつもりなのか? 」
「違う。私は断じて侵略戦争を始める気はない。
これは、軍縮がきちんと行われていないことに対しての抗議だ」
口元は弧を描いているが、目は笑っていないアメリカが声を上げた。
無責任なヒーロー気取りが。
ナチスは、内心で歯噛みした。
国際連盟を作ったきり加盟せず、軍縮会議を開いたきり根本解決しようとしない。
挙句の果てに世界恐慌なんて起こしやがって、おかげでうちは欧州の病人だ。
嗚呼……無責任極まりない、叩き潰してやりたい。
「おや、心外な。私だって歩み寄ろうとしているのに」
「……何を言う。貴殿の反対意見が、常に会議を滞らせているのだぞ」
ひそかに拳を固めたナチスの耳に、今度はイギリスの声が届いた。
利己的な紳士気取りが。
ナチスが最も嫌悪しているのは、この男だろう。
ハイパーインフレに喘ぐ彼に、容赦なく多額の賠償金をふっかけたのは、紛れもなくイギリスだ。
「もう忘れちゃったの?……先の大戦を」
「はっ、忘れたのは貴殿では? 国際連盟規約第8条で、各国は軍備縮小が規定されているはずだが……おかしいな、未だ貴殿の軍歌が聴こえる」
責めるような響きを持つフランスの言葉を、ナチスは鼻で笑って一蹴した。
自己中な被害者気取りが。
米英の仲介をも跳ね除け、報復だと言わんばかりに、徹底的に追い込んできたのは記憶に新しい。
確かにプロイセンは、独仏戦争で調子に乗りすぎた。 確かにドイツ帝国は、第一次で彼の領土に攻め込んだ。
屈辱を味あわせたドイツ家に対して、復讐したい気持ちも分かる。
それでも、限度があるだろう?
賠償金と戦力放棄を押し付けておきながら、フランス自身はのうのうと軍縮の義務を逃れている。
それに腹が立つのだ、何よりも。
ピリつく会議をなだめるように、アメリカが再び声を上げた。
「まあまあ…早まるなよ!落ち着けって…もう少し話し合いを──」
「断る。国連脱退は決定事項だ」
ドンッ、拳で机を叩くと、周辺国がビクッと肩を揺らした。
その様子に、ナチスは自嘲的な笑みを浮かべる。
これで私も、正真正銘のヴィランだな、と。
しかし問題はあるまい。
歴史とは、勝者の、勝者による、勝者のためのストーリーだ。
勝てば官軍、負ければ賊軍──ならば、勝って官軍に成り上がるのみ。
「ははは、まぁ分かっていたことです。貴方との歩み寄りなぞ不可能だ、とね」
「君には失望したよ。せっかく僕らの連盟に入れてやったばかりなのに……」
「やはりお前とは、いつまでたっても相容れないな」
英仏ソの言葉が、矢のように突き刺さる。
国際連盟を抜ければ、国際社会から相当な批判を受けるとは覚悟していたものの、想像よりもずっと堪えるものがある。
「……ッ…」
ナチスは思わず、一瞬だけ顔を歪めてしまった。
が、すぐさま取り繕うと、くるりと踵を返した。
「それでは、失礼する」
1933年10月。
こうして、ナチスドイツは国際連盟を脱退した ──のだが。
「──待って、俺も行く!」
部屋を後にしようとしたナチスに、突如として明るい声がかかった。
カタン、と椅子を引く音がして、ナチスはピタリと足を止める。
「「「「イタリー!?」」」」
「会議とか嫌いなんだよねぇ。ちょうどいいし、ナチとここでおいとまするね!」
ヒラヒラと手を振りながら、薄っぺらい笑みを浮かべたイタリア王国が、あろうことかナチスに賛同したのである。
国々が驚愕の声を上げたのも、無理はあるまい。
「HAHAHA, イタリー、面白いジョークだな」
「そう?なら、君を笑顔にできて良かった♡」
アメリカの皮肉も、イタリア王国には通じない。
ばちこーん☆とウィンクしたイタリア王国に、アメリカはピキリとこめかみを震わせた。
「……待ちなさい、本気ですか?」
「ごめんね?寂しくさせるつもりはなかったんだけど……」
慌てたイギリスが、笑みを消した。
そんな彼の威圧も、イタリア王国にとっては痛くも痒くもないようだ。
「ふざけんなよイタリーっ!その行動が意味すること、お前は理解してるのかっ……!?」
「そんなにピリピリしないでよ〜可愛い顔が台無しだよ?」
サラリと躱すイタリア王国に、フランスがブチギレた。
しかし、激怒する彼を、イタリア王国は意にも介さない。
「ナチ、行こっか!」
「は?……え?は?」
「それじゃあ皆、Ciao, ciao〜!」
硬直するナチスの腰に手を回し、イタリア王国は彼をエスコートして部屋を出ていく。
突然のことに目を白黒させるナチスの背後で、パタン、と扉が閉められた。
「おい!まて!こら!聞いているのか!」
「うん、どうしたの?」
相変わらず腰を抱かれたまま、ナチスはイタリア王国と半強制的に歩かされていた。
足が長く、歩幅の大きいイタリア王国は、ナチスを抱えてズンズン進んでしまう。
「どうしたの、じゃないっ!貴方はこのことが何を意味するか分かっているのか!?」
「俺とナチの仲良しっぷりを見せつけられたんじゃない?」
「馬鹿が!そもそも仲良しなんかじゃない!」
何かと言い寄ってくるイタリア王国を、ナチスは常々、変な奴だとは思っていたのだが。
突拍子もない今日の彼の振る舞いに、ナチスは一言言ってやらねばと息巻いていた。
「貴方は全世界を敵に回したのだぞ!?これからどうするつもりなんだ!」
「心配してくれるの?Grazie♡愛してる♡」
「しかも何だあれは! かわいい顔が台無しとか……さらに印象を悪くしてっ!」
国連本部の建物を出て、停めてあった彼の愛車──赤のアルファロメオのドアを開くイタリア王国。
「なぜ私についてきた!?わざわざ自分から火の中に飛び込むなんて馬鹿なのか!?」
「はいどうぞ、Bella ♡」
「話を聞けっ!──は?」
助手席にナチスを恭しく乗せたイタリア王国は、自身は運転席に乗り込むとエンジンをかけた。
「は?……え?いや待て、ちょっと待て!」
「うん、どうしたの?」
「なぜ私は貴方の車に乗っているんだ……?」
ナチスは、あまりにも手際が良いイタリア王国によって、きゃんきゃんと喚いている間に、いつの間にか車に乗せられていたのである。
「何でって、好きだから?」
「は?いや、降ろしてくれ。私は一人で帰る」
「ん〜?」
ブロロロ……エンジンがかかり、イタリア王国はアクセルを踏み込んだ。
車は勢いよく本部を飛び出して、町中を軽快に走り始める。
「うわぁぁぁぁぁぁああああっ!?!?待て!ど、どこに行くんだっ!?」
「俺の家! 二人で仲良く親睦を深めよう?」
ニコッと微笑むイタリア王国の隣で、真っ青になって顔を引きつらせるナチス。
「け、結構だっ……!」
「結構?良かった!」
「馬鹿!違う!行かない!降ろしてくれ!」
「嬉しいな♡いつか、ナチと二人っきりで過ごしたいと思ってたんだよね♡」
絶妙に噛み合わない二人の会話である。
「降ろせ!さもなくば撃つ!」
「わぁ。ピストル危ないよ?」
「危ないのは当たり前だ!武器だからな!」
業を煮やしたナチスは、懐から取り出した拳銃を、運転中のイタリア王国に突きつける。
が、イタリア王国はパチパチと目を瞬かせるのみである。
発砲寸前のナチスはしかし、イタリア王国の次の一言で、ピタリと動きを止めた。
「今、アマローネがあるんだけど」
「……………それを早く言え」
アマローネ──それは、世界中のワイン愛好家が愛してやまないイタリアの最高級赤ワインである。
無類の酒好きであるナチスは、ゆっくりと、ピストルを懐にしまい込んだ。
チョロいな〜と思いつつも、イタリア王国はニンマリと微笑む。
「ふふ、楽しみだね、ナチ♡」
やがてたどり着いたのは、ヴィラ・カルペーナ。
イタリア北東部エミリア・ロマーニャ州にある、イタリア王国の邸宅である。
「脱退記念に、乾杯!」
「ちっ、乾杯……」
「舌打ちも可愛い♡」
チリン、二人のグラスが音を立てた。
ソファに並んで座る二人は、実に対照的である。
「……男が可愛いわけなかろう、ふざけたことを仰らないで頂きたい」
「え〜?可愛いのに♡」
イタリア王国はナチスを前にして満面の笑みだが、ナチスは苦虫を噛み潰したような表情だ。
酒に釣られて来たものの、よりにもよってイタリア王国の家に招かれることになるとは……という複雑な心境なのである。
苛立ちを抑えるように、ナチスはグッとワインを飲み込んだ。
「ぷはっ!あー……第一!貴方には責任感が足りなさすぎる!」
「責任感?」
「誰彼かまわず可愛いだの愛してるだの……そ、そういうのは!真に愛する者に伝えるべきだ!」
「うん、だからそうしてるんだけど」
アルコールが血を巡る感覚。
こくこくと葡萄酒を喉に流し込むと、ナチスは頬を緩める。
(それにしても美味い酒だな……)
妖艶な香りとビロードのような質感、そしてチョコレートを思わせる苦みに、ナチスはひそかに感動していた。
が、それを悟られぬよう、説教を続ける。
「責任感といえば、今日の会議も!突然、席を立つなんてどうかしている!」
「そう?俺はナチと一緒なら何でもいいからね。しかも元々、国連なんかに期待してないし」
「そういう問題じゃない!貴方ならもっと上手く立ち回れたはずだ……私なんかを追わずに」
もどかしさを紛らわすためか、ナチスのペースはどんどん上がっていく。
ふわふわと雲に浮かぶような快い酔いに、ナチスは身を任せていった。
しばらくして。
「ぅ…どうせわたしは……じゃまものなんだ…」
そう、困ったことにナチスは酒癖が悪い。
ひくひくとしゃくりあげるナチスは、悪酔いしてしまい、持ち前の泣き上戸を披露している。
「なんで、わたしについてきた……?」
「なんでって、好きだから」
「わたしはぁっ……きらわれてるのに…ッ」
「そんなことないよ、ナチ」
べそべそと泣くナチスを、イタリア王国はそっと抱き寄せた。
酒が回った素直な彼は、イタリア王国の肩に顔を埋めて、涙に頬を濡らす。
「ねぇ、ナチ。俺ね、君のこと大好きだよ。
内心は俺のこと先輩先輩って慕ってるのに、意地っ張りだからツンツンしちゃう君が、背伸びして孤立しちゃう君が、それでもなお俺を気にかけてくれる君が、可愛くてたまらない」
ああ、あと酔っ払うと一層可愛いところも、とイタリア王国はナチスの頭を撫でてやる。
普段ならば直ぐさま、気色悪い触るな!と牙を向くはずのナチスだが、今の彼はただされるがままであった。
「ナチ、愛してる。 もっと深い仲になろうよ」
「……?」
「ふふ、お酒まわっちゃった?」
イタリア王国は、ナチスの頬を両手で包み込む。
アルコールでグズグズに溶けたナチスは、不思議そうに目を瞬くが、何の抵抗も示さない。
イタリア王国は、ナチスが酒に弱いことを知りながら、彼に強い酒を飲ませたのだ。
「俺たち、お似合いじゃない?仲間外れ同士、上手くやっていけそうでしょう?」
「うまく……」
「ね、お互いの唯一無二になろう?」
とろんとしたナチスの瞳に、イタリア王国の昏い微笑が映っている。
甘いテノールボイスの囁きに、ナチスの脳は更に溶かされていく。
「おいで、ナチ」
「ん……」
頭が働かないナチスが、促されるままにイタリア王国にすり寄った。
笑みを深めたイタリア王国は、ぽやぽやとしたナチスを抱き上げる。
ぽすん……
「ふふ、かわいー♡」
姫抱きされたナチスは、その後すぐに柔らかいベッドに押し倒されていた。
歪んだ笑みを隠しもせずに、イタリア王国は片手でタイを緩め、ナチスの上に乗り上げる。
ギシ…とベッドが二人分の体重で沈み込んだ。
「これからさ、お互いを知って、お互いだけを見て、お互いだけを愛そうよ」
「…?」
「俺はずっと、君だけを愛してる。君と出会った時から、ずっと」
うっそりと笑うイタリア王国の目には、愛を煮詰めて濃縮したような、重い想いが蠢いていた。
そんな彼は──ナチスの小さな口に、噛みつくようなキスをした。
「ん……?──んっ!?」
途端、驚愕に目を見開いたナチス。
どうやら酔いが冷めたらしい、もっと強力な酒を盛るべきだったか、と思うイタリア王国。
「んッ…ん〜っ!ふ、ぅ……んんッ…」
ナチスは何とか抵抗を試みて、イタリア王国の厚い胸板をぐいぐいと押し返すが、キスと酒で力が抜けた体では抗いきれないようだ。
「ん、ふッ…ちゅ…ん…?」
ナチスの意識はふわふわと宙に浮き始めた。
あったかい、やわらかい、何だかきもちがいい。
「ふぁ…はぁ…♡ん……♡」
酸素不足で、視界が朦朧とする。
どろどろと絡みつくような朱と翠のオッドアイが、ナチスを捕らえて離さない。
「ふ…ぁ…は…ッ♡はぁっ♡」
「甘っ……♡」
やがて、ようやく解放されたナチスは、肩で呼吸を整える。
一方、ぺろりと唇をなめたイタリア王国は、その甘美な接吻に酔いしれていた。
酒のせいか、体質のせいか、それとも愛のせいか、ナチスの唾液はすこぶる甘かった。
「な、なに、するんだ……っ?」
「ん〜?きもちいこと♡」
「は?ちょ、おい!待て脱がすなっ!」
「ナチは可愛く啼いてるだけでいいからね♡」
軍服のボタンを素早く外されて、ベルトを緩めてズボンを脱がされると、流石のナチスも慌て始める。
身を捩って逃げようとするが、イタリア王国に乗り上げられていて逃走は不可能だった。
「しょ、正気か……?やめろピザ野郎!」
「ピッツァなんね」
「そんなの知るかっ!やめ──ぁッ♡」
あっという間に服を脱がされて、小さな胸の突起に吸い付かれると、堪らずナチスは嬌声を上げた。
「声かわいー♡」
「や、やめろっ♡んぁッ♡ひッ♡なめるなッ♡」
ころころと舌で転がしてやると、ナチスはびくびくと体を揺らした。
自身の口から漏れる吐息に驚きを隠せず、慌てて口を手で押さえている。
「んッ♡……あぅ!?♡」
イタリア王国は、ナチスの首筋や胸元、鎖骨などに噛みついた。
痛みに喘ぐナチスだが、その後なだめるように噛み跡を舐められて、甘い吐息を漏らす。
ナチスのすべやかな肌に鬱血痕が散り、イタリア王国は満足げに微笑んだ。
「声、我慢しないで?」
「ふ…ッ♡ふぅッ…♡ゃッ♡」
「あ、でも我慢してる顔も唆るな〜♡」
口を両手で必死に押さえ、目を潤ませてイタリア王国を睨みつけるナチス。
荒い呼吸と紅潮した頬、そして葛藤と情欲に揺れる瞳は、何とも背徳感を掻き立てる。
「はぁ♡はッ♡──うぁっ!?」
「甘〜い♡ナチって全身甘いよね♡」
上機嫌なイタリア王国は、自身の長い舌をナチスの全身に這わせる。
首や頬、腹をなぞって、時折キスを落として。
「あはっ♡う〜♡くしゅぐったッ♡ぁ、ひッ♡」
身を捩り、涙を浮かべて笑うナチス。
快感は我慢していたけれど、擽ったさには耐えきれず、声を上げている。
こちょこちょされているようなこそばゆい刺激に、ナチスは体をくねらせた──そして。
「あはっ♡あはははっ♡──んぁッ!?♡」
いつの間にか、イタリア王国の顔が、自身の足と足の間に埋まっている。
男ならば、触れられるとすぐ腰抜けになる秘部を舐められて、ナチスは目を見開いた。
「やッ♡やめろっ!んんッ♡きたないからッ…♡」
「綺麗だよ?」
「ばかっ!ほんとにっ……くッ♡」
イタリア王国を制止しようとして、ナチスは慌てて上体を起こす。
が、イタリア王国の愛撫が気持ち良すぎて、体に力が入らない。
「あッ♡ひぁッ♡や、やめッ……♡ん〜っ♡♡」
既に緩く立ち上がっていた陰茎に、イタリア王国の長い舌が這う。
未知の快感に、ナチスはイヤイヤと首を振りながら涙をこぼした。
「たのむっ……んッ♡やめて、くれっ……ぁッ♡」
「やーだよ♡あむっ♡」
「──ああぁッ!?♡♡待っ、ぁあッ♡やぁッ♡」
ナチスを追い詰めるように、イタリア王国は彼の陰茎をぱくっと咥えこんだ。
温かく柔らかい口内で敏感なところを嬲られて、ナチスは快感に腰を浮かした。
「ひもひいい?」
「んッ♡そこでしゃべるなっ♡ぁあッ♡」
イタリア王国が、裏筋をぢぢ…と舐めてやると、ナチスはかくかくと腰を揺らす。
声を抑える余裕もないのか、彼はただ、腕で顔を隠すのみだった。
「んッ♡くぅッ……でるっ♡でるからっ♡」
迫り上がる絶頂感に、勘弁してくれと、ナチスはイタリア王国の頭を押す。
が、はたから見れば、自分のものに彼の顔を押しつけているようにしか見えない。
「はな、せっ…でるっ♡やめッ♡♡♡」
しかし、必死のナチスの抵抗もむなしく。
イタリア王国にちろちろと鈴口を舐められてしまい、ナチスはふるりと大きく震えた──そして。
「くぅッ…♡」
ナチスの頭の中が、真っ白になった。
「んぁあぁぁッッッ♡♡♡」
気持ち良い、気持ちいい、きもちいい…
気持ち良くて何も考えられない。
「はーっ♡はぁっ♡♡はッ…♡」
快感でパチパチする視界の中で、イタリア王国の喉仏がこくんと上下した。
此奴め、飲んだのか、と働かない頭の片隅で、ナチスはぼんやりと考える。
「Grazie per il pasto♡」
ぺろりと舌なめずりしてそう言われると、ナチスは羞恥で居た堪れなくなった。
せめてもの抗議に、むすっと唇を引き結び、シーツに包まって顔を隠す。
「きもちよかった?」
「……」
「ふふ、へそまげちゃって可愛い♡」
嗚呼、気持ちよかったとも。
普段の作業のような性処理なんかよりも、ずっとずっと。
可愛いだの綺麗だの褒められて、悪い気はしなかったのもまた事実。
(……………悪く、なかった)
まるで宝物に触れるような丁寧な愛撫も、優しい接吻も──なにより、”愛してる”と訴えかけるその眼差しも。
全部、心地よくて。
ようやく、満たされた気がして。
孤立した自分を、彼なら受け止めてくれる、そんな気がして。
嗚呼、認めよう。
彼にはきっと、叶わない。
「Ich liebe dich, Nazi♡」
ちゅ、と落とされる優しい接吻を、ナチスは素直に受け入れた。
続く
うーん、スランプ……
なかなか書けない日々が続く今日このごろ。
拙文でごめん遊ばせ……
書きたいことがまとまらず、八千字を超えたので一旦区切りますわ。
来週、続きを出しますわよ。