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↑主人公の桃音姫(左
山々に囲まれ、霊峰・富士の麓の甲斐国。これはそんな国で起きた、身分違いの哀しい愛の物語。
甲斐国、椿山城
その一室にわたし――圓はいた。
開け放たれた戸から風が吹き込む
白い”なにか”が風にのってやってきた
生まれたときから身体の弱いわたしは、季節が巡っていることにも気がついていなかった
「さくら?」
布団の中で呟けば、そっとこたえる声があった
「ええ、庭の桜はとても見事ですよ」
兄・信昭の小姓、輝王丸だ
柔らかなその声が心地いい
「輝王丸、桜が見たい」
小さな、でもはっきりとそう言うと輝王丸は突然立ち上がった
「どこへ、いくの?」
「姫様の乳母を呼んで参ります」
「輝王丸がいい
一緒に見てほしい」
仕方なさそうに笑って、わたしの手を取る
「ゆっくりですよ?
倒れられたら困りますから、ね?」
こくり、と頷けば、優しく微笑む
「どうですか?」
「きれい…
ありがとう、輝王丸」
風が吹いて、桜の花びらが散る
それは桃音姫と輝王丸の運命を暗示しているようだった
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はじめまして、はるかです
ここまで読んでくれてありがとうっ
私は戦国が大好きです
皆さんはどうですかね?
甲斐国は今の山梨県です
それではここらへんで…
あ、フォロー、おねがいしますね
それでは、また次回お会いしましょう