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ゆらね🎼🍵🍍🌸
424
4 Start
ザーーーーッ……!!!
「うわっ……すごい雨……」
夕方。
なつたち友達4人が買い出しに出かけている間、すちはコンビニの帰りに突然のゲリラ豪雨に見舞われ、小さな軒下で雨宿りをしていた。
ビニール袋を抱え、寒さに体を小さく縮める。正体不明のストーカー『らん』からの手紙のせいで、ただでさえハラハラと怯えているのに、冷たい雨のせいで余計に心細くなってしまう。
「……あの、よかったら。これ、使いますか?」
ふっと、すちの頭上に大きな黒い傘が差し出された。
驚いて顔を上げると、そこには眼鏡をかけた、物静かで知性的な雰囲気のイケメンが、優しく微笑みながら立っていた。
自分より背の低い、170cmほどのその男は、自分の肩が雨で濡れるのも気にせず、すちに傘を差し伸べてくれている。
「えっ……あ、でも、申し訳ないです……」
「いいんですよ。僕もそこのマンションの住民ですから。近くの人同士、助け合いましょう」
男の爽やかで完璧なエスコートに、ピュアなすちは1ミリの疑いも持たず、「ありがとうございます……!」とホッとして傘に入れてもらった。
1つの傘の下。
175cmのすちと、170cmくらいの男と肩が時折ふわりと触れ合う。
「最近、この辺り不審者が出るみたいですから、気をつけてくださいね」
「えっ……あ、はい……そうなんです……」
らんが親身になって心配してくれる言葉に、すちは「優しい人だなぁ、かっこいいなぁ……」と、胸のハラハラが少しだけ和らぐのを感じていた。
やがて、二人はすちのアパートの前に辿り着いた。
「ここまで送っていただいて、本当にありがとうございました!」
すちが丁寧にお辞儀をして、エントランスに入ろうとした、その時だった。
男がすっとすちの至近距離まで詰め寄り、すちの耳元に綺麗な顔を近づけた。
冷たい雨の匂いと、男の甘い体温が、すちの肌をかすめる。
「……手紙の返事、待ってるよ。……すち」
「え……?」
すちの思考が完全にフリーズした。
今、この人は何て言った? 自分の名前を……手紙の返事って……。
すちがガタガタと全身の血の気が引いていくのを感じながら、ゆっくりと振り返る。
らんは、暗闇の中で瞳をドロドロとした歪な執着でギラギラに輝かせ、怯えるすちを見つめて、パチッと極上に甘いウインクを返した。
「じゃあね。また明日」
らんはそう言い残すと、美しい笑みを浮かべたまま、雨の街へと静かに消え去っていった。
「っ、あ……あ、あああ……っ!!!」
すちは恐怖とパニックでその場にへたり込み、スマホを震える手で握りしめた。
あの親切な隣人が、ストーカーの『らん』だったのだ。
『すち!!! 今戻ったぞ!!』
そこへ、大きな荷物を持ったいるま、なつ、みこと、こさめの4人が、遠くからすちを見つけて全力で走ってきた。
「いるまちゃん……みんなぁぁぁ!!! さっき、さっき隣の人が、らんが……っ!!!😭」
すちは4人の胸に飛び込み、涙目でハラハラとガタガタ震えながら叫ぶ。
4人は「なんだって!? そいつがストーカーか!?」と、すちを守るために周囲を血眼で睨みつけるが、らんの影はもうどこにもない。
正体が分かったからこそ、より一層深まるらんの狂気的な包囲網に、すちのハラハラ新生活はさらに大変なことになっていくのだった。
4 終
次回♥️380💬1
コメント
7件
なんかどんどん距離が近くなってて もうストーカーどころじゃなくなってきそう...
うわ…第4話、読んだよ…🥀 傘を差し出してくれた優しい隣人が、まさかの“らん”本人だったっていう展開、背筋が凍った…。雨の冷たさと、耳元で囁かれる甘い声の温度差が、逆に恐怖を引き立ててて。すちが一瞬「いい人だな」って安心したからこそ、あのラストの豹変がめちゃくちゃ効いてる。 正体がバレた今、ますます逃げ場がなくなる感じがして、続きが気になる…。ゆらねさんの描く“優しい悪魔”の狂気、好きです。