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###番犬くんと優等生###
<第十三章> 新たなルールの宣告
“調教室の悪夢”
龍崎から新たな「ルール」を宣告され、それに頷くしかできなかった春夜は、その後、用意された食事を無言で口にした。味など分からなかった。ただ、胃を満たすための行為だ。食事を終えると、龍崎は春夜に立ち上がるよう促し、流風が彼の固定された手首をそっと掴んだ。
二人に挟まれる形で、春夜は別の部屋へと連れて行かれた。廊下を進むにつれて、春夜の心臓は嫌な予感を察知し、ドクドクと不規則に脈打つ。やがて、龍崎が重厚な扉を開けた。
「さあ、春夜君。こちらへどうぞ。これから、あなたの『治療』を始めましょう」
龍崎の声は、まるで医者が患者に語りかけるかのように、冷静で、しかし春夜には凍りつくほど冷たく響いた。
春夜が足を踏み入れたその部屋は、まるで病院の一室のようだった。真っ白な壁、無機質な照明、そして金属製の台や棚が並んでいる。清潔すぎるほどのその空間は、春夜がこれまで見てきたどの部屋とも異質な雰囲気を放っていた。
不思議に思いながらも、春夜の視線は部屋に置かれた道具へと向けられた。ガラスケースの中に、そして壁にかけられたフックには、見たこともないような、しかし用途が直感的に理解できる道具がずらりと並んでいた。金属製の器具、革製のベルト、様々な形の棒状の物体、ジェルや液体が入った瓶……。一瞥しただけでも、軽く100種類はあっただろうか。それらのすべてが、春夜を辱め、快楽の淵に堕とすための道具だと、言われなくても分かった。
(……これ、で……?)
春夜の全身に、再び恐怖の波が押し寄せた。これから自分が経験させられるであろう、想像を絶する屈辱。逃げなければ。そう思った瞬間、春夜の身体が反射的に動こうとした。
その時だった。
背後から、フワリ、と柔らかい布が春夜の顔を覆った。視界が、一瞬にして暗闇に包まれる。
「……っ!」
春夜は咄嗟に抵抗しようと身を捩るが、その瞬間に脳裏に響いたのは、つい先ほど龍崎が言い渡した『ルール』の言葉だった。
「ルールを、もしあなたが守らなかった場合……お仕置きをします」
「お仕置き」という言葉の重みが、春夜の身体の動きをピタリと止めた。抵抗すれば、もっと酷いことになる。あの計り知れない恐怖と屈辱を味わうくらいなら、従うしかない。春夜は、悔しさで歯を食いしばり、必死に震えを堪えた。
「大丈夫だよ、春夜くん。痛いことはしないからね」
流風の甘く囁くような声が、春夜の耳元で響いた。その声に誘導されるように、流風が春夜の手を引き、部屋の中央へと歩かせる。やがて、冷たい金属の感触と共に、春夜は椅子の様なものに座らされた。
ドスン、と座ると同時に、春夜を座らせた椅子が、ギィィ……と機械的な音を立てて動き始めた。椅子はゆっくりと傾き、春夜の身体を後方に倒していく。そして、彼の両足が持ち上がり、股が大きく開かれ、完全に晒されるような形になった。目隠しをされた暗闇の中で、春夜は自分の身体が今、どんな無防備な状態に置かれているのかを想像し、絶望に打ちひしがれた。
春夜は、ただ息を呑むしかなかった。これから始まるであろう、新たな調教への恐怖が、春夜の心を支配していた。
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