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ru「じゃあ、koだけ借りてくね~」
ku「reち、今日は大丈夫そうなの?」
re「今日は…大丈夫」
yu「MRI結構うるさかったでしょ?」
re「なんか工事してるみたいやった」
ku「ww」
ーーーー
ni「こんな感じなんだけど…」
ko「やっぱり相貌失認とは違いますよね?」
ni「そうだねー…同じようなところに異常はありそうだけど、どちらかというと淡顔症候群の方が近いかな」
ko「淡顔症候群…?初めて聞きました」
ni「結構マイナーなやつだからね~」
ru「ざっくりした病気の説明としては、”いきなり人の顔が分からなくなる”、事故とか生まれつきじゃない相貌失認って感じかな」
ko「そうなんですね、…これなら前reちが言ってた症状にあてはまるし…間違いない気がします」
ni「淡顔症候群って、時間経過で治るか、もう治らないか、の2択なんだけど…正直、治んない可能性の方がはるかに高い。」
ko「…」
ni「みんな呼ぼっか、ru、呼んできて」
ru「はーい」
ru「yuくーん、reちー、kuー、coー」
ht「あ、coくん今防音室にいるから僕呼んでくるね」
ru「ありがとうー」
ht「coくん?MRI、終わったっぽいから、診察室来てーってruちゃんが」
co「ありがとうhtくん、今行くー…」
ni「おけ、みんな集まったね」
ru「早速reちの病気の名前なんだけど…、”淡顔症候群”だと思うんだよね」
yu「淡顔症候群…?」
ku「聞いたことないな…」
ni「えっとね、事故とか生まれつきじゃない相貌失認、って感じ。いきなり、他の人の顔が分かんなくなる、っていう…」
co「へぇ…?」
re「淡顔症候群…って、治るん…?」
ni「時間経過で治るかもしれないけど、治らない可能性もある。」
ku「なんか…治療とかってないんですか、」
ni「ないんだよね…、相貌失認とは違って、事故で脳が傷ついてこうなってる訳じゃないから…」
yu「っ…、」
co「じゃあ、もしかしたらreさん…」
ru「一生このままかもしれない。」
re「っ、ぇ…?」
ni「あんまりすごい効果はないんだけど、一時的にましになる薬ならある。使っていくうちに体が慣れちゃって効き目が弱くなるやつなんだけど…、処方しとくね、」
ru「まだ、あったほうがましだと思う。」
re「…、」
ni「お大事に、ね」
ru「慣れると思うからそんなに心配しないで大丈夫だよ」
ko「、そうだよ。reち、最近顔みなくても声とか雰囲気で誰が誰なのか分かってきてるでしょ、?」
re「ぅん…」
ni「悪いところを見るんじゃなくて、良いところ伸ばせるようにね」
ru「お大事に、」
…
ru「niくん…、淡顔症候群に治る可能性ってほぼないんだよね…?」
ni「うん…、けど、あのメンバーだよ…?絶対考えすぎる人いるよ…」
ru「っ…それは、そうだけど…」
ni「なんか…ついていい嘘、って思ったんだよね」
ru「…まぁ、そう…か」
ーーーー
ko「reち、この薬飲んでみる…?」
re「…ぅん、」
yu「なんか変わったら教えてね」
re「分かった」
co「僕部屋に居るね」
ku「俺もついていっていい?」
co「え?あー…いいよ」
co部屋
ku「niくんのあの話し方、さ」
co「うん…僕もそれ言おうとしてた」
ku「淡顔症候群…って多分治んない病気だよね?」
co「僕もそうだと思う…kuは淡顔症候群って聞いたことないの?」
ku「聞いたことないんだよね、それが…結構脳外科とかの、その中でもマイナーな病気みたいだよ」
co「そーなんだ…」
reside
30分くらい経って、ふとスマホから目を離したとき、koと目が合った
re「…え?」
ko「、!…どしたの?」(reちと目、合った…?
re「ko…の、顔、見える、!」
ko「え!?すごいんだね、この薬…」
yu「1回飲んだら最低6時間は置くのと、6時間経ってても効果がある場合は使用しちゃダメだって」
ko「ん…?この薬って…」
re「え?、何?」
ko「…いや、なんでもない」
re「そっ、か。夜ご飯くらいまで部屋…居とくな」
ko「おけ~、」
yu「…で。何に気付いたの?」
ko「この薬の袋さー、ぱっと見るとみたことない薬の名前じゃん?」
yu「そうだね、聞いたことない」
ko「まぁ、それは淡顔症候群が知らない病気だったから仕方ないかなーって思ってたんだけど…」
yu「yuさんもそれは一緒だな」
ko「でも、薬の注意書き的になんか聞いたことあるなー、って思ってもっかいちゃんと袋見たらさ…」
yu「うん…?」
ko「この薬の名前って、視覚表象介在作用剤(創作薬)の、名前短縮して、ぱっと見で気付かれないようにしたやつじゃないかな、って」
yu「視覚表象介在作用剤って…あの…?、」
ko「うん、」
yu「幻覚見せてるだけだから…使っていくうちに効果が弱まるって言ってたってこと?」
ko「うん…俺、ずっとそこに引っかかってて」
yu「そうだよね…、yuさんも引っかかってはいたけど…」
ko「またいつか確認しに行く」
yu「そうだねー、いつか行こっか~」
…数日後?
ーーーーiris病院
ko「niくん、reちに処方された薬って、」
ni「やっぱりバレちゃった?」
ko「さすがに…」
ni「俺がreちに処方した薬は、視覚表象介在作用剤。」
ko「ですよね、」
ni「記憶上の画像を脳に結びつけて、見えてるようにする薬。無理やりくっつけるから使いすぎると薬の効きが悪くなる。だから、”使っていくうちに体が慣れちゃって効き目が弱くなるやつ”ってギリ本当のこと言ったんだけど…」
ko「いつかは…効かなくなりますよね」
ni「そう、だね…よくない言い方するとこの薬幻覚みせるやつだから依存性もなくはないし…」
ko「…効かなくなったら、もう治んないんですよね」
ni「治んない、ね。ちゃんと袋の表記守って飲めば依存することはないと思うんだけど…」
ko「この薬って市販されてないですよね?」
ni「市販は…ないはず」
ko「じゃあ俺とyuくんで全力管理できるから、依存はないか…」
ni「そうだね、reちにあの薬持たせなければ依存することはないと思う。…あ、ごめん、急患入っちゃったから、俺そっち行くね。」
ko「あ、うん。ありがと」
ni「じゃ、お大事に」
ーーー
ko「ただいまー」
yu「おかえりー、みんな防音室行ってる」
ko「、…reちの薬さ、やっぱり視覚表象介在作用剤だった」
yu「そっ、か」
ko「でも、俺らで全力で薬管理すれば依存はないみたいだから…」
yu「市販されてるやつ買われたら…?」
ko「市販されてないらしいから、大丈夫だと思う」
……
夜。
reside
キッチンから、包丁の音。
テレビの低い音。
いつもと変わらんはずの空気やのに、reは自分の部屋で、布団に座ったまま動けずにいた。
……まだ、見えてる。
スマホを置いて、ゆっくり顔を上げる。
壁に貼った、家族写真。
ko
yuくん
ku
coくん
——ちゃんと、分かる。
薬、効いてる。
ほっとした瞬間。
胸の奥が、きゅっと縮んだ。
……これ、いつまで…?
ガチャ
yu「reちー、ごはんできたよー」
re「……」
yu「? reち?」
re「……今、行く」
声で分かる。
でも、顔を見るのが、怖い。
…
ダイニング。
ko「お、reち来た」
ku「今日はカレーだよ~」
co「reさん、スプーンここ」
re「……」
一瞬、視界が揺れた。
re(……あれ)
koの顔。
さっきまで、はっきりしてたのに。
……ぼやけて…
re「……っ」
yu「reち?」
re「……ちょっと……」
椅子を引く音。
立ち上がった瞬間、足がふらつく。
ku「reち!?」
re「だ、大丈夫……っ」
でも。
koの顔が、分からない。
yuくんの顔も、kuも、coくんのも。
re「……っ、」
呼吸が浅くなる。
yu「reち、座ろ、ね?」
re「っ……誰……?」
一瞬。
空気が、凍った。
co「……reさん……?」
その声で、coだって分かるのが、余計につらい。
re「……見えへん……」
ku「……え」
re「顔……また……」
ko「……薬、」
yu「……6時間、まだ経ってないよね……?」
ko「……」
re「……嘘……やんな……?」
震える声。
re「……治るかも、って……」
ko「……reち……ごめん」
その一言で、全部察した。
re「……やっぱり………嘘、やったんや……」
reの視界が、歪む。
re「……なんで……」
yu「reち……」
re「……期待、させんといて……」
声が、掠れる。
re「……見える時間、あるなら……ずっと、飲みたくなるやん……」
ko「……それが一番怖かった」
re「……っ」
ku「……reち」
re「……依存、するんやろ……?」
ko「……俺らで、全力で管理する」
re「……自分の目、他人任せにするん……?……それ、怖い……。」
沈黙。
coが、そっと一歩前に出る。
co「……reさん」
re「……」
co「……顔、分かんなくても…僕たち、声あるし……触ったら、分かるし……」
re「……」
co「……一人には、ならないよ」
reの目から、ぽろっと涙が落ちた。
re「……怖い……」
yu「……でも、reちは、reちだよ」
re「……」
yu「見えなくなっても、変わんない。」
ku「俺ら、ずっと一緒だしね~、顔だけが全部じゃないっしょ」
ko「……薬は…、reちが、ほんとにしんどい時だけ使お」
re「……」
ko「それ以外は、俺らで補う」
re「……補える……?」
ko「補える」
即答。
re「……信じて、いい……?」
yu「当たり前でしょ」
co「うん」
ku「もちろん」
re「……」
reは、ゆっくり頷いた。
re「……じゃあ………今日は、もう飲まへん」
ko「……うん」
ku「じゃ、冷める前に食べよ~」
co「reさん、隣座る?」
re「……うん」
顔は、見えない。
でも。
声がある。
温度がある。
距離がある。
re(……これで……いいかも)
不安は、消えない。
でも。
一人じゃない、ってだけで。
少しだけ、呼吸が楽になった。
深夜。
リビングの電気は消えていて、
キッチンの常夜灯だけがぼんやり点いている。
reは、裸足のまま立っていた。
……みんな、寝た
壁に掛かった時計を見る。
0:47。
……まだ、6時間経ってない。
ポケットの中。
小さな、硬い感触。
……でも
……今なら……
薬の袋を、そっと取り出す。
音がしないように、指先で押さえながら。
……ちょっとだけなら……
……顔、見たい……)
koの顔。
yuくんの顔。
kuの顔。
coくんの顔。
……ちゃんと……
指が震える。
……もう一回……
「……reさん?」
re「っ……!」
びくっと肩が跳ねる。
振り向く。
……誰か、いる。
re「……」
声で分かる。
re「……coくん……?」
co「うん。起きた」
coは眠そうに目を擦りながら、壁にもたれていた。
co「水飲みに来た」
re「……」
視線が、reの手元に落ちる。
co「……それ」
re「……っ」
咄嗟に、手を後ろに隠す。
re「……違……」
co「……薬、だよね」
re「……」
co「……隠れて飲もうとしてた?」
re「……」
否定できない。
re「……ごめ……」
co「謝んなくていいよ」
re「……」
coは、ゆっくり近づいてくる。
co「……怖くなった?」
re「……見えんくなんの……」
声が、小さくなる。
re「……一気に、来るやん……」
co「……うん」
re「……昼間は、平気なふりできても………夜になると……」
co「……分かる」
re「………ちょっとだけなら………誰にも、バレへんって……バレずに、みんなの顔、ちゃんと見れる、って…」
co「……」
coは、reの前に立って、しゃがんだ。
co「……reさん」
re「……」
co「僕、聴覚過敏あるの、隠してたでしょ」
re「……うん」
co「『これくらいなら平気』って、ずっと思ってた。でもさ、一人で我慢してると、どっかで壊れる」
re「……」
co「reさんも、今それ」
re「……」
reの手から、薬の袋が滑り落ちる。
床に、かすかな音。
re「……飲みたかった……」
co「うん」
re「……でも…………飲み続けたら……」
co「……戻れなくなる」
re「……」
reは、しゃがみ込む。
re「……怖い……」
co「……僕、ここにいるよ」
re「……」
co「今日は、飲まないって決めたんでしょ」
re「………決めた……」
co「じゃ、それでいい」
re「……」
coは、薬の袋を拾って、そっとreの前に置く。
co「……自分で、koに渡そ」
re「……一緒に……?」
co「もちろん」
re「……」
reは、小さく頷いた。
re「……ありがとう……」
co「どういたしまして」
少し間を置いて。
co「……あ、あとさ」
re「……?」
co「見えなくても、僕が声、出せば分かるでしょ?」
re「………coくん」
co「うん」
coは、少し笑った。
その頃。
自室のドアの前。
koは、立ち止まっていた。
ko(……今の声……)
小さく、ため息。
ko(……やっぱり……)
廊下の奥で、reとcoが並んで歩いてくる気配。
ko(……間に合った、か)
ーーー
co「薬は…朝、渡そ」
re(頷く
co「それまで、僕が持っとくね」
ーーー
朝。
やっぱ怒られるって体が思ってるからかベッドから起きれへん…いつぶりやろ。起きれへんの。
でもやっぱ行かな…
…
何分か奮闘したら、ギリやったけど起きれた。koのとこ行こ…
~リビング~
re「ko…おはよ、」
ko「reち、…おはよ」
co「僕は…?」
re「え?あぁ、coくん、おはよ~」
co「おはよ~」
re「coくん…薬、頂戴」
co「はい、」
re「ko…、」
ko「なに?」
re「これ…っ、昨日…、の夜、勝手に、飲もうとしちゃっ、て…」
ko「うん。」
re「ごめんなさい…」
ko「…いいよ。これからは絶対にしないでね」
re「ゎかった…」