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パタリ、と本を閉じ伸びをしてそばに置いてある冷めきった紅茶を飲む。

先ほどまで読んでいた本を片手にちらりと時計を見れば既に月が1番高いところに登る頃で。

早く寝ないとまた怒られちゃうな…とか考えながらもその椅子から立って動くつもりは微塵も無かった。

〈王国伝記〉

そんな馬鹿げたタイトルをしたこの国の伝書。

今の王の過去や、その親たちの過去までなんでも書いてある分厚く嘘じみた本。

そんな本をなぜ読んでいたかって?

そんなの、なんとなくに決まってる。

なんとなく、本棚を整理していたら目についたから。

ただ、それだけ


この馬鹿げた本を読みながらああ懐かしいな、とか元気にしてるかな、とか思い出に老けてたらだんだん会いたいと思った。

…そんなこと叶わないのに。



私はとある国の王様。

数年前にお父様から王位を受け取り次の王様として国を守らないといけなくなった身。

妹がいたけど、お母様の国で王様としてやっているらしい。

妹がこの国の王様になればよかったのに、

ずっとそう思っている。

私なんて……、

私なんかが…王様でいいんだろうか

自分に与えられた仕事以外は全て家臣であるみんながやってくれる。

別に頼んだわけでもそういう風にやれって言われているわけでも無いのにそんなことをやってくれるみんなを見てると、より思ってしまう。


…この書類以外に私の価値を測るものはあるんだろうか。


自分の机に置かれた紙切れを眺める。

王様にしか与えられてないハンコを押して、サインをして。

たったそれだけの仕事。

書類確認も次の会議のための書類も全部自分じゃなくても出来る仕事。

だからみんながやる

本当に私が王様でいいのかな?

みんなの仕事を奪ってまでも仕事するべき?

……分かんないよ

お父様はこんな気持ちで仕事をしてなかった 。

忙しいけどとても楽しいって言ってた。

でも実際は?

…もう考えるのはやめよう。

寝て忘れよう

もう一度時計を見てみれば先ほど確認した時から30分ほどしか変わらずこういう時だけ時間がゆっくりに感じるのなんでだろうなと呑気なことを考えながら布団に入る。

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最近王様の様子がおかしい…気がする。

ほんの少し、ほんの少しだけ違和感を感じる。

ただ、何に対してなのかは全く分からない。

なんと言うか…前よりも目が疲れたように見える…?

疲れているように見えたから仕事をこちらに回しているのになんでだろう。

まさか食生活?

それとも…徹夜?

何が原因なんだろう

ともかく、書類の次は食生活を見直してみよう。

第一、王様はちゃんと朝ごはんを食べているのだろうか

いつも朝のうちから仕事を始めちゃうし…部屋には入るなって言われてるし…

本当にどうしちゃったんだろ…心配だな……

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次回「会議、決意」

王様になれない王様

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