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「あ、王様!おはようございます」
「うん、おはよう」
「あの、!朝ごはん…部屋に置いときましょうか?」
「…ううん、大丈夫。食堂で食べるよ」
「そう、ですか…よかった……」
土曜の早朝。
こんなに早い時間から王様は起きてるんだ…
いつも昼以降にしか見たことのなかった王様に少し新鮮味を感じる。
でもやっぱりどこか疲れたように見える。
まさか徹夜明け?
今日の会議は自分たちで回せるようにして王様の負担を減らさなきゃ…
みんなに伝えとこう。
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「あ!王様だ!おはようございます!」
「本当だ!おはようございます!!」
「2人ともおはよう」
「今日の朝ごはんは野菜スープと自家製パンですよ!」
「パンがふわふわでとても美味しいんです」
「そっかそれは楽しみだな」
食堂の掃除をしてたら王様が入ってきてびっくりした。
いつもは部屋に居る時間帯なはずなのに珍しいね、とらめると一緒にこそこそと話しながら朝ごはんを用意して机に並べる。
「いただきます」
ゆっくりだけど着実に食べ進めて行く王様を横目に食器の片付けをする。
またお皿割らないようにしないと…
「…あ、」
パリンッ
「あ、」
「ど、どどどどうしよ、!!」
「どうかしたの?……ああなるほど」
後に気がついて厨房に入ってきた王様が全てを察したのか頷いた後、2人は下がっててと言って破片の片付けを始めてしまった。
「お、王様!私たちがやりますから、!」
「せっかく綺麗な手に破片が刺さったら大変ですよ!!」
「いいの、いいの。そんな綺麗な手でもないし、危ないから」
「で、でも…」
「じゃあ…破片が入れれそうな袋持ってきてくれるかな」
「わ、分かりました!」
ちらりと王様が座っていたテーブルを見ると、まだ半分ほど残ったスープとパンがあった。
「王様片付けは私たちでやるのでご飯食べてて下さい!!」
「もう少しで終わるから、ね?」
「うう…」
これは何を言っても動かなさそうな王様になんて言えばいいのか分からず、下を向いて黙り込んでしまう。
「王様、袋です」
「ありがとう、よし…終わった」
「本当にありがとうございます、!」
「いいよ、それより怪我は無い?」
「はい!全然大丈夫です、!」
「よかった」
そう言って王様はすっかり冷め切ってしまったスープとパンの残りを食べ始めた。
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「あ、王様こんにちは」
「こんにちは、情報管理ご苦労さま」
「ありがとうございます、王様こそお仕事お疲れ様です」
「もう少ししたら会議だから遅れないようにね」
「はい、わかりました」
どこか線が細くて、目を離したらどこかに消えてしまいそうな王様。
いつもみんなに気配りが出来て、仕事が暇な時はガーデニングをしているらしい。
もし、自分達に仕事を回さず王様ばっかりに負担をかけていたら…ガーデニングなんて出来ていなかったんだろうな
そう考えると、よかったのかもしれないですね
「そうだ、会議が終わったら育てたお花をあげるね」
「花ですか?」
「そう、ゆかりみたいに紫色が綺麗な花。とっても綺麗に咲いたから部屋に飾ってみてよ」
「ありがとうございます」
自分が花好きなの覚えてたのかな
まあそんなはず無いか、と思いつつどんな花が貰えるんだろうと想像しておくことにした。
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「それでは今回の定期活動報告ですが…」
「私の科は_____」
「俺んところも_____」
そして、時間になりいつも通り会議が始まった。いつもと違うところがあるとするなら…あるが仕切っている所くらいだろう。
そこでふと思ってしまう。
…あれ、私何のためにここにいるんだろ
会議も仕切らない王様って……本当に必要?
みんなが仕切って、報告して、それをみんながまとめて…
なんだやっぱ要らないんだ
そうして誰からも必要とされなくなってひとりぼっちになっちゃえばいいんだ
ひとりぼっちになってみんなから認知されなくなって存在ごと消えちゃえばいいんだ
存在ごと消えてもみんな認知しないんだから関係ないよね
やっぱそういうことなんだ
あーあ、なら最初からそう言えばいいのに
本当にやだなぁ
この時ばかりは早く会議が終わればいいのに、と1人蚊帳の外でそう思った。
みんなが楽しそうに報告するのを眺めながら。
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約1時間ばかりで会議は終わり、会議の内容がまとめられた書類が手渡される。
「これ、今回の資料です」
「うん、ありがとう」
「いえ!王様はゆっくり休んで下さい」
「あはは…そんなに疲れたように見える?」
「ええ!結構疲れたように見えます!」
「そんなはっきり言っちゃうか…wまああかりから見てそう見えるんならお言葉に甘えて休まさせてもらおうかな」
「そうした方がいいですよ!出来る限りのことは私たちがやっておくので!」
聞いてわかった事が一つあった。
みんな善意で私に仕事を回さずやってるんだ、ということが。
ありがたいけど、でも…
そういう気遣いは自分に向いてないのかもしれない
やっぱり嫌な方向に考えてしまう
「……お父様」
私はどうするべきなんでしょうか お父様…
『にうの好きなようにやればいいんだよ。大好きな事は絶対に続けるべきだ』
ふいに昔言われた言葉を思い出す。
絵を描くのが好きで、文章を書くのが好きで、いつか誰かを喜ばせてみたい、と本気で心から思っていた。
でも歳が上がるにつれ、自分は周りより劣っているそう思ってきて。
お父様に夜な夜な相談しに行った事がある。
その時にそう言われたのだ。
…もう少し考えてからにしよう
もしかしたら寝て忘れてるかもしれない
そう信じて、布団に入った。
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次回「決意」
決意次回になっちゃった…
ヒス構文入ってますが艿兎、本来の設定から取ったものです。決して流行りに乗ろうなんてそんなこと((((
コメント
5件
ヒスがヒスしてるッ(?) らめもくぅぅお皿割っちゃったぁぁぁ……艿兎優しいぃぃ
プルィピャラピグスホアアアアアアアアアアアアアアアアアアア ヌエエエエエエエエエエエエエLove🫶🫶🫶🫶🫶
好きぃぃぃぃぃぃあたふたしてるらめもく想像するだけで可愛い