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~⚡said~
「🦖、くすぐったいねんけど。」
さっきベッドに連行されたと思ったら、色んなところにキスし始めて、もう10分位経つ。
「さっきから何してん?」
「見えるところにすると嫌がるから、その分いっぱいキスマつけてる。」
正直、今じゃなくても良くないか?と思ったが、理由が可愛いと思ってしまったので、何も言わずに身を任せる。
🦖はいつも俺に甘い。それは恋人だからなのか、それとも別の理由があるのだろうか。
🦖と出会うまで、向けられた愛に必死で振り向くけど、自分の方が軽い気がして嫌だった。
受け取れないほどの大きな愛情が嫌いで、自分が放った小さな愛は、受け取られる事無くすり抜けていく。
束縛されることに慣れて、自我なんてほとんどなく、ほぼ相手の言いなりだったようにも思う。
あまり過去の事は話したことは無いが、🦖が聞いたらどう思うのだろうか。
~🦖said~
最近、⚡がボーっとしていることが増えた。
特に俺と一緒にいるときによく見かける。悩み事でもあるのだろうか。少しだけ不安になる。
「⚡…?」
声をかけると、少し虚ろな瞳でこちらを見つめた。
目が合っているはずなのに⚡がどこかに消えてしまいそうで、思わず腕を掴んだ。
~⚡said~
いきなり腕を掴まれたことによって、考えていたすべてを放って我に返る。
心配と不安が入り混じった顔で見つめられ、何も言えずに俯いた。
「何かあった?」
優しく問いかけられた質問に、さっきまで考えていたことがまた浮かんだ。わざわざ言う必要はないかもしれないが、言ってもいいだろうか。
嫌われたくないと思う気持ちと、一人で抱えるには重すぎる思考が、ぐるぐると回る。
しばらくの沈黙の後、🦖が口を開いた。
「⚡が言いたくなったタイミングでいいからね。」
今まで言われる事の無かった言葉を、いつだって🦖が言ってくれる。
「🦖は優しいな…。」
思わず零れた俺の言葉に、不思議そうに首を傾げた。
「どうしてそう思うの?」
「俺が欲しい言葉をいつだってくれるし、今だって俺の言葉を待ってくれとる。俺が嫌がることはしないし、俺に触れる時、いつもガラスみたいに扱ってくれるから。」
「そんなの普通だよ。好きだから優しくするし、割れ物みたいに扱うんだよ。」
「そっか…。」
🦖の言葉に納得しつつ、色んな疑問が浮かんできた。
「質問してええ?」
「いいよ。」
この機会に、一番の疑問をぶつけることにした。
「🦖は俺の事殴ったり、拘束したりせえへんけど、不安やないん?」
その質問にすごく驚いた顔の後、怒ったような顔になって、質問の仕方が悪かったのだろうかと不安になる。
「ご…ごめ…。」
謝りかけていたところで、🦖に痛いくらい強く抱きしめられた。
「ごめん。」
謝る方なのは、ずっと自分の方だと思っていたから、なぜ謝ってきたのか意図が分からなかった。否定も肯定も出来ずに、俺はまた黙り込んでしまった。
~🦖said~
⚡から言われた衝撃的な一言に、今まで気づかなかった自分の観察力の無さと、察しの悪さに腹が立って、思わず⚡を強く抱き締めた。
確かに出会った頃は、これでもかというほどボロボロだったし、よく魘されているところを見かけた。それでも、打ち解けてくれるのが意外に早かったからか、過去の事はあまり聞かないようにしていた。
踏み込んでしまったら、もう元には戻れないような気がして不安だった。
「⚡の事は、信じてるから、そんな事わざわざしないよ。大丈夫。⚡が嫌がることとか絶対しないから。」
今までの過去を塗り替えるのは難しい。それならせめて、俺が⚡の安心できる場所になる。さっき優しい人だ。なんて言ってたけど、それは違う。
本当は、⚡の事をずーっと手に入れたかった。不安って言うだけで、手放す程馬鹿じゃない。やっと俺のものになったんだ。
不安の種は、俺がすべて取り除く。だから、ずっとそばにいてね⚡。