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「……?ここは…」
目が覚めると薄暗い路地裏のような場所に居た。そして目が覚める前の記憶が無い。
「とりあえず…明るい場所に行こう…」
そう思い、立ち上がった瞬間何処からか足音が聴こえ始めた。路地裏のような場所で足音ということは…
「……まずい」
すぐさま隠れられそうな場所を探したが見つけられず、咄嗟に離れようと走り出した。その時後ろから
???「おいおいどこ行くんだよ」
という声が聞こえた。振り返ってみると1人の男性の不良に見えたが、どちらにせよ自分が敵う相手ではない。そのまま無視して走り続けた。
???「シカトかよ~話ぐらい聞いてくれてもいいのにな~w まぁ仕方がないかw」
そう言うとその男性は追いかけてくる。距離はあるがいずれ追い付かれる。
「…なら」
運良く曲がれ道が多いのを利用し複雑に道を曲がり相手を撒こうとした。しかし既に背後に居たかのような早さで捕まってしまった。
???「やっぱこんなもんかw 力を出さない限り『無能力者』か?」
無能力者…
少しだけ思い出した。アニメや漫画ぐらいでしか聞いたことがなく、多少憧れてはいたがあり得ないと言われていて、むしろ憧れていることをバカにする人が多かった。
???「ま、そんなことはどうでもいい。お前は無視したんだから、俺がお前を殴って、お前がなにを言おうと無視し続けるから。常識だよな?w」
そう言い、その男性が顔目掛けて拳を振る。目を瞑り、死を覚悟した。終わった。
…
…
…
しかしなにも起きない。それどころか当たる寸前だったはずの拳が当たらなかった。何が起きたと思い、目を開けてみるとその男性がおらず、淡い桃色と水色のパーカーを着た1人の男性が目の前に立っていた。
????「危ない危ない、あと少しで怪我しちゃうところだったね。あっごめん、びっくりしちゃった?あれ?おーい?」
なにがなんだか分からず硬直してしまっていた。
桜木トオル「あっ自己紹介がまだだったね。僕の名前は『桜木トオル』。ただの一般人さ」
自己紹介されてしまった。尚更どうしようと硬直していたがふと思った。さっき襲ってきた男性はどこへ行ったのか。不安ながらも聞いてみることにした。
「あ、あのー…さっきの男性の人は…?」
桜木トオル「ん。あーあの人は美味しかったよ!」
「え…?」
予想していた返答を遥かに越えた返答で帰ってきた。
桜木トオル「あっごめん冗談だよ…あの人は警察の人に捕まって連行されたよ」
「さ、流石に冗談にしても怖いですよ…ま、まぁ捕まったのなら安心です…」
そう言い肩を下ろす。すると一瞬謎の感覚に襲われたが桜木トオルという人は気付いていなかった。
桜木トオル「そうだ君、僕のとこに来ない?ここで暮らすにしても、色々分かっていないとまた襲われたりした時になにもできないだろうし」
そう言い手を出す。正直色々不安もあり、事が起きすぎてよく分からないこともあるがトオルという人は なにか安心できるような気がする。そう思い、信じてその手を掴んだ。